(cache) 願うことは、原理を信じた人達が堕落論の呪縛から解放されることである ( 宗教 ) - 統一教会の信者は読んではならない・新版

私は堕落論を絶対的に信じていた。統一村に登場する誰よりも深く堕落論を信じていたと思っている。私と同程度に確信持っていた人はあまりいないだろうとさえ思うくらいである。理由は、堕落論を信じたのは理論を聞いて納得したからではない。いわゆる霊的に打たれて強制的に信じさせられたからだ。当初原理講義は何度聞いても分からなかった。ただ兄弟姉妹の人柄にほだされて勧められるままに修練会に参加を重ねていた。これで教会とのおつきあいは終わりにしようと臨んだ修練会のある日、一日の修練が終わって床についた。その寝入りばな突然感電して電流が体を流れるような衝撃を受け、その瞬間悔い改めを要求された思いが体の中を貫いた。思わずがばっと飛び起きて、神様申し訳ありませんと平伏して祈った。一瞬にして神の実在を実感し、自分が堕落していると実感したのだ。

もし、私が堕落論を聞いて理論的に受け入れていたのであれば、堕落論の矛盾を認めるのに幾十年は要しなかっただろう。確信が長く続いたということは、それくらい自分は罪人だという思い込みは激しかったということだ。。罪からの解放の為には死んでも良いと何度も思った。断食する時も死を決意した。３日断食の時、一週間断食の時、死んでも良いと思わなければ始めることはできなかった。以前薬を飲むのに１日絶食を病院から指示されたことがありフラフラでとてもきつかった思いがあったし、体重は４５キロくらいしかなかったから、体力が無いので死ぬかも知れないと思ったのだ。今は68キロある。勝共の演説をする時も死を決意した。当時は火炎瓶が飛び交う時代だったし、松濤本部前では機動隊の警官が左翼のデモの警備中に死んだ時代だった。堕落論の認識は死を覚悟するくらいずっしりと心の中に刻まれていたのだ。それ以外にも死を覚悟したことは何度もある。全ては堕落論が心の底に重しとなっていたからだ。それだけ堕落論に確信を持っていた人間が堕落論を否定するに至ったのである。このことを知って欲しいのである。

原理講義は全く分からない状態だったが、その電流が流れたと実感した時から、原理講論は神の啓示と無条件に思ってしまった。全てを受けいれる姿勢が基本となった。その為、講論を読む時は矛盾を感じる箇所があっても、これは何か深い意味があると思うから、理解がなかなか進まない。私は原理講論を通読してよんだことはないと思う。読み進めば理解できない所にすぐ突き当たるから、そこを飛ばして別の所を読む、さらに分からない所にあたれば、今度は別の章に飛ぶ。ただ堕落論だけはよく読んだ。疑問が生まれても何度も何度も読んだ。

解けない疑問があった。嫉妬心が堕落した結果と言いながら嫉妬心が堕落の発端となったという堕落の動機の説明の箇所だ。最初は、これを如何に積極的に解釈すべきか悩んだ。何度読んでも解決しなかった。保留にした。

ある時、ザワさんから統一思想の講義を受けた。ザワさんを知らない人は霊感商法や清平の役事にどっぷり浸かった時代に伝道された人と言えるだろう。そういう人は原理の話をしてもチンプンカンプンだろうからザワさんを知らなくていい。私のブログの対象は原理を信じたことのある人だから悪しからず。

さてそのザワさんの講義で、神は天地創造以前は愛する対象が存在しないから自分自身が愛する対象だったという説明があった。それが自己愛でありエゴの起源であるというものだった。エッ、エゴは神に起因するのか、では堕落してエゴに陥ったという解釈はどうなるのかと思ったが、その疑問も保留とした。

孝進ニムのごらん行を耳にした。しかし、自分で確認できないし、原理で説明できないことなので、これも保留とした。

ある時、松濤本部で神山隊長から、「血分けはあったの知ってる」と話しかけられた。これは私個人にかけられた言葉だ。その時、この人、教会幹部なのに原理を知らないと即座に思った。血分けなど創造原理から考えてありえないでっち上げなのに、この人なんて無知な人だと、その時は思ったのだ。

