インスタグラムの躍進を示す、驚くべきデータとは?
2008年のFacebookに始まり、これまでにTwitter, Instagram, Vine, Snapchatなど、多くの海外ソーシャルメディアが誕生しているが、ここ数年における写真シェアリングサービス、インスタグラムの成長は目を見はるほどだ。実は、日本国内でも若い人を中心に爆発的に広まっており、これはおおよそ全世界に共通している特徴とも言えるだろう。
インスタグラムはユーザー数が単に増加しているだけでなく、ユーザーの滞在時間が長いことから、ソーシャルメディアマーケティングにおいて重要なSNSとして地位を確立しつつあり、現時点で全世界で3億のアクティブユーザーを誇っている。
統計によると、アメリカ国内企業の42%がインスタグラムの使用を増やそうとしている。また週に40時間以上をソーシャルメディアマーケティングに費やしているB-to-C企業は今後、インスタグラムを用いたマーケティングを平均で+49%も拡大したいと考えている。
以前にも、「データから見るInstagramの凄さ」でも紹介したInstagramに関する驚くべき統計の、2015年最新版を紹介しようと思う。
1. Facebookと並ぶほどの影響力を持つまで成長
日本にいると少し気付きにくいかもしれないが、実はアメリカ国内、または世界的に見ると、インスタグラムの人気はFacebookに匹敵するほどとなっている。そして写真共有アプリとして見ると圧倒的にトップの地位を確立している。
特に、若い世代になるほどその特徴は顕著であると言える。
またForresterの研究によると、インスタグラム上の投稿のエンゲージメント率は4.21%。ここでいうエンゲージメント率とは、ソーシャルサービスにおけるユーザーの積極的な反応の数値のこと。例えば10人のユーザーのうち1人が"いいね"といった反応をした場合は10%である。
このインスタグラムの4.21%という数値は非常に高く、Twitterの120倍、Facebookの58倍に値に匹敵する。従って、インスタグラムにへのポストは他のメディアへのポストよりもより大きな確立でリアクションを得やすいという事になる。
米国の10代が最も重要だと思うソーシャルメディアチャンネル (PiperJaffray調査)
2. モバイルに最適化されたサービス
2014年を"Mobile aware"と表現するなら、2015年は"Mobile First"と呼ぶことが出来るだろうと言われている。今まではパソコンに次ぐ二次的な役割を果たしていたモバイルであるが、今はパソコンよりもモバイルが主流になってきている。実際に統計的に見ても、2014年にはモバイルのみからのFacebook利用者数は34%も増加している。
それに伴い、多くのウェブサービスがアプリ化が進んでいる。一方で、元々ウェブサービスとしてではなく、モバイル専用アプリとしてユーザーの獲得&改良が続けられてきて来たインスタグラムは、そのリリース直後から、モバイルアプリとして最適なエクスペリエンスをユーザーに提供し続けて来ている。
3. 若者ユーザーからの絶大なる支持
~Facebook離れは本当なのか~ 米国若者ソーシャルメディア最新実情でもご紹介した通り、アメリカでは10代を中心とた若者に最も人気があるプラットフォームがインスタグラムである。
実際にアンケートを行った際にも、
"インスタグラムは僕たちの世代で最も使われているソーシャルメディア。ほとんどの人がfacebookを持っているけど、実際に利用したり、ポストしているのはインスタグラム上。例えばfacebookのポストに25lLikeしか貰ってない人のインスタグラムに253Likeなんてことも起こりうる。"
とのコメントが得られた。また、ユーザー層の男女比を見てみても、ネットサービスとしては珍しく、僅差で女性が多い事から、貴重なプラットフォームだとも言えるだろう。
統計:インスタグラムのユーザー層:
4. もうすぐ本格的な広告プラットフォームになる見込み
企業がソーシャルメディアマーケティングを行うにあたって、無料でリーチ出来る数は既存のコネクションに限られている。そこで新しいユーザーにリーチするためには、Facebook Adなどの広告をお金を払う必要がある。
