中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 大相撲 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【大相撲】

照ノ富士 初Vへ望み

2015年3月22日 紙面から

寄りきりで逸ノ城(右)を下す照ノ富士=ボディメーカーコロシアムで(畦地巧輝撮影)

写真

◇春場所<14日目>

(21日・ボディメーカーコロシアム)

 横綱白鵬(30)=宮城野=が1敗、新関脇照ノ富士(23)=伊勢ケ浜=は2敗を守り、賜杯争いが2人に絞られた。千秋楽で白鵬が横綱日馬富士に勝つか、照ノ富士が大関豪栄道に敗れると、白鵬の6場所連続34度目の優勝が決まる。初優勝を狙う照ノ富士が勝った上で白鵬が敗れた場合は2人の決定戦にもつれ込む。

 白鵬は大関稀勢の里を注文相撲で突き落とし、照ノ富士は逸ノ城を先場所に続く水入りの熱戦で寄り切った。

 負ければ賜杯が絶望的となる一番で、照ノ富士が底力を発揮した。立ち合いで逸ノ城から右の下手を引くとしばらく動きが止まる。3分半ほどたったところで行司が止めた。初場所14日目と同じ光景。同じ相手に2場所連続の水入りは極めて異例だ。再開後、最後の力を振り絞って202キロの巨体を寄り切った。3分53秒3の根比べ。先場所負けた相手に今度は勝った。

 全身に汗を光らせて勝ち名乗りを受けると、ギュッと目をつむる。「がっぷりに組んだら(水入りに)なるだろうなと思った。重くて動かない。攻めきれなかった。(左手)握れないもん」。報道陣の手を借りて何とか立ち上がったほどだ。

 13日目に白鵬から初白星を挙げて体力を消耗したようだ。朝稽古後には「腹いっぱいの感じ。千秋楽終わった〜」と力が抜けた。5日目から悩まされてきた嘔吐(おうと)や下痢も回復に向かっていたが、朝に再び腹を下してしまった。

 白鵬を倒した反響の大きさには驚いた。前夜に祝福メールが200通届いた。4時間かけて全て返信。「メールがいっぱいすぎて出てないっす」と連日続けていた外出もできなかった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から「よかったな」とハグされ、10万円もらった。新十両昇進やお年玉で臨時収入はあったが「今までの10万円とは違うな」。閉鎖された間垣部屋から2013年に移籍し、面倒を見てくれた師匠のプレゼント。金額以上の価値があった。

 千秋楽で照ノ富士が豪栄道に勝って白鵬が日馬富士に負ければ、2敗同士の優勝決定戦に持ち込める。「勝って待ちたい。優勝争い? もちろんうれしいっすよ。水入りにはなりたくない」と照ノ富士。賜杯は諦めていない。

 千秋楽の大一番も気になるが、北の湖理事長(元横綱)は「(夏場所で)優勝するとどういう見方をするか」。夏場所に好成績で優勝すれば、場所後に大関昇進の機運も高まるかもしれない。勝ち越し、2桁白星、白鵬戦勝利。今場所の目標は全てクリアした。年内の大関昇進も公言する23歳。そのためにも逆転初Vで弾みをつける。 (永井響太)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