大野晴香
2015年3月23日01時24分
四大公害病の一つ、新潟水俣病が今春、公式確認から50年を迎える。患者として認められることなく、感覚障害などに悩む被害者は今も少なくない。「政治決着」という節目があっても、手足のしびれなどに苦しみ、法廷で被害を訴え続ける人がいる。23日、新潟地裁で判決を迎える。
夕飯の支度が終わろうとした時のことだった。新潟市内に住むある女性は、ごはんをよそい、家族へ茶わんを渡すと、家族の表情が変わった。「指から血が出ているよ」。慌てて見ると、刃物で切ったような傷があった。指摘されるまで、気がつかなかった。
痛みを感じにくくなるほど、指先の感覚が鈍くなったのは、ここ数年。だが、手先の違和感は小学生の時からあった。40代になると、違和感はしびれへと変わり、しびれは足にも出るように。最近は足の指にけいれんのような症状もある。耳鳴りや頭痛もひどくなった。「見た目は健康そのもの。苦しみをわかってもらえないことが苦しい」
おすすめコンテンツ
PR比べてお得!