第2日、18番で3打目を放つ一ノ瀬優希=佐賀・若木GCで(沢田将人撮影)
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◇Tポイント・レディス<第2日>
▽21日、佐賀県武雄市・若木GC(6304ヤード、パー72)▽晴れ、気温16・9度、風速5メートル▽賞金総額7000万円、優勝1260万円▽106選手(うちアマ4人)▽観衆4567人
前日7位の一ノ瀬優希(26)が3バーディー、1ボギーの70と伸ばし、首位と3打差の通算3アンダー、2位に浮上した。昨年は序盤戦で2勝しながら、左胸郭出口症候群のため戦線離脱。これがツアー復帰3戦目となる。6アンダー首位はO・サタヤ(タイ)、2位タイに笠りつ子(27)=京セラドキュメントソリューションズ=と飯島茜(31)=TOTO=が続いている。
2年前にツアー初優勝を飾った大会。開催コースは鹿児島から佐賀に移ったが、一ノ瀬とはどうも何かの因縁がある。雨上がりでゆるんだ地面と大きく起伏のある難グリーンに各選手が苦しむ中、ツアー復帰間もない一ノ瀬の名前がスコアボードの2番目に来た。
「2週前の開幕戦でショットが左右にバラついて、これはスイングを変えないと戦えない、優勝できないと思った。動画を撮って見たら、インパクトでクラブが下から入ってきてた。アドレスが右重心で、スイング始動時に上体が右に傾いてスウェーするのを、まずは直そうと。今はそれだけを意識してやってます」。今大会の難しい地面の状況で好スコアを出せているのは、クラブがきちんと上から入っているから。そう確認すると「わ〜、そうですね。うれしい。にやけちゃう」と喜んだ。
2番で3メートル、5番で5メートル、6番で3メートルのバーディーチャンスを決め、ボギーは1つ。最終18番は2メートル以上のパーパットをきっちり沈めた。3打差2位で、2013年11月ミズノクラシック以来の最終日最終組だ。
昨シーズンは5月初めまでに2勝し、賞金女王争いも期待された。だが、前年秋から時折痛みを訴えていた左鎖骨、肩甲骨付近の症状が悪化。7月、左胸郭出口症候群の診断を受け、トーナメント特別保障制度(公傷)適用で後半戦を全休した。
「JISS(国立スポーツ科学センター)でリハビリ中、モーグルの伊藤みき選手らいろんな種目の仲間と出会った。みんなで『戻ったら、けがする前よりもっと強くなる』って、いつも話してたんです」。そのフレーズが、プレー中も耳にこだまするという。最終日は“復帰”でなく“復活”の記念日になるかもしれない。 (月橋文美)
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