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ライフハッカー編集部ライフハッカー編集部  - ,,,,  07:00 PM

人材の多様性こそがビジネスの成功とイノベーションの鍵となる

人材の多様性こそがビジネスの成功とイノベーションの鍵となる

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Inc.:これまでのテクノロジー業界は、多様性という意味では、決して先進的とは言えませんでした。米紙『USA Today』に掲載された記事によると、一流テクノロジー企業の従業員のうち、アフリカ系アメリカ人とヒスパニック系の人が占める割合は、わずか5%と、アメリカ全体の企業で調査した結果の14%より、かなり低い数字でした。

このデータは各企業が発表したものですが、女性の雇用に関しても状況はあまり変わりません。Fenwick & Westによる最近の調査によると、シリコンバレーの企業で女性が取締役に占める割合はわずか10%です。委員会設置会社における委員長では8%、委員でも10%です。経営および事業開発の要職に女性が就いている企業は、全体の16.7%しかありませんでした。この調査の対象には、アップルやヒューレット・パッカードのような大手企業もふくまれています。


これらの企業を率いる男性たちは、とても頭が切れるのかもしれませんが、多様さを取り入れる必要性を無視している点に関しては、かなり思慮に欠けていると言えるのではないでしょうか。とはいえ、こうした現状は、より規模の小さな企業にとっては、戦術を駆使して成功のチャンスをつかむ絶好の機会でもあります。

あらゆるバックグラウンドから才能ある人材を集め、多様性を保持した組織のほうが競争力が高いことは、以前から企業トップにも認識されていることです。多様なエンドユーザーに向けて製品やサービスを販売するには、そのほうが有利なのです。アメリカでは2044年までに白人が少数派になると予測される一方で、ラテンアメリカ系やアフリカ系アメリカ人の購買力が向上しています。

加えて、テクノロジー系企業は、アメリカ国内だけでなく、世界中のユーザーにとって魅力ある製品の開発に取り組んでいます。そんな状況のなかで、「市場とのマッチング」の重要性はこれまでになく高まっているのです。

さらに、原文筆者が所長を務めるセンター・フォー・タレント・イノベーション(CTI)の報告書では、多様性が根付いた組織がイノベーションの源になる可能性があることを指摘しています。

多様なバックグラウンドを持つ社員は、自分と同様の立場にある消費者やクライアントの、これまで満たされてこなかったニーズに耳を傾けるのに向いているからです。「事実、新たな市場の機会を特定し、アプローチしていくうえで、彼らの知見は必要不可欠なものです」と、「イノベーション、多様性と市場の成長」と題されたこの報告書は綴っています。

ところが、こうした非常に重要な役割を担うべき人材は同時に、キャリアの停滞や辞職のリスクにさらされる人たちでもあるのです。

多くのケースで、多様な人材登用の旗手として考えられているのは女性です。そこでCTIの最新の調査では、「科学、エンジニアリング、テクノロジー」(英語の頭文字を取ってSET)の世界で働く女性をテーマに取り上げました。その結果、出てきた数字は驚くべきものでした。25歳から34歳までのSET系の仕事に就く女性のうち実に31%が、自らのキャリアが停滞していると感じていたのです。また、38%以上の女性が、キャリアの進展に多少、あるいはかなりの不満を抱いており、この分野を去る可能性が高いと回答しています。

ロボット掃除機のルンバや合成樹脂のケブラー、抗がん剤の成分である6-メルカプトプリンはいずれも、女性によって開発あるいは発見されました。女性たちがやる気をくじかれ、出世を望めなくなったり、さらにはこの分野から去ってしまったりしたために日の目を見なかった偉大な発明は、いったいどれだけあるのでしょうか?

今述べたような話を多様な人材のプール全体に広げて考えれば、高い可能性を持つ女性や、白人以外の人々を採用するだけでなく、こうした人たちのキャリアを支えていくことは、急を要する課題と言えます。

一方で、小さな企業は小回りも利きますし、社内の組織も大企業と比べてフラットです。ですからこうした企業は、多様な人材が能力を発揮するうえでの障害に迅速かつ効率的に対応し、やりかたを変えていく利点を手にしていると言えるでしょう。

今、差し迫っているのは、エグゼクティブ・プレゼンス(EP、企業幹部としての振る舞いや存在感に関する課題です。現状では、企業の上層部は白人男性が圧倒的多数を占めているため、さまざまな文化的バックグラウンドを持つ専門職の人たちや女性は、リーダーにふさわしい見た目や言動、あるいは振る舞いを心がけようとしても、不利な立場に置かれます。

CTIの調査報告も、権威ある立場にふさわしいと認められるために必要なエクゼクティブ・プレゼンスの重要性を裏付けています。この調査で、さらなる昇進のために必要な要素について企業幹部に尋ねたところ、EPという回答が26%を占めました。

ところが、女性や白人以外の人々は、白人男性が自分たちのために作った規範を自分の身に置き換え、実現することに困難を覚えています。しかも、こうした態度を身につけるのに役立つフィードバックが与えられる機会は、管理職のあらゆるレベルにおいて著しく少ないのが現状です。

