【大阪支社】盛岡市出身の西幕下2枚目、錦木(にしきぎ)(伊勢ノ海部屋、盛岡・米内中)は西十両14枚目の希善龍(木瀬部屋)をつり出しで破り5勝目を挙げ、2006年春場所の初土俵から9年かけて、来場所の十両昇進が確実となった。
錦木は右四つからもろ差しとなり、十分な体勢から長身の相手をつり出した。昇進が決まれば、本県出身力士では同じ伊勢ノ海部屋だった四ツ車以来、6年ぶりの関取となる。
10年初場所に幕下に昇進した錦木は12年九州場所で幕下初優勝。今場所を含め4場所連続で5勝2敗と勝ち越した。
錦木、豪快につり出し
上背で勝る相手の体がふわっと浮いた。館内の大歓声に背中を押されるように豪快につり出し。貴重な5勝目を挙げた錦木(伊勢ノ海部屋、盛岡市出身)は「これで(十両に)上がれると思って、うるっときた。(涙を)我慢していました」。初土俵から9年。胸には万感の思いがこみ上げていた。
幕下と十両の入れ替え戦とも言える、十両14枚目で7敗と後がない希善龍との対戦。立ち合いは相手に突っかけられ、仕切り直し。ただ、それも想定内だった。「自分のタイミングで立つことだけに集中していた」。2度目は立ち遅れたが慌てず、すぐに右を差し、左おっつけからもろ差しと絶好の体勢となった。
「(相手は)とにかく投げが強いので、こらえよう」と、土俵際の左上手投げを残し、194センチと大柄な希善龍の左腰に食いつく。「浮かして、(相手の重さを)軽くしたかった」とこん身の力でつり出し、自力で十両昇進をたぐり寄せた。
錦木が付き人を務める同部屋の先輩、勢(東前頭13枚目)には「とにかく落ち着いていけ」と助言を受けて送り出された。「慌てると動きがばらばらになる。最後も勝ちで終われてよかった」と笑顔がのぞいた。
昇進が決まれば、引退した四ツ車(伊勢ノ海部屋、花巻市出身)以来の県人関取の誕生だ。「自分の頑張りで、岩手で相撲を取る人が多くなるとうれしい」と古里を思う24歳。期待を胸に新番付が発表される25日を待つ。
(及川)
【写真=錦木がつり出しで希善龍を破る=ボディメーカーコロシアム】