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【安保法制】
一歩前進も、残った「できないこと」 立ちはだかる憲法9条の「壁」
自衛隊幹部は「他国からの信頼を損なうことにならないのか」と懸念する。
邦人救出
合意文書に盛られた在外邦人の救出も、厳しい条件が課されている。邦人が拘束されている地域に主権が及んでいる受け入れ国の同意が前提で、武器使用は正当防衛や緊急避難など警察権行使の範囲に限られる。
しかし、国際法では自衛権による邦人救出が可能だ。安倍首相は自衛隊の能力に疑問を呈する形で否定しているが、自衛権が発動できればイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による邦人殺害脅迫事件でも邦人救出作戦を行える可能性があった。
これに対し、日本が自衛権を発動できるのは「組織的、計画的な武力の行使」があった場合のみだ。この見解は新たな憲法解釈にも引き継がれ、日本人が偶発的に拘束されても自衛権は発動できない。 (杉本康士)