物価目標2%達成へ、努力を期待=日銀総裁就任2年で麻生財務相
[東京 20日 ロイター] - 麻生太郎財務相は20日、閣議後の会見で、就任から2年を迎える黒田東彦日銀総裁について、ぶれない政策運営を高く評価。今後の金融政策運営については、2%物価目標の達成に向けて努力を続けてもらえると期待しているとした。
<黒田日銀総裁の政策手腕を評価、「ぶれない運営を高く評価」>
黒田総裁の政策手腕について麻生財務相は、国際金融の場での貢献のほか、「金融緩和について思い切った決断をし、デフレからの脱却を優先順位の一番にすえたうえでの対応など、ぶれないところは私どもの評価は高い」と金融政策運営の手腕を高く評価した。
そのうえで、今後の政策運営について「2%のインフレ目標がある。引き続き、これに向かって努力してもらえると期待している」と語った。
<暫定予算の編成を正式表明、期間11日>
麻生財務相は暫定予算の編成を正式に表明した。来年度予算の年度内成立が厳しくなったためで、「予算の空白は許されない。暫定予算の編成作業を進める」と表明した。
暫定予算の期間は11日。規模については「今、言える段階にない」とした。
<AIIBへの参加問題、柔軟姿勢に転化を示唆>
中国主導で発足するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加については「外交・経済の意味から慎重に判断したい」としながらも、従来から問題点としてあげてきた、審査の在り方や運営の透明性などが「確保されれば、この中にはいって、どういうことになるか協議になる可能性はある」と述べた。
AIIBをめぐっては、英国の参加表明を契機に先進国の参加表明が相次いでいる。17日の会見では「ガバナンスや審査のあり方について、問題があると思っている」と慎重姿勢を貫いていたが、相次ぐ参加表明を受けて、柔軟姿勢に傾きつつあることを示唆した。
*内容を追加しました。
(吉川裕子)
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