昔々あるところに
こんな犬達がいました

という内容のブログです。






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2015-03-21 19:47:30

KV軍用犬候補合格證明附與規定 昭和8年

テーマ:犬の法律と規則
社團法人帝國軍用犬協會が定めた、登録犬の軍用候補試験規定。
小説「さよなら、アルマ」では、このテストを軍犬購買会と混同しておりました。候補試験に合格しただけでアルマが日本軍へ配属されるとか有り得ませんから。
あの謎展開も、KV規定集を読んでいればやらかさずに済んだかもしれません。
軍用犬候補試験は民間犬の資格試験であり、「この犬には即戦力候補としての資質がある」ことを認めるだけです。あくまで“候補”。
KVの軍用犬候補試験と陸軍の軍犬購買審査は、全くの別物と捉えてください。

犬


犬

犬

犬

犬

犬

犬

犬

犬

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2015-03-21 19:40:41

バルド・フォン・アンデルテン SZ392905 PH(警察犬資格犬)

テーマ:帝國犬籍簿 は行
生年月日 昭和4年4月2日生れ
犬種 シェパード
性別 牡
地域 兵庫縣神戸市
飼主 森本元造氏

日本シェパード倶楽部登録犬。
甲府シェパード犬界の記事でも、ちょこっと名前が出ています。
http://ameblo.jp/wa500/entry-12003666255.html

犬
昭和8年の広告より
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2015-03-21 19:36:09

フォルカー・フォン・ベルンSZ338634(種牡犬)

テーマ:帝國犬籍簿 は行
生年月日 昭和4年1月9日生れ
犬種 シェパード
性別 牡
地域 兵庫縣神戸市
飼主 曾根武四郎氏

日本シェパード倶楽部登録犬。
ケーテ・フォン・デニーケンネルスの旦那さんでございます。
http://ameblo.jp/wa500/entry-11895235250.html

犬
昭和8年の広告より
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2015-03-21 19:32:38

シェパードの仔を求む・譲る

テーマ:犬の広告/デザイン
愛好団体NSCが設立されると、シェパードは全国へ普及していきました。
それには、仔犬の譲渡や賣買の広告も貢献しています。

犬
日本シェパード倶楽部 昭和8年
2015-03-19 22:53:26

甲府のシェパード界

テーマ:国/地域
ポチは足も短く、若年でありながら、喧嘩は相当強いようである。
空地の犬の巣に踏みこんで、一時に五匹の犬を相手に戦ったときはさすがに危く見えたが、それでも巧みに身をかわして難を避けた。
非常な自信をもって、どんな犬にでも飛びかかってゆく。たまには勢負けして、吠えながらじりじり退却することもある。声が悲鳴に近くなり、真黒い顔が黒 くなってくる。
いちど小牛のようなシェパアドに飛びかかっていって、あのときは、私が蒼くなった。はたして、ひとたまりもなかった。前足でころころポチを おもちゃにして、本気につきあってくれなかったのでポチも命が助かった。
犬は、いちどあんなひどいめに逢うと、大へん意気地がなくなるものらしい。ポチは、それからは眼に見えて、喧嘩を避けるようになった。
それに私は、喧嘩を好まず、否、好まぬどころではない、往来で野獣の組打ちを放置し許容しているな どは、文明國の恥辱と信じているので、かの耳をせんばかりのけんけんごうごう、きゃんきゃんの犬の野蛮のわめき声には、殺してもなおあき足らない憤怒と憎悪を感じているのである。


太宰治「畜犬談」より

今回は、戦前の甲府シェパード界について取り上げます。甲府といえば甲斐犬ですが、シェパードも飼育されていました。
太宰さんが甲府へ転居したのは昭和13年ですから、それより5年も前の記録です。
ポチを一蹴した「小牛のようなシェパード」も、この中の一頭だったのでしょうか。



甲府のシエパード界の近況を皆様に御通知いたします。
近況といつても、今まで甲府のシエパード界に関する情報がこの會報に載つたことがないのですから、その濫用から書かねばなりませんが。
東京から僅かに三時間半のへだたりしかない甲府だのに、わがシエパードに関する限り、案外遅れて了つたのは残念です。

私なんぞ七八年前から、もうシエパードが欲しくて堪らなかつたのですが、二百圓三百圓と聞いて手も出せず、残念がつてゐました。
その當時は甲府には一頭もゐなかつたし一般の人はそんな犬の存在さへ知らないやうな風でした。

