「社長100人アンケート」で個人消費が消費増税後の反動減から回復する時期を聞いたところ、6割超が2015年6月までにと回答した。各社の事業について消費増税によるマイナスの影響が「残っている」と回答したのは2割で、過半の企業は回復したと判断している。ただ、経営者の間では中国や欧州など海外経済の減速懸念が強まっている。
消費増税の反動減が一巡する時期について15年4~6月との回答が、27%で最も多かった。14年12月までに回復したとしたのは17.2%、1~3月は18.6%だった。7月以降にずれこむとの回答は2割強にとどまった。
日本フードサービス協会の1月の外食売上高は前年同月比5%減、日本チェーンストア協会の1月のスーパー売上高も1.7%減となるなど、消費回復はややもたつき、景気の本格回復に向けた課題となっている。
ただ、2月の全国百貨店売上高(既存店ベース)が訪日客の増加に加え、婦人衣料が好調で11カ月ぶりに増加に転じるなど明るさも見え始めた。前回調査で増税の反動減からの回復時期は1~3月(30.6%)が最多でやや後ろずれしたものの、まもなく影響を脱すると見る経営者が多い。
各社の景況感は個人消費に先駆けて消費増税の反動から回復している。影響が現状で「なくなった」「ほとんどなくなった」の合計は56.6%で、「影響が少し残っている」と「影響がかなり残っている」の合計(22.7%)を大幅に上回った。
円安に加え、原油価格の下落も景況感の改善を後押ししている。現在の原油価格は1バレルあたり50ドル前後で、約6年ぶりの安値水準を付けている。原油安の影響は「プラスに働く」「どちらかというとプラスに働く」の合計が55.2%と過半を占めた。
理想的な為替相場の水準は1ドル=115~120円未満が26.2%でトップ。同100~105円未満が15.9%で2位だった。
国内景気に前向きな見方が広がる一方、海外の先行きは不透明とみる経営者は多い。国際情勢で特に懸念すること(2つまで回答)は「中国や新興国の経済成長の鈍化」が最多となり、次いで53.1%が「ギリシャ問題など欧州経済情勢」を挙げた。国際テロへの懸念を挙げた経営者も2割いた。
「新興国を中心とした成長鈍化など世界経済の動向を注視しつつ、重点技術開発などへの投資をおこなう」(輸送用機器)など、景気の減速リスクと投資のバランスに慎重な姿勢が目立った。
日本フードサービス協会