それからインターネットに記事を投稿し始め、ブログ村にも記事を載せるようになった。そしてブログ村を通して得た情報で、7男の世界会長が、「六マリアはあった」と発言したという内容を得た。

この瞬間血分けはあったのだと確信した。このインパクトは大きかった。

それから、原理は古今東西の歴史的知恵の集大成とみることができると思ってはいたが、それを、みることができるのではなく、まさしく寄せ集めなのだと判断するようになっていった。原理講論の見方がガラリと変わって来たのである。神の啓示として全てを受け入れようとするのではなく、人間が考えた古今東西の思想のいいとこ取りの理論であるとして是々非々で見るように変わったのである。

見方が変わると原理の理解は早い、すべからく是々非々で見るようになったから、疑問は素直に問題点として認識できるからだ。

そして統一村から得た最大の収穫は、人間のエゴは神に起因するというみ言葉を得ることができたことだ。これで堕落論の崩壊は決定的となった。人間のエゴ、即ち堕落性は、人間が堕落したから生じたものではなく、神のエゴに起因したわけだから、人間の堕落とは関係ないことがはっきりしたのである。過去記事を紹介しておく。　

人間のエゴは神に由来する。よって堕落論は不要です

http://blogs.yahoo.co.jp/hitosato551/9860347.html

それから、懸案だった嫉妬心の問題について、是々非々の観点から見直した結果をこれまた過去記事から抜粋して載せておく。

③　堕落論の自己矛盾

次に、堕落性本性のあることが堕落の証拠となるという説に対して、考えてみる。

まず、堕落性本性の定義を記す。

『天使が神に反逆して、エバと血縁関係を結んだとき、偶発的に生じたすべての性稟を、エバはそのまま継承したのであり、こうして天使長の立場におかれるようになったエバと、再び血縁関係を結んだアダムも、またこの性稟を受け継ぐようになった。そして、この性稟が、堕落人間のすべての堕落性を誘発する根本的な性稟となってしまったのである。これを堕落性本性という。

　このような堕落性本性が生ずるようになった根本的動機は、天使長がアダムに対する嫉妬心を抱いたところにあった。それでは、善の目的のために創造された天使長から、いかにしてそのような愛に対する嫉妬心が生ずるようになったのであろうか。元来、天使長にも、創造本性として、欲望と知能とが賦与されていたはずであった。このようにして、天使長は知能をもっていたので、人間に対する神の愛が、自分に注がれるそれよりも大きいということを比較し、識別することができたのであり、またその上に欲望をもっていたから、神からそれ以上に大きい愛を受けたいという思いがあったということは当然なことである。そして、こういう思いは、自動的に嫉妬心を生ぜしめたのである。したがって、このような嫉妬心は、創造本性から誘発されるところの、不可避的な副産物であり、それはちょうど、光によって生ずる、物体の影のようなものであるといえよう。

途中略

堕落性本性を大別すれば、次の四つに分類することができる。その第一は、神と同じ立場に立てないということである。天使長が堕落するようになった動機は、神が愛するアダムを、神と同じ立場で愛することができず、彼をねたんでエバの愛を蹂躙したところにあった。君主の愛する臣下に対して、その同僚が、君主と同じ立場において愛することができず、ねたみ嫌う性稟は、とりもなおさず、このような堕落性本性から生ずるのである。』

第四節　人間堕落の結果
（六）堕落性本性

堕落性本性の定義によると、人類始祖の堕落時に偶発的に生じた性稟がその子孫達にあたかも本性の如くに染みついてしまったと表現されている。その堕落性本性が現代に生きる人間に存在することによって、人間は堕落していると認識できるというものだが、これはおかしい。