甲府へシエパードが初めて來たのは、一昨年の初めだつたと承知してゐます。
A氏といふ大変に犬好きの方が神戸あたりから一匹買つて來たのと、私の友人のH君といふのが東京の犬屋から一頭連れて來たのとです。A氏はその仔犬に間もなく死なれ、その後また一頭大変な発育不良な仔犬を買ひましたがこれも間もなく死んで了ひました。
A氏とH君とより少し遅れたでせうか、現在、甲府シエパード界の最古参で、また同時に熱心な飼育者の一人である所の本會員萩原幾太郎氏とF氏といふ新聞記者の方とが、いづれも神戸の田丸ケンネル(※田丸亭之助猟犬訓練所)から一頭づゝ甲府へ連れて來ました。
それからその年の櫻の咲く頃になつて、千葉の歩兵学校の教官から甲府聯隊附となつて來た渋谷中佐といふ方が歩兵学校出のシエパードを一頭連れて來ました。

そんなわけで、一昨年は大體H君と萩原氏と渋谷中佐との三頭のシエパードが甲府の町にゐたわけです。然しこの頃は、まだまだシエパードに對する批判、飼育、訓練の知識は甲府の人にはなかつたやうでした。

それが昨年になりまして、急に甲府にシエパード熱が勃興してまゐりまして、昨年内に甲府へ來た犬は十四五頭にもなりませうか。それが大部分テンパーに倒れて了つたんですから、何としても残念のことです。
それに昨年の三月のNSCの大會には萩原氏と私と他に、現在は飼つてはをりませんがその頃やはり相馬理事のレオの仔を飼つてをられた方と三人で上野にまゐりまして、いろ〃と中央の啓示をうけてシエパードに對する眼もだんだんと開けてまゐりましたので、相當優秀な犬が飼はれるやうになつて來たのですが、その優秀な犬が昨年の暮あたりどしどし倒れたのには實にがつかりしました。

會員土屋一郎氏並に萩原氏の飼育にかゝるバルド・フオン・アンデルテン對河野氏シラーの仔二頭、會員小林氏が中島理事より譲り受けた、カウント對グレタの仔などは殊に残念でした。
この三頭が一ヶ月の中に次ぎつぎに倒れたときは、ために甲府シエパード界は大変寂寥を覚えたものです。

甲府シエパード界のために特筆せねばならないことは、何といつても河野豊信氏の存在です。
昨年の二月、河野氏が勤務先の畜産試験場を辞して郷里甲府に愛犬シラー・フオン・コーベを連れて帰つて來てからといふもの、甲府シエパード界のシエパードに對する認識は、頓に啓けてまゐりました。
訓練なきシエパードは零であるといふ河野氏の持論と、シラーの妙技の實際とは、大いに私共を啓発したものです。

現在甲府には市内に十四頭、郡部に八頭のシエパードがをります。
もつともれこは私の所に四五日前生れたばかりの仔犬四匹を加へての話ですが、猶この外に甲府聯隊に三頭のシエパードがをりまして、将来軍犬班を大成する準備中ですが、これはまだ、その取扱兵達が餘り慣れてゐない為か、現在の所大なる発展を見せてをらないらしいのは遺憾です。

この民間の二十二頭は十五人の愛犬家によつて飼はれてをるのですが、猶この外現在は飼育してはをられなくとも、昨年頃飼つてをられ、昨年その愛犬をテンパーに奪はれ将来再び飼はれる豫定で待機中といつた様な、シエパードフアン数人を加へまして、甲府シエパード倶楽部と云つた風なグループを作り、隔月位にメンバーの集りを催し、胸の裡に鬱積してゐる犬に関する数々の話柄をもち合つてお互に漫談快語し合つてをります。
この會合は私共甲府のグループにとつて何よりも楽しく、且つ有益なものです。
将来は在京の理事各位にも来ていただいて、いろ〃と有益な御話を拝聴するやうになりたいものと思つて居ります。

甲府の犬は大部分まだ未成犬です。
従つてまだ作業犬としてのシエパードらしいシエパードはまことに寂しいのを遺憾としますが、然し、久邇宮殿下賜楯を拝受した、河野氏シラーの存在はいやが上にも甲府シエパード界を刺戟してをりますので、やがて中央の訓練競技會に於いて甲府の犬が精々気を吐くの時もまゐりませう。
私はそれを信じ、祈り、かつ努力してをります。

