藤沢駅前近くで組長撃たれた 稲川会系組幹部を逮捕
神奈川県藤沢市のJR藤沢駅前の路上で21日午前0時50分頃、男性(48)が拳銃のようなもので腹部を撃たれ、重傷を負う事件が起きた。神奈川県警は同日夜、殺人未遂などの容疑で指定暴力団稲川会系組幹部の中島潤容疑者(46)を逮捕。負傷した男性も暴力団組長とみられ、双方に何らかのトラブルがあったものとみられる。
人口約40万人都市のターミナル駅の目の前で、暴力団幹部が暴力団組長に銃口を向ける殺人未遂事件が発生した。
現場はJR藤沢駅南口から約70メートルの地点にある路地。雑居ビルや飲食店などが立ち並んでいる繁華街の一角だ。「超」が付くほどの駅前だが、人が集中するロータリーからはビルによって死角になっている。
事件当時、近くの飲食店で勤務していた男性らの証言を総合すると、発生時間の午前0時50分ごろの現場付近は、金曜の夜ということもあって混み合っていた。さらに、ちょうど東海道線の最終電車前後の時間帯だったため、路上は多くの人であふれていた。
喧騒(けんそう)のせいか、ほとんどの人は銃声に気付かず、すぐには騒ぎにはならなかったというが、至近距離にいた通行人の男性が銃声と、腹部を撃たれて倒れた男性に気付き、自らの車で病院へと運んだ。
搬送先の病院が午前1時10分ごろ、藤沢署に「拳銃で撃たれた人が運ばれてきた」と通報し、発覚した。撃たれた男性は腎臓損傷などで全治2か月の重傷を負ったが、命に別条はないものとみられる。また、流れ弾による被害はなかった。
容疑者は逃走。神奈川県警は周辺の防犯カメラ映像を分析するなどして捜査を進めていたが、午後4時前、中島容疑者が出頭した。
中島容疑者は稲川会系組幹部で、被害者の男性も暴力団組長とみられる。県警暴力団対策課は双方に何らかのトラブルがあったとみており、捜査を進めている。