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日中韓外相会議 首脳会議の早期開催で一致
3月21日 19時37分

日中韓外相会議 首脳会議の早期開催で一致
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およそ3年ぶりとなる日本と中国、韓国の3か国の外相会議が韓国のソウルで開かれ、3か国の首脳会議について「3か国にとって最も早期で都合のよい時期に開催すべく努力していく」などとする共同発表を取りまとめました。岸田外務大臣は、会議のあとの共同記者発表で「首脳会議の早期開催で一致したことを歓迎する」と述べました。
平成24年4月以来、およそ3年ぶりとなる3か国の外相会議は、ソウル市内のホテルで、岸田外務大臣、中国の王毅外相、韓国のユン・ビョンセ(尹炳世)外相が出席して開かれ、3か国は成果などを盛り込んだ共同発表を取りまとめました。
それによりますと、「今回の外相会議の機会に3か国の協力が回復に向かうことに期待し、北東アジアの平和や安定のための重要な枠組みとして、引き続き維持・発展させるべきだという認識を共有した」としています。そのうえで、「3か国の間のさまざまな協力事業を一層促進し、災害や環境、青少年交流などの分野で協力を拡大することを決定した」としています。そして、平成24年5月以来開かれていない3か国の首脳会議について、「3か国にとって最も早期で都合のよい時期に開催すべく、引き続き努力していくことを決定した」としています。
一方、それぞれの2国間関係が3か国協力の重要な基礎となるとして、「歴史を直視し、未来に向かうという精神の下で、関連する課題に適切に対処することで一致した」としています。
また、共同発表では、▽北朝鮮による核兵器開発は断じて容認できないことを再確認し、非核化の実質的な進展を図るため北朝鮮の核問題を巡る6か国協議の再開に向けて共に努力を継続することや、▽テロや過激主義への対応やウクライナ情勢など、国際社会が直面するさまざまな課題に緊密に連携していくことなども盛り込んでいます。
岸田大臣は会議のあとの共同記者発表で、「日本は従来から3か国の首脳会議の早期開催を重視しており、きょうの外相会議で早期開催で一致したことを歓迎する。中韓両国と協力し、開催に向けた努力を一層進めていきたい」と述べました。また、岸田大臣は、会議の中で北朝鮮による拉致問題の解決に向けて、中韓両国に改めて協力を求めたことを明らかにしました。

王毅外相「歴史直視が3か国の共通認識」

共同記者発表で中国の王毅外相は、「3年ぶりに3か国の外相会議が行われたことは3か国にとってよいニュースで、協力が正常な軌道に戻ったということだ」と述べ、今回の成果を強調しました。
そのうえで、王毅外相は「今、真剣に考えるべきことは、どのようにこの協力の進展を妨げるようなことを再び起こさず、3か国の協力を健全で安定的な発展として維持できるかどうかだ」と述べました。そして「近年とりわけ、日中関係、日韓関係では、歴史認識の問題が困難を作り、協力も妨げ、3か国の共通利益にもかなっていない。戦後70年が過ぎて、3か国にとって歴史問題は過去形ではなく現在進行形だ。しかし、これを将来に持ち越すわけにはいかない。歴史を直視して未来を切り開くこと。これが今回得られた3か国の共通認識だ。また、最も重要で意義のある成果だ」と述べました。
王毅外相のこの発言は、中国として、安倍総理大臣が戦後70年のことし発表する「総理大臣談話」など、日本の歴史認識について注視している立場を強調し、日本を強くけん制したものとみられます。

ユン外相「北朝鮮非核化へ共に努力」

韓国のユン・ビョンセ外相は会議での合意内容を発表し、この中で「きょうの会議を契機に、3か国の協力体制の復元が加速するよう努力を強化することになった」と述べました。そして、3か国の首脳会議に関しては、「最も早くて都合のよい時期に開催されるよう努力していく」と述べました。
また、ユン外相は「歴史を直視して未来に向かって進むという精神のもと、3か国が問題を適切に処理して、関係改善と強化のため、共に努力していくことになった」と述べ、歴史認識を巡る対立の解消を目指してそれぞれの国が取り組むことで一致したと説明しました。
さらに、北朝鮮の核開発問題については、「核能力が向上するのを早期に食い止め、北朝鮮の非核化へ実質的な進展を成し遂げられる、意味のある対話が再開できるよう、共に努力を続ける」と述べ、非核化に向けた対話の再開を目指すことを明らかにしました。

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