ウィーン風仔牛のカツレツが食べたい!

村上さん、こんばんは。
今は明け方3時です。
こんな時間にこの質問をすると寝れなくなるのは分かっています。
でも質問しちゃいますが。
村上さんの本の中にたびたび登場するウィーン風仔牛のカツレツについて教えて欲しいのです。
初めてこの文章を読んだときから村上さんのカツレツが頭から離れません。
クレソンはパリッと、そしてヌードル。
洋食屋さんに入るたびにビーフカツレツの文字を探してしまいます。
一度でいいからあのビーフカツレツを食べたい! 食べてみたい! 
今現在、村上さんが満足のいくウィーン風仔牛のカツレツを出してくれるお店はありますか? 
食べられなければこの先ずっーーーとロンメル将軍がカツレツを食べるシーンが頭から離れません。
(けい、女性、30歳、千葉県の主婦)

青山の紀ノ国屋が入っているビルの上階に、しっかり本格的なウィンナ・シュニッツェルを食べさせる、ウィーン・レストランがありましたが、今でもまだやっているのかな。ちょっと定かではありません。そのちょっと裏手にチェーン・レストラン「ラ・ボエム」がありますが。ここの仔牛のカツレツは意外に(というと悪いんだけど)おいしいです。注文してから肉を叩いて伸ばして、かりっと料理してくれます。良心的で、値段も安い。ただしヌードルはついておりません。仔牛じゃなく、普通の牛肉のカツレツであれば、京都の「はふう」がなんといってもおいしいです。たしか麩屋町通りの御所の近くにあります。昔、新潮社の近くにもビーフ・カツレツのうまい「IKOBU」という店があったんだけど、今はもうないと思います。そんなところでよろしいでしょうか。なんかお腹が減ってきたな。

場所は少し飛びますが、ホノルル郊外のマノア・マーケット・プレースに「パエザーノ」というレストランがあります。働いている人全員が中国人という不思議なイタリア料理店なんですが、ここの「ミラノ風仔牛のカツレツ」はけっこういけます。僕はいつもここにいくと、このカツレツを食べています。ほかの料理はまずまずというところですが、これはおいしい。


村上春樹拝