Routing



 ルーティングとは

ルーティングとは、宛先となるホストまでパケットを送信する時に最適な経路を選択して転送することです。
このルーティングは、ルータやL3スイッチなどのレイヤ3で動作するネットワーク機器によって行われます。
ルータは最適な経路を決定するためにルーティングテーブルを参照します。ルーティングテーブルは、受信
したパケットをどこへ転送するべきかを決定するための宛先ルートの一覧情報です。重要な事はルータは
ルーティングテーブルを参照し、ルーティングの際に受信パケットの宛先アドレスを見て転送していること。


 



上図で10.1.1.1から10.1.4.1宛てのパケットをR1が受信すると、パケットの宛先IPアドレスを見ます。そして
自身のルーティングテーブルを参照します。「10.1.4.1」は「10.1.4.0/24」のネットワークに該当することから
R1はルーティングテーブルに従って、F0/1のI/Fから「10.1.2.253」のIPアドレスを持つ機器(R3)に対して
パケットを転送します。パケットを受信したR3はパケットの宛先IPアドレスを見ます。次に自身のルーティング
テーブルを参照します。10.1.4.1は自身のI/FのネットワークなのでARP情報に基づきパケットを転送します。

ネクストホップとは、受信したパケットを宛先ネットワークに転送するために、次にパケットを転送する隣接ルータのIPアドレスのこと。
ネクストホップがDirectly Connectedの場合、自分自身のインターフェースが直接そのネットワークに接続していることを意味します。


 ルーティングの原則 その1

ルータは、ルーティングテーブル上で存在しない宛先ネットワークあてのパケットは破棄してしまいます。
パケット破棄の後、ルータはパケットの送信元へ宛先到達不能(Destination Unrechable)メッセージを
ICMPパケットで通知します。そのため、通信に必要な宛先ネットワークの経路情報はルーティングテーブル
に保持している必要があります。下図は、10.1.1.1から10.1.9.1宛てのパケットを送信したところ、10.1.9.1の
宛先ネットワークがルーティングテーブルにないことから、パケットを破棄しICMPで結果を通知しています。


  




 ルーティングの原則 その2

受信パケットの宛先IPアドレスに該当するルート情報がルーティングテーブルに複数ある場合、そのルータは
ロンゲストマッチの法則に従いパケットを転送します。ロンゲストマッチとは、パケットを転送するための宛先
ネットワークがルーティングテーブルに複数ある場合、宛先ネットワークのアドレスビット(プレフィックス長)
が最も長く一致する宛先ルートをパケットの転送先として選択するルールのことです。下図の説明どおりです。


 



上図の通り、「172.16.1.1」宛てのパケットが「172.16.0.0/16」と「172.16.1.0/24」の両方の宛先ネットワーク
に該当する場合、宛先ネットワークのアドレスのビットが最も長く一致しているのは「/24」まで合致している
172.16.1.0/24 であることから、ルータはF0/1のインターフェースから10.1.2.253のルータにパケットを転送。


ルーティングでは、複数の宛先ルートがある場合、色々な基準により最適ルートを選択することになりますが
ロンゲストマッチが最適経路の選択に最も優先されます。アドミニストレーティブディスタンス、メトリックは
この次に考えられる値です。ロンゲストマッチの法則は、ネットワークエンジニアにとってとても大切な知識。



ルーティング

ネットワークエンジニアとして

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