記事詳細
【杉浦美香のさくらんぼ白書】
救急車が来ない? 119番通報した大学生の重い死
増える119番
119番通報は、高齢化を背景に全国的に増えている。
中には酒に酔ってタクシーがわりに救急車を呼んだり、寂しいからといってかけてきたり、「不要不急」でないどころか、悪質とみられる通報もあるのは事実だ。どこの消防本部もその対応については悩んでいる。
必要でない119番通報で、本当に必要な緊急度や重篤度が高い通報への対応が遅れてしまってはいけない。山形市は、救急が緊急度を判断する一つの理由に、それをあげる。
市側の準備書面によると平成22年には緊急性のない119番通報が約30%、23年には33%あったとした。
ただ、大久保さんが通報時には救急車が出払っていたという事実はなかった。
死因は髄膜炎の可能性も
東京慈恵会医科大の浦島充佳准教授に、大久保さんと救急とのやりとりの音声データを聞いてもらった。 浦島氏は「ろれつが回っていない。軽い意識障害があるのではないか。呼吸も荒く嘔吐もしている。そもそもドクターでない救急が緊急度を判断してよいのか」と疑問を呈する。