阿部1号!フォーク逆方向へ待望の一発「うまく打てた」
◆オープン戦 巨人1―5日本ハム(21日・東京ドーム)
開幕4番の巨人・阿部に待望の一発だ。日本ハムとのオープン戦(東京D)の4回、左中間へ1号アーチを放った。2軍で再調整中の村田は、イースタン・リーグのヤクルト戦(G球場)で満塁の走者を一掃する二塁打を放ち、22日からの1軍昇格が決定。ロッテとのオープン戦最終戦(22日・東京D)を前に、頼もしい2人が完全復活だ。
外角低めのフォークを、阿部は、いとも簡単にバットに乗せた。「抜けるとは思いましたが、入るとは思わなかった。うまく打てました」。1点を追う4回2死。カウント1ボール2ストライクから、矢貫の決め球を左中間席に放り込んだ。技ありの1号アーチで、実力を見せつけた。
リハビリ期間のフォーム修正が実を結んだ。右ふくらはぎ痛のため、キャンプから帰京後はG球場で練習。その間、内田順三2軍打撃コーチ(67)の助言をもとに“寸止め”ティー打撃を取り入れた。インパクトの瞬間に一度バットを止める練習で、両脇を締めることに加え、両内転筋に目いっぱい力を入れないと、バットは止まらない。阿部をもってしても難易度の高い練習だったが、下半身の大切さを改めて痛感した。1軍昇格してからも継続。「自分の(調子の)バロメーター」と話す逆方向への一発で、効果を実証した。
20日の日本ハム戦(東京D)から4番を任された。高橋由、セペダ、村田、大田らも候補に挙がったが、やはり主砲は背番号10だ。「(4番は)意識せずに、今までやってきたことを開幕に合わせていければいい。1年間、元気に試合に出られれば」と、控えめながらも自信をのぞかせた。
守備には反省があった。今季から守る一塁。その理想は元巨人の李承ヨプ(イ・スンヨプ)=韓国・サムスン=だといい、「何でも捕ってくれる安心感があった」と話す。2回1死でレアードの一塁への飛球を見失い(結果は二飛)、8回無死では、三塁・寺内のワンバウンド送球をはじいた(寺内の失策)。8回はここから3失点し、「自分のミスで点が入ってしまった。普通に捕って、助けなければいけない」と猛省した。
5連敗となったオープン戦は、残り1試合。阿部は「やっと試合勘がつかめてきた。勝負に対しての読みが少しずつできてきている。信じてやってきたことを、これからもやっていきたい」と話す。村田の1軍復帰も決まった。原監督はベテランに頼らないチーム作りも頭に入れていたが、覇権奪回には、やはり2人の力は欠かせない。開幕へ、準備は整いつつある。(尾形 圭亮)