甲子園大会になると投手の登板過多が問題になるように、日本の野球選手がアマチュア時代から肩、肘を消耗している面も否定できない。
■大谷やマエケンのメジャー行きには影響必至か
それでもダルのような選手にまでトミー・ジョン手術の可能性が生じる現状は、今後、海を渡ろうという選手にも影響を及ぼす。プロ野球でいえば大谷翔平(20=日本ハム)しかり、前田健太(26=広島)しかりだ。スポーツライターの友成那智氏がこう言った。
「最近のデータによればトミー・ジョン手術によって球速が増すのはごく一部の投手です。若い選手が体幹トレーニングなどの肘とは別の部分を鍛えて球速がアップするケースで、23歳で手術をした田沢がいい例です。けれどもトミー・ジョン手術をした投手の大半は平均して球速が3キロほど落ちますからね。手術によってパフォーマンスが下がるだけに、メジャーも手術の可能性のある日本の投手との契約は慎重にならざるを得ないでしょう。中でも打撃を受けるのは大型契約になりがちな先発です。入札金を含めて7年総額210億円の田中がメジャー1年目に離脱、6年総額130億円のダルビッシュが4年目の開幕前に大きな故障をしたことで、100億円を超すような大型契約は大打撃を受けますよ」