以上で甲府の犬のことに就いては大體書いたやうです。
要するに甲府は昨年來急激にシエパード熱が勃興してまゐつたとは云へ、まだほんの序の部です。
今年は犬の素質に於いても、訓練に於ても、一段と進捗することでせう。
大部長くなりましたからこの位で、いづれ今後は時々田舎者の気焔を上げさしていただきたいと存じます。

飯野一雄「甲府より」 昭和8年
2015-03-18 21:26:59

トミー(軍犬)

テーマ:帝國犬籍簿 た行
生年月日 不明
犬種 不明
性別 不明
地域 満洲北部
飼主 平澤秀介氏

拝啓
春陽の候各位益々御清栄の段慶賀の至りと存じます。
我等一同各位様の御援助に依り至極元気に北満の一線に活躍痛し居る故、他事乍御休心下さい。

貴殿の前所有として愛育致されし軍犬トミー號、名誉在る柏部隊通信班軍犬として編入されて依り、此處に四星霜を過ぎ、此の間北満の警備に、或は訓練に良く勉励しました。

昭和十四年四月十一日、我部隊は重任を拝し、渡満以来山村の地に警備の任に在りましたが、東亜の風雲急を告るや、断乎として起ち同年八月二十一日勇躍征途に就いた軍犬トミー號も亦其の名、世界に知られたる當時猪鹿倉部隊通信班軍犬として征途に就く。
同年〇月〇日、天鎮付近の戦闘に於て夜間部隊誘導犬として我部隊の急を救ひ、軍の作戦に有利を與へた。
○月〇日、大同付近の戦闘、〇月〇日、鉄角嶺の戦闘、同年十月十日原王鎮付近の戦闘、〇月〇日忻口鎮付近の戦闘、同年〇月〇日太原付近の戦闘、〇月〇日晴の太原入城にも、隊の名と共に軍犬トミー號の名も輝きました。

昨年八月、ノモンハン事変に再び志賀通信班長の指揮下に入り、酷暑、炎熱と戦ひ、ホロンバイル草原、ハルハ河畔の附近の戦闘に於て良く傳令犬の任務を完うし、名声を博し、十月原駐地に帰還しました。

昭和十五年三月十日、陸軍大臣畑俊六閣下依り軍犬トミー號に對し北支事件の戦闘に於る功績に對して、甲功章を授與され、實に此の上も無き名誉で在ります。
今尚北満の警備の任に服し、良く通信隊長、軍犬係、下士官命に依り元気旺盛に勤務せるも、一重に納犬時代貴殿の育成の賜に依る物と信ぜられ、更に感謝の外有りません。
軍犬トミー號、無言の戦士として兵隊中に賞賛されて居ります。

二伸
先般新聞紙上にノモンハン軍犬美談の中に軍犬迅號は此の名誉あるトミー號仔にして部隊に於て育成したる犬で、親仔共に君國の為に盡し、實に賞賛の外在りません。
近々中にトミー號の写真と、甲功章の写真を御送り致し度き感慨で居ります。

北満の地も愈々暖かくなり、解氷期となり、河川は溶始め、最早渡る事が出来ぬ程となりました。日晝は七八度位で日々の演習勤務に支障無く服務致す事が出来る様になり、益々軍務精励し、皆様の御期待に副ふべく奮闘致す決意で有ります。
先は取敢ず 御知せ迄。
敬具

○月〇〇日
柏部隊中出隊軍犬係 八子武

平澤秀介殿

★ ★

拝啓
初夏の候、皆々様御元気の由、御喜び申上げます。先日班長殿からお便り拝見させていたゞきました。有難御禮申上ます。

去年の十二月甲功章を下さる命令があり、去年三月七日部隊本部前に於て将校兵士多数参列の前にて軍馬二頭、トミー號功章を賜はりました。
その時隊長殿、八子班長殿と自分がトミー號の取扱兵なので参列し、部隊長殿から賞状功章と、トミーにも嬉しい事がわかる様にとその場で牛肉が與へられました。
その時のトミーの得意な姿を一日も早く皆様に見せたいと、色々と書類をしらべ住所が変つて居るかも知れんと云ふので便りだけ差上げたのであります。丁度班長殿が留守だつたので遅れましたが、昨日写して來ましたから出來しだい班長殿からお送り致します。

