着席割増による増収を原資に必要な増便を!
ミッシングリンクだった上野→東京の輸送力が1.4倍に大幅増強されたのだから、総体として改善されたのは間違いない。しかし、上野東京ライン開業前より混雑の激化した利用者が不満を持つのは当然であり、対応が求められる。
【029】には、朝ラッシュ南行の上野東京ラインの運行本数を現行の15本から、1年後には18本に、さらに将来は信号システムを機能向上して線路容量を向上させより多くにすることを提案した。
また、宇都宮・高崎線の大宮→上野と、常磐線の我孫子→上野は、いずれもピーク1時間20本の運行で、その他のJR東日本と他会社の路線の23~32本よりだいぶ少ない。15両編成、信号の性能が低い、加減速性能が低いの3点が相まってのことである。
宇都宮・高崎線と常磐線の信号と加減速性能を改善し、1時間20本より多くすることが望まれる。当然にコストの掛かる話であり、着席サービス導入による収益向上を原資として実行すれば、着席と立席に価格差を付けることの理解も得られやすいのではないだろうか。
寝過ごし
ネットで意外と多くの話題を集めているのが「寝過ごし」である。長距離運行となった分、寝過ごして駅員に起こされたら温泉地だったとか、餃子の街だったとかということを、思いのほか多くの人が心配している。
私の学生時代、大垣行の夜行快速があり、戸塚に住む友人から「寝過ごして気付いたら名古屋だったことがある」と聞き笑ったことがあるが、その再来だ。
【028】に書いたように、跳ね上げ式座席とICカードの仕組みはこの問題も解決できる。降車駅か近付いたら座席を振動させて知らせるようにする。
2014(平成26)年12月の7日間の深夜に、西東京バス(株)は中央線の「寝過ごし」救済バスを高尾→八王子に運行(http://www.nisitokyobus.co.jp/wp/wp-content/uploads/2014/12/20141210_takakita_shinya.pdf)した。鉄道に着駅お知らせサービスが普及したら、こういったビジネスは成立たなくなる。
トラブル波及
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「トラブル波及」を心配している人も多い。現に、【029】に書いたように開業初日にトラブルが発生し、全線へ波及した。
【004】【029】に書いたように、「やり過ぎない直通運転」を提案する。
直通運転は、宇都宮線~上野東京ライン~東海道本線と高崎線~湘南新宿ライン~横須賀線に限定し、大宮と戸塚にて両線を同時着発として同じホームで対面乗り換えできるようにする。
現行、新宿方面の列車に乗って大宮・戸塚等で東京方面の列車に乗り換える、あるいはその逆とした方が早く行けるケースがある。
南の戸塚では同じホームでの対面乗り換えができるが、北の大宮・浦和・赤羽では異なるホームでの乗り換えとなる。戸塚でも、接続を配慮したダイヤとなっておらず、ギリギリで乗り換えられないケースもある。
上野東京ライン開業を機に、それらの問題点が明白となってきた。何事も、何から何まで全てを見通せて一気に問題解決できるものではない。新たに生まれた課題を1つ1つ解決していくことが鉄道の発展となる。この連載がそれに少しでもお役立ちできることを願っている。
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