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 東京電力福島第一原発事故で、詳しい実態がわかっていない甲状腺への内部被曝(ひばく)について、国際医療福祉大学などの研究チームが、より精度の高い推計を始めた。福島県で見つかっている子どもの甲状腺がんは、今のままでは被曝の影響かどうか特定するのは難しいとされており、この推計を解明に役立てたいとしている。

 被曝には体外の放射性物質から受ける外部被曝と、体内に入った放射性物質による内部被曝がある。放射性ヨウ素は体内に入ると甲状腺に集まって内部被曝を起こし、がんの原因になる。半減期が約8日と短く、実測データがほとんどない。県内各地の土壌の線量などからの推計はあるが、正確さに欠けると指摘されている。

 研究チームは、事故後約1週間に福島県立医科大や県内の避難所で外部被曝の簡易検査をした際の計約4万2500人分の記録に目を付けた。簡易検査では放射性物質の種類はわからず、それまで活用されていなかった。