昨年のノモンハン事変にも参加致し、よくやつて呉れました。
九月十日にはもう雪に降られ、寒い中を夜間もいとはず使命を果して呉れた時には、あまりいぢらしくなり、身に熱き物感じ、何かうまい物をたべさせたいと思つても喰ふ物がなく、南京米と牛カンが少しづゝしかあたへる事が出来ないので残念でした。
あのホロンバイル草原を、オホカミ群と戦ひながら通信連絡を任ずるトミーの英姿を想ひうかべて下さい。

今年九歳と成るも益々元気で北満警備に我々と共について居ります。
戦場の活躍ぶりはいつか又くはしくお知らせ致します。
そちら様に可愛お子様がおありの様子ですが、次の歌を愛馬進軍歌のふしでおしへて下さい。

1. 
北支戦線雄叫びて 
渦巻昇る砲煙に 
軍犬トミーの意気高く
甲功章は輝けり

2.
遠く離れた満洲の
しかも國境穆稜で
師團一を誇りたる
軍犬トミーは此處にあり

3.
國境守備の一線に
ドロト湖畔の戦闘に
犬にはあれどけなげにも
連絡すりやこそなほ可愛

4.
過ぎし北支の戦線で
手柄をたてしトミー號
トミーよでかしたあつぱれぞ
拝むぞお前の甲功章

では皆々様、御身體大切に。
敬具

○月○○日
藤木正憲

平澤様

「大陸便り」より 昭和15年


2015-03-18 20:30:58

アンカ・フォム・モールダム SZ350154(愛玩犬)

テーマ:帝國犬籍簿 あ行
生年月日 不明
犬種 シェパード
性別 牝
地域 東京府
飼主 オバーライン氏

上野でNSC(日本シェパード倶楽部)の展覧會を開いた時に、森内氏のカールがその妙技を縦ままにして、観衆を酔はしめてしまつた。
その時にベンチの一角に、レデーの如く取り澄まして居る、一匹の気品の高いシエパードを見た。
久保博士(久保盛徳氏)はその彼の女を激賞した。
「あれなら君、チヤンピオンしてもいい位だね」
と、周囲の誰れ彼れに獨語した。彼の女の名はアンカであつた。



僕は愚書「犬の話」に彼の女を記して此の如く謳つた。
「カールの隣のベンチには、カールを生んだ母親のオバーライン氏のアンカーと云ふ犬が居た。之もその首に繋索はなかつた。それでもアンカーは、カールと同じ様なポーズをとつて、ベンチの中央に美くしい姿でダウンして居た。
主人のオバーライン氏は犬にホンノ一寸合圖をして、その儘あちらへ行つてしまつた。オバーライン氏は犬をふりむきもしなかつた。犬も素知らぬ顔をして、ちつともポーズを崩さなかつた。
それは本當は名優のしぐさであつた。心憎いまでに洗練された、名優のしぐさであつた」



アンカーの死を聞いて、僕の頭にはあの時の麗犬アンカーの姿が、はつきりと浮み上つて來る。
逃がした魚は大きいと云ふ。
死んで行く名犬もそれと同じ事。一層得難い犬のようにつく〃と惜まれるのである。

鏡四郎「名犬の死」より 昭和7年

森内章介さんとカールについてはこちら。
http://ameblo.jp/wa500/entry-11190178647.html

犬

2015-03-16 23:26:01

カユス・フォン・スハラ KZ20517(軍犬)

テーマ:帝國犬籍簿 か行
生年月日 不明
犬種 シェパード
性別 不明
地域 不明
飼主 鶴田幸治氏

拝啓
酷暑の砌、鶴田様には其後御壮健にて御暮しの御事と御察仕ります。
陳者本月十二日、隊よりの命令にて巡察中、無念ボビー(カユス・フオン・スハラ KZ二〇五一七)は敵弾に斃れ、名誉の戦死を致しました。

思へば昨年〇月〇日、御貴殿宅より勇躍當地の向ひ出征して以来、或ひは討伐に、或ひは警備に、幾多の武勲を立て、自分達軍犬班の者は勿論の事、隊の者達からも、此の勇敢で而かも警戒心の非常に強いボビーは第一線に立ち、我々軍人にも負けない無言の戦士と感謝され、又大切にされて來ました。

