マンガ大嫌韓流について(閲覧注意)

※極めて差別的・卑猥な表現があるので閲覧注意です

先日発売された山野車輪の新作「マンガ大嫌韓流」読了。
参考文献が掲載されていないのもあって記述の根拠が不明瞭な事が多く、また既に議論し尽くされてデマと判明した情報を基に韓国人及び在日韓国・朝鮮人に対する憎悪を煽っており、悪意を持って描かれた漫画であると感じた。他にもニコライ2世が日本人を猿=マカーキと罵っていたエピソード(司馬遼太郎の「坂の上の雲」が元ネタであり、ニコライ2世が日本人をそのように侮辱していた事を示す当時の資料は存在しない)を紹介したりと、作者のリテラシー能力の低さが目立つ漫画だった。

ここではマンガ大嫌韓流の中での憎悪扇動表現について紹介する。

【グレンデール市での日本人差別デマを用いての差別煽動】

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グレンデール市において慰安婦像が設置された事で日本人が差別を受けている事に関しては、

・被害者からの通報が一件も無い事
・現地を取材しても噂レベルですらそのような話が一切無い事
・複数のメディアが裏取取材を行ったが、差別の存在を裏付けるような情報は得られなかった
・差別があったという報告は全て右翼や右派の政治家を経由している

これらの理由から信憑性に乏しく、漫画にあるような韓国人による日本人女性に対する猥褻な行為なんていつ発生したのか知りたい物である。

【在日特権デマを用いての差別煽動】

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「特別永住資格」「住民税減免」「福祉給付金」「通名」「生活保護受給者の多さ」…いずれも既に在日特権とするには問題があると幾度となく指摘されており、それらの指摘について具体的な反論も何もしていない。(それどころか生活保護受給者の多さ以外については、そういう特権があると列挙されているだけで何も解説されていない)
在日朝鮮人の生活保護受給者については国民年金に加入出来なかった高齢者が多数を占めており、こんな事は少し調べれば分かる事である。
かつての植民地保有国における植民地人に対する扱い、戦後の在日朝鮮人の貧困問題、在日朝鮮人が国民年金等の社会保障から除外されていた事…これらの事情についてはこの漫画では全てノータッチだ。

この漫画では他にも「日韓戦争が勃発した場合、在日は日本国内で武装蜂起する可能性が高い。」「民団の綱領には大韓民国国民として大韓民国の憲法と法律を遵守しますとある。つまり在日韓国人は日韓戦争になったら韓国軍兵士もしくはゲリラとして日本と戦うと宣言しているんだ。これでは日本人は恐怖心を抱いて警戒しても差別とは言えないな。」などといった読んでて頭が痛くなるような事が大真面目に描かれており、反論するのも馬鹿馬鹿しいと感じる事もしばしばあった。

挙げ句の果てには登場人物が植村隆氏が勤務する北星学園大学などに抗議の電話を何度もかけるシーンまであり、一応読者に抗議の電話を勧める意図は無いと書いているとはいえ非常に問題があると言える。

最期に巻末には「差別の意図はまったくございません」とあるが、漫画全体に憎悪を煽る表現に満ち溢れており乾いた笑いしか出なかった。特にグレンデール市の日本人差別デマを用いての憎悪煽動表現は非常に醜悪・下劣であり、私はマンガ大嫌韓流について数あるヘイト本の中でも最悪の部類に入ると認識している。


オマケ:非常に寒いジョジョネタを使ってのヘイト表現

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