パチンコ関連会社:倒産会社 200億円所得隠し

毎日新聞 2015年03月05日 07時00分(最終更新 03月05日 08時57分)

 ◇東京国税局の税務調査で指摘受ける

 東京都千代田区のパチンコ関連会社「コスモ・イーシー」のグループ数社が東京国税局の税務調査を受け、このうち多額の負債を抱えて2014年12月に事実上倒産したグループ会社「インターナショナルイーシー」(文京区)が11年5月期に約200億円の所得隠しを指摘されていたことが分かった。重加算税を含む法人税の追徴税額は数十億円とみられ、同社は既に修正申告した模様だ。

 関係者によると、イ社は銀行やノンバンクから200億円超を借り入れていたが、銀行などは債権を第三者に譲渡した。その後、最終的に債権を取得した会社はグループ関係者が支配する実体のないペーパー会社だったことが調査で判明。この会社に譲渡された時点で債権者と債務者が同一の状態になり、債務が消滅していたことが分かった。このため同国税局は約200億円がイ社の実質的な利益(債務消滅益)にあたると指摘。債務消滅益に課税するとともに一連の経理処理を仮装隠蔽(いんぺい)を伴う悪質な所得隠しにあたると判断した模様だ。

 民間信用調査会社などによると、コスモ社は政財界に幅広い人脈を持つとされる熊取谷(いすたに)稔氏(75)が代表取締役で、1984年設立のイ社は「コスモ・ワールド」の商号で事業を展開。グループにより米国の名門ゴルフリゾート「ペブルビーチ」を買収したことで知られるが、イ社は14年12月に東京地裁へ自己破産を申請した。

 イ社の破産管財人の弁護士は取材に「まだ実態がよく分からず、今はお話しすることはありません」と回答。コスモ・イーシーは「取材はお受けしていない」としている。【太田誠一】

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