特に、自分が専らボビーの教育訓練んいたづさはつて居つた関係上、悲しさも一しほにて、北支特有のあの猛烈な寒風の中での訓練、又炎暑の中、水なき討伐にも共に苦労をしてくれたボビーの姿が毎日走馬燈の如く思ひ出され、出来る事なら自分が身代りになつてやつてもボビーが元気でやつてくれたなら、と食器を見るにつけ、犬小屋を見るにつけ、戦友の死に劣らぬ淋しさに襲はれます。

早速御通知申上ぐる筈で御座いましたが、軍務多忙と、御通知して御一同様の御嘆きになる御事と日一日と遅れて失禮致しました。
先は不取敢御報告迄、暑さ厳しき折柄、御身大切に。
敬具

〇月○○日 松山伸治

鶴田幸治様

「大陸便り」より 昭和15年
2015-03-16 22:27:10

多田進

テーマ:犬を愛した人々
この犬に心當はありませんか。

これは今を時めく北支最高指揮官多田駿中将令息のとんだ拾ひ物―。
慶應本科二年の進君が一週間ほど前に妹の多満子さんと一緒に近くの目黒川べりを散歩してゐると、草むらの中に身長三尺餘もあるシエパード犬の大きなのが空腹のため行倒れになつたものか、気息えん〃たるのを發見。
あまり可哀さうなので二人が抱いて渋谷區八幡通りの自宅に連れ帰り、まる二日間介抱御馳走したりの挙句、やつと元気を取り戻した。

この恩義に感じたせゐか、この犬今ではすつかり進君や多満子さんになついてしまひ、いつかな元の飼主の許へ帰らうとしない。しかもなか〃お行儀が良く、廊下などに上る時は必ず自ら足を洗つてから……といふからきつと育ちがいゝに違ひないのだが。

見つけた時には鑑札の首環もなく、さりとて捨て犬とも思はれない。そのうちある犬の専門家がこれを見て、
「これは大した逸物です。時價三千圓以上でせう」
とのことに、まさかこれおほどの犬が全くの野良犬ではあるまいと、警察とも相談。
進君が再三散歩に出かけては途中でまいたが、やつぱり帰つて來てしまつたので、そのまゝ飼主が現れるまで飼つてゐる。

進君は語る。
「すつかりなついてしまつたものですから、また捨てるのも可哀さうでなりません。どうか飼主が現れるやうにして下さい」
報知新聞「名犬の拾ひ物」より 昭和15年
2015-03-15 21:37:33

ヘクトル・フォム・リューアソウ KZ10917(俳優犬)

テーマ:帝國犬籍簿 は行
生年月日 昭和10年4月20日生れ
犬種 シェパード
性別 牡
地域 東京府
飼主 俵藤丈夫氏

俵藤氏の愛犬として育ち、舞台「進軍抄」に出演した俳優犬となります。
http://ameblo.jp/wa500/entry-11006521201.html

同腹兄弟
牡三
育児法
母乳、満二ヶ月目離乳。
食餌 二ヶ月迄六回、四ヶ月迄五回。
(八月) 現在四回。パン、牛乳、鶏卵、野菜、薬品。
(九月)四回。牛肉、パン屑、牛乳、卵、野菜、豆腐粕、味噌汁、薬品。
(十月) 回数同前、材料同前。
(十一月)三回、材料同前
(十二月) 二回、材料同前。
健康状態
(八月) 良好。
(九月) 元気旺盛。
(十月) 良好。
(十一月) 同前。
(十二月) 初旬、目脂少々あり。目薬にて全快。その他異状なし。
環境
豊島區駒込三丁目
(八月) 日中は三十坪の庭(土)。夜及び雨天は三坪位の板張犬舎に母犬と俱にあり。兄弟犬牡一頭。
(九月) 同前。
(十月) 兄弟一頭と共に共に毎朝戸外廣場の自由運動三十分。
(十一月) 兄弟犬と同居。母犬と共に終日遊ぶ。
(十二月) 同前。
備考
(八月) 既往症なし。駆蟲毎月一回、糞便検査月二回。
(九月)  一日稍軟便なりしも二日目より消化便となる。
(十月) 先月中旬および今月初旬駆蟲薬投與。回蟲数匹を認む。中旬又駆蟲を行ふも蟲を認めず。
(十一月) 初旬駆蟲。なし。食欲旺盛、九日より自転車運動を始む。

「シエパード優秀犬作出競技」より 昭和11年
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