そもそも堕落性は、創造本性から誘発されて生じたものだから、堕落していない本然の人間にも環境さえ整えば、いつでも生じるはずのものである。

知能があれば、注がれる愛の大きさを比較し識別することができ、欲望があれば、もっと愛されたいと思うようになり、自動的に嫉妬心は生じると講論には書いてある

知能も欲望も創造本性として、本来人間に備わっている。堕落しなくても誰にも生じるのが嫉妬心である。それゆえ講論には次のように書いてある。

『そして、このような嫉妬心は、創造本性から誘発されるところの、不可避的な副産物であり』

ところが、堕落性本性の第一には、

『ねたみ嫌う性稟は、とりもなおさず、このような堕落性本性から生ずるのである。』と書いてあるのである。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
一方で、嫉妬心は創造本性から誘発される副産物と言い、一方では堕落の結果身に付いた堕落性本性から生じるとしている。これでは、妬みがあるから、堕落しているという証拠にはならないし、論理的に成り立たない。堕落性本性は創造本性であると言っているのだからである。

堕落性が有ることが堕落の証拠と言いながら、堕落はその堕落性を出発点として起きたというのでは循環論法である。

堕落性本性は、その第一の神と同じ立場に立てないところから出発して、第二第三第四の堕落性本性が生じたことになっている。堕落性本性の第一番目が創造本性から生じたものであれば、以下の堕落性本性も創造本性から生じたものと言える。

祝福受けても堕落性がなくならないのは、創造本性から生じる副産物だからである。なくなるはずはない。

それに神ご自身も、我はねたみの神であると言われている。まさか神が堕落しているなどという人はいないと思うが、妬みのあることは堕落した証拠とはならない。

それにひれ伏してはならない。それに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものは、父の罪を子に報いて、三、四代に及ぼし、
                                                    出エジプト記 / 20章 5節

あなたは他の神を拝んではならない。主はその名を『ねたみ』と言って、ねたむ神だからである。　　　　　　　　　　　　　　　　                                  　出エジプト記 / 34章 14節

あなたの神、主は焼きつくす火、ねたむ神である。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　申命記 / 4章 24節

それを拝んではならない。またそれに仕えてはならない。あなたの神、主であるわたしは、ねたむ神であるから、わたしを憎むものには、父の罪を子に報いて三、四代に及ぼし、　　　　　　　　　

                                　　　　　　　　　　申命記 / 5章 9節

あなたのうちにおられるあなたの神、主はねたむ神であるから、おそらく、あなたに向かって怒りを発し、地のおもてからあなたを滅ぼし去られるであろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　申命記 / 6章 15節

しかし、ヨシュアは民に言った、「あなたがたは主に仕えることはできないであろう。主は聖なる神であり、ねたむ神であって、あなたがたの罪、あなたがたのとがを、ゆるされないからである。
                                                      ヨシュア記 / 24章 19節

人間は堕落なぞしてはいないのだ。堕落していなければ、当然メシアは必要がない。また、蕩減という苦しい修行も勿論必要はないのである。

さて、ある原理講師に、この妬みの部分の矛盾を指摘したら、嫉妬心では堕落しないと書いてあるから良いではないかと言われたので、新たに加筆した過去記事を併せて載せておく。

副産物では堕落しない、は、堕落論の矛盾を解決してはいない

堕落前にも嫉妬心があると説明し、それが堕落の原因となったと論述しながら、堕落の結果嫉妬心が生じたとも説明する堕落論は明らかな矛盾した論理であるのだが、堕落前の嫉妬心は人間が完成すれば堕落の原因とはならないという説明に、矛盾が解決されていると妙に納得する人がいるので、ここで、その誤認を明確にする。

『このような嫉妬心は、創造本性から誘発されるところの、不可避的な副産物であり、それはちょうど、光によって生ずる、物体の影のようなものであるといえよう。しかし、人間が完成すれば、このような付随的な欲望によっては決して堕落することはできなくなるのである。』

堕落論のこの文章の意味は、未完成期の嫉妬心は堕落の動機となりうるが、人間が完成すれば嫉妬心では堕落しないと言っているだけで、堕落の結果生じたはずの嫉妬心が何故に、堕落の動機となるのかという疑問には一切答えていないのである。

嫉妬心が創造本性から誘発されるのであれば、人間が堕落しようとしまいと、嫉妬心はなくすことはできない。それなのに、人間が堕落している証拠として嫉妬心をあげる信者が多数いる。嫉妬心があるからと言って、それでもって人間が堕落している証拠とはならない。理由は嫉妬心は創造本性から誘発される副産物だからである。