防衛事業非理(不祥事)政府合同捜査団(合捜団)は19日、防衛事業庁(防事庁)艦艇事業部長(准将)を務めていた2009年に救難艦「統営」の音波探知機の納品をめぐり書類操作に関与した容疑で、黄基鉄(ファン・ギチョル)元海軍参謀総長の拘束令状(勾留状に相当)を請求した。黄・元参謀総長は、防事庁の部下職員に対し、米国の納品業者の音波探知機について試験評価書に手を加えるよう、事実上の指示を行った疑いが持たれている。防事庁はこの書類に基づき、2億ウォン(現在のレートで約2200万円、以下同じ)相当の音波探知機を41億ウォン(約4億4200万円)で買い入れた。
「統営」は、10年に起きた哨戒艦「天安」爆沈事件を契機として、座礁または沈没した艦艇の救助や探索・引き揚げを行うための船として、12年に1590億ウォン(約171億円)を投じて建造された。しかし韓国海軍による試験評価の過程で、音波探知機が異常物体を全く探知できず、魚の群れを探し当てる程度のいいかげんな物だということが判明した。このため統営は、昨年発生したセウォル号沈没事故でも全く活用されなかった。これまでに、統営をめぐる不正で領官(佐官に相当)クラスの元将校4人の身柄が拘束されている。また今回の件に先立ち、丁玉根(チョン・オククン)元海軍参謀総長が、参謀総長在任中の08年にSTX造船側へ賄賂を要求し、およそ7億ウォン(約7500万円)を受け取った疑いで身柄を拘束された。
26日には、天安爆沈事件が発生してから5年を迎える。当時の衝撃は、天安の遺族のみならず、韓国の全国民の心に生々しく残っている。それなのに、天安の悲劇を契機として建造された艦艇でも不正が発覚した。韓国海軍は、どういう顔をして天安事件5周年を迎えるのだろうか。