インスタグラムも同様に、急速な成長スピードを保ったまま、2015年には新たな広告手法を展開させていくだろう。実は既に、年齢、性別、国をもとにした15秒のビデオ広告を表示する、"インフィードビデオ"が展開されている。このインフィードビデオは、インスタグラム上のWebサイトの新着情報や、ページ一覧などを掲載する枠内に設置される。
動画を利用したこの手法は、若い世代をターゲットにした企業や広告主にとって最適な広告機能であり、企業にとってインスタグラムは、効果的にプロモーションが行える場所になってきていると言えるだろう。
5. 絶大な影響力を持つインフルエンサーを活用したキャンペーン
多くのインスタグラムユーザーがフォロワーを増やしたいと思ってるだろう。そんなフォロワーをたくさん持つインフルエンサーと呼ばれる人たちにブランドメーカーがお金を支払い、プロモーションをお願いするといったことが頻繁に見られるようになってきている。
0からフォロワーを地道に集めていくよりも、既に影響力を持つインフルエンサーにお金を払ってプロモーションを行った方がROIが高いからだ。仮に中小企業のような小規模の会社の場合であっても、プロモーションコードや、ギフトをあげる代わりにユーザーにプロモーションをお願いすることが出来る。
以前よりTwitterなどで利用されたブランドプロモーション手法ではあるが、今後はその舞台がインスタグラムへと移行する可能性も少なくは無い。インスタグラム上での主なインフルエンサーとしては、Chris Ozer: 61万フォロワー. Natalie Suarez: 17万フォロワー, Michael O'Neal: 64万フォローワー 等。
統計:インスタグラムのを利用したインフルエンサーマーケティング例:
6. 写真シェアから動画シェアへ
写真共有アプリとしてインスタグラムが一人勝ちしている一方で、ビデオ共有アプリはVine, Snapchat, Hyperlapseなどが競い合っており、まだ勝者ははっきりと決まっていないように思える。今後インスタグラムは動画のシェアに一層力を入れていくだろう。
既にインスタグラムが占める動画のポストは多く、"10分の9のビデオがFacebookにもシェアされる"、"72%の有名企業がビデオを投稿する"、といったデータも出ているほど。
またここ最近のビデオトレンドは、インフルエンサーだけでなく、Vloggerと呼ばれるビデオブロガーを通してコンテンツを拡散させることが出来るかが鍵となっている。既にプラットフォームとして若い世代から絶大な支持を得ているインスタグラムが動画シェアサービスとしてソーシャルメディアでの地位をVineから奪い取っていく可能性が高い。
今後もソーシャルメディアマーケティングの影響力がより増加
非常に流れの早いソーシャルメディアにおいて、どのチャンネルを使ってマーケティングを行うべきかといった議論は絶え間なくなされている。世代によって、使っているソーシャルメディアが違うことや、動画やテキスト、写真など、どうやってコンテンツを見せるかといったところを意識しながら、その企業が発信したいメッセージに合わせたソーシャルメディアを使っていくことが賢明と言えるだろう。
チャンネルやコンテンツの種類の多様化が進む一方で、ソーシャルメディア全体がマーケティングやブランド構築において非常に大きな役割を持ってきている。米国では既にGoProやTeslaといった企業が、ユーザー先導型のソーシャルメディアマーケティングを通して大きな成功を収めている。
ユーザーによってブランドの価値が決定される時代
例えば、商品に満足した顧客がFacebookでシェアしたりリツイートを行うことで、友人や知り合い、そしてその繋がりから生まれる様々な人へ広めてくれることでブランド価値が目に見えないところで向上する。しかし一方で最も気をつけたいことと言えば、不満を募らせた顧客がソーシャルメディアを使って、気に入らない商品やサービスについて文句を言い非難する傾向の方が強いことだ。
これからのソーシャルメディアを利用したマーケティングに関しては、2015年に予測されるソーシャルメディアに関する6つのトレンド も参考になる。
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時代は変わった。オンラインでは、リアルの小売店のように棚を確保するためのマージンを払う必要はない。ソーシャルメディアなどを駆使し、自社のファンが集まるコミュニティをつくるほうが重要だ。 - Liam Casey, CEO PCH International