組織の中で2割に好かれて2割に嫌われるのは絶対だけど、逆はコントロールできる
この前、ニコ生の「夏野総研」というところにでて、夏野さん、2chのひろゆきさん、メタップス佐藤さんと4.5時間話しまくるというものをして、超絶に楽しかったのです。4.5時間話してたのに、ユーザーさんからの評判もすこぶるよく、いい感じでした。ひろゆきさんに「けんすうは本当に頭が悪いなあ」と10回くらい言われたりなど、思い出に残る放送でした。
で、その中でいろいろな示唆があったのですがおもしろいのが、ひろゆきさんが「炎上してショックを受ける人の意味がわからない」といってたのですね。
「だってさ、人に誤解されないとか無理じゃん」「きちんと意図を伝えようとしても絶対に伝わらない場合あるよね」というところから「全員に好かれるとか無理でしょ?」「炎上するまで、自分は嫌われない、と思っているのだとしたらバカだよね」的な意味合いだったと思います。
これは結構おもしろいなあと。たしかに、ひろゆきさんや、僕みたいなタイプだと、15年くらい、人に嫌われたり壮大に叩かれたりされているわけですし、そのあとに忘れられることもよくあるわけなので「そんなもんだよねえ」と思うのですが、はじめて炎上をした人、インターネット上で知らない人から批判をされた人は、結構なショックを受けるらしいのですね。
で、炎上をしたといっても、批判する人って、せいぜい数千人レベルなんですよね。はてなブックマークとかだと、300人くらいじゃないですか。インターネット上の知らない人300人から嫌われたところで、人生にはほとんど影響がないと思うんですが、人はショックを受けるものらしいと。
ただ、人はネガティブな批判のほうが、ポジティブな言動よりもショックを受けるというのは、あります。1つのネガティブな意見をかき消すには10のポジティブなフィードバックがないといけないとどこかで聞いたこともあります。それはわかるのですが、ショックを受けてもたいして意味がないので、無視するのがいいんでしょうね。すべて本能のままに動かされても、疲れちゃうだけなので。
スタートアップ組織では?
というわけで、起業をしようとしている人の場合、知っておくべきことは、付き合う人の中の割合は、たとえどんな人でも
- 自分のことを好きな人:2割
- 別にどうでもいい人:6割
- 自分のことを嫌いな人:2割
くらいには集約されるということです。この割合は多少、人によって変わると思いますが、そんなもんだと。
スタートアップの50人の会社だとすると、10人が自分のことが好き、10人は自分のことが嫌い、30人がどうでもいいと思っている、なはずなので、そのくらいで、考えたほう一般的なわけです。
で、「相手→自分」の場合は、だいたいこういう感じになるので、気にしないのが一番ですね。みんなに好かれたい!とか、さすがに社会人になるとそういう考えも減ってくると思うのですが、問題なのは、「自分→相手」です。
自分→相手も、割合的には、付き合いがある人の中の2割くらいが好きで、2割くらいが嫌いになるんじゃないかと思っています。で、シンプルな話、嫌いな人と働くの嫌じゃないですか。だから2割の好きな人だけを採用するといいんじゃないかなと思っています。
「採用する人は自分で選べる」わけなので、「自分が好きな人しか取らない」ほうがいいのではないかと。組織が大きくなってくると、自分と付き合いがないので、嫌いな人をとっても影響ないと思うんですが、初期の数十人くらいだと、嫌いな人は取らずに、好きな人だけを取るのが、起業家にとってはいい。
「好き嫌いで取るよりも、スタートアップは成果を出すか出さないかで決めるべき」という考えもあると思いますし、僕も割とそう思うのですが「時間というリソースの重要性があまりに高いスタートアップの場合、成果を出すためには、コミュニケーションコストを極力減らすのがいい」というのが持論です。スタートアップで、意思決定する側の人間が、「相手が嫌い」とかのバイアスで判断がブレるのってもったいないよねえ、、と。
というわけで、相手が自分のことを嫌うのはしょうがないんですが、自分が嫌う相手を入れないようにする、は割とコントロールが効くのでおすすめです。