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サンノゼで開催されたデータ技術のカンファレンスで放映されたオバマ大統領のビデオメッセージの様子(写真:海部 美知)

 テック業界ではみんながいつも「次の大物(Next Big Thing)」探しをしているわけだが、そのテーマはこのところすっかり「IoT(Internet of Things=モノのインターネット)」に集約されてきた感がある。

 IoTとは、人がネット通信を行うのではなく、機械やモノを(場合によってはセンサーやメーターを介して)インターネットにつなぐ仕組みである。1つの機械ともう1つの機械同士が1対1で通信するのでもよいが、普通は多数の機械がインターネットを介してクラウドに接続し、クラウドに機械が発するデータを集めて、それを加工してサービス化する。

 IoTと一口に言っても、非常に幅が広い。少し前の一般的な報道では、IoTというと「グーグルグラス」や「アップルウォッチ」のようなウェアラブル端末のことと思われがちな時期もあった。しかし、2015年1月にグーグルグラスが販売中止となり、アップル以外のスマートウォッチがこれまで苦戦していることもあって、ウェアラブル熱は現実的なレベルに落ち着きつつある。

 一方で、シリコンバレーでは着々と、一斉にいろいろな方向に向け、技術開発、新規投資、M&A(合併・買収)などが大きく動いている。スマートカーやスマートホームのような消費者向けサービス、スマートグリッド(次世代送電網)や施設保全などの公共・企業の機械データ利用、ロボティクスなどのフロンティア的技術などなどだ。

 この1月にラスベガスで開催された家電展示会「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、各種の消費者向けIoT製品が多数出品されていたのをご覧になった読者も多いだろう。

 最近のテック系イベントなどで見る限り、これは単なる短期的な流行ではないと私は思っている。そんな流れの中でシリコンバレー的に見ると「IoTとは一体何なのか」。少々記してみたい。


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