一方、特に女性に関しては、さらなる問題があります。女性の受け入れに努めている企業は多いのですが、女性が自分たちのキャリアに何を求めているのかという点について根本的な誤解をしているために、こうした努力や出費が効果を発揮しないケースが多いのです。

女性のニーズに関するCTIの最新調査では、多くの女性が出世コースをあきらめていることが浮き彫りになっています。幹部の地位に付随する負荷のほうが、メリットを上回っていると考えているからです。リーダーの役割を引き受け、出世を目指すことを阻む要因は、その人が提供できる多面的な価値に絡む問題です。これについては、以前のブログ記事でCTIの調査をもとに考察しました。この記事では、女性が仕事に求める要素には以下の5つがあると指摘しています:

  • 才能を開花させる:女性は、自ら主体性を持って行動し、手応えを得ることを求めています。キャリアを通じて自己実現を図りたいのです。
  • 秀でる:女性は、能力を身に付け、知識や専門的なノウハウが必要な分野で秀でた存在になるための知的な挑戦を求めています。同様に、自らの頭脳による実績が認められることも重要視します。
  • 意味と目的を知る:女性は、仕事を通じて自らが重視する理念を推進し、さらには本人や家族、コミュニティーの期待を上回る能力を発揮できた時にいっそう花開きます。
  • 他の人に力を与え、自らも力を得る:女性は、援助してくれる人と、自らが援助する人の両方を求めています。前者は、自分たちの可能性に賭け、次の大きなチャンスを後押ししてくれる後援者であり、後者は自分の能力を高め、リーチを広げ、ブランド力を上げるために必要な存在です。
  • 十分な収入を得る:女性たちは、金銭的に自立するだけでなく、経済的な安定の獲得も重要だと訴えています。

さらにCTIの調査でわかったのですが、企業における要職の地位が、自らの提供できる価値を損なうことなく、むしろ高めるものだと納得できた場合なら、女性は幹部になりたい気持ちを取り戻すのです。アメリカ女性の場合、自分が望むものを手に入れられると前向きに考える人は、そうした期待を抱かない人と比べて、高い地位を望む可能性が2.8倍もアップすることがわかりました。

当然ながら、リーダーを目指す女性の支えとなるこのような指針は、そのほかの多様な人材に関しても広く当てはまります。企業は、必要な支援を与える仕組みを作り、多様なバックグラウンドを持つ優秀な人材がさらに上を目指せるよう後押しできるでしょう。

こうした仕組みの中には、強力な人脈や信頼できる右腕、忠実な部下のネットワークを作るための助言、高い能力が要求される業務や注目されるプロジェクトへの登用、さらにはコーチやメンター作りがふくまれます。より具体的に言うなら、このような人材が出世の道を進む上で、彼らを教え、守り、引き上げる役割を担う後援者が必要だということです。

さらに企業は、こうした戦術的なステップに加えて、力を持つ地位とは何を意味するのか、その「概念」自体を変えていくことにも、同じだけの力を注がなくてはなりません。多様な属性を持つ人たちの中から、他の人がお手本として感じられるような実例を提示する必要があります。

こうした人物とは、幹部的な地位から得られる大きな喜びや見返りを体現する人物であり、白人男性以外の人でもEPが発揮できると証明する存在でもあります。さらに、能力ある女性や白人以外の従業員が、キャリア中盤の難しい時期を乗り切る支えにもなるでしょう。

お手本となる人は後に続く人材に対して、要職に就いたとしても自分の持ち味を殺す必要はなく、かえって主体性や自律性が高まり、多様なバックグラウンドを持つ人材が自らの目標を実現する機会につながるという体験談を伝えていく必要があります。

確かに、新興企業が既存の成功モデルをなぞりたくなるのは理解できます。だからこそ、会社を率いる幹部には、自らの企業文化を変える責任が突きつけられています。

多様性を推進する管理職を迫害するのではなく、彼らに報いる仕組みを作りましょう。職歴や学歴に加えて、さまざまな視点、能力、年齢、ジェンダー、性的嗜好を持つ人が集まる会社にしましょう。「声をあげる」企業文化を醸成し、誰もが自由に、意見や前例にとらわれないアプローチ、あるいは「この会社では生まれないような提案」を行えるようにしましょう。

多種多様な人が集まる組織には、イノベーションを生み出す力が宿ります。こうした企業では、幹部がそれぞれの違いを尊重し、あらゆる声に価値を見いだし、さらに、既存の枠組みを壊すような提案を押さえつけず、むしろ活用していきます。成長と繁栄を目指すあらゆる企業にとって、多様性は単なる「あれば嬉しいもの」ではありません。もはや「絶対に必要な要素」なのです。


Tech's Ultimate App for Success: Diversity|Inc.

Sylvia Ann Hewlett(原文/訳:長谷 睦/ガリレオ)
Photo by Shutterstock.

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