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【杉浦美香のさくらんぼ白書】
救急車が来ない? 119番通報した大学生の重い死
結城学長はこれまで「出動しなったことは残念」としながらも、市への対応についてはコメントを差し控える態度を貫いているが、大久保さんのようなことが2度と起こらないように、自衛策をとった形だ。
山形大職員組合(品川敦紀執行委員長)は昨年、山形市に和解を働きかけるよう、学長に要請した。
品川氏は大久保さんが所属していた理学部生物学科の教授でもある。大久保さんと救急とのやりとりを書面で読んでいたときは知っていたが、初めて音声データをニュースで聞き、行動しなければならないと思ったという。
理学部では、新入生のオリエンテーリングで、救急車を呼ぶような事態で、「タクシーで呼べるのか」と対応されても救急車に来てほしい旨、はっきりいうようにと指導しているという。
教授、准教授らは学生10人程度のアドバイザーという立場にあり、学生が理由がわからず長期欠席している場合、連絡をとるシステムになっているが、欠席をすぐに把握することはできないという。
品川氏は「山形市はまず、大久保さんへの対応の過失を認め、和解に応じたうえで問救急の対応をするべきではないか」と指摘する。