愛国歌(韓国国歌)をバカにするような行動で波紋を呼んでいる韓国プロバスケットボール昌原LGセイカーズの外国人選手デイボン・ジェファーソン(28)=写真=が「クビ」になった。
昌原LGは20日、ジェファーソンにチームとして最も重い懲戒処分である退団にしたと明らかにした。ジェファーソンは18日、蔚山モービスフィバスとのベスト4プレーオフ第1戦前、愛国歌の演奏中にストレッチをして「非礼だ」と非難を浴びた。19日には謝罪記者会見をしたが、その直前に両手の中指を立てている写真を自身の写真共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)「インスタグラム」に掲載、再び非難の声が寄せられていた。
昌原LG側は「ただ愛国歌の演奏中にストレッチをしたという理由だけでジェファーソンに退団という重い懲戒処分を下したわけではない。これまでジェファーソンが取ってきた好ましくない行動のせいでチームのムードや名誉が大きく損なわれ、韓国のバスケットボールにも悪影響を与えてきたことを考慮した」と処分理由を説明した。ジェファーソンはこれまでも試合中ベンチにいるときに携帯電話を見たり、音楽を聞いたりと誠意のない態度をしばしば見せていた。また、飲食店で女性とポーズを取っている写真をSNSに掲載するなど、私生活上の問題で物議を醸したこともある。最近では下半身裸でベッドにうつ伏せになった黒人女性の扇情的な写真をアップ、後に削除した。
2013年に韓国に来たジェファーソンは、ロシアリーグの元得点王にふさわしい最高レベルの実力を披露した。昨シーズンは昌原LGを創設史上初めて公式戦1位に立たせ、2年目となる今回の公式戦では得点1位(平均22.0点)を記録した。しかし、審判の判定に神経質な反応を見せることが多く、試合がうまく行かないとチームメートたちにまで当たり散らした。韓国バスケットボール連盟(KBL)は19日、裁定委員会を開いてジェファーソンをめぐる問題を協議、20日にプレーオフ出場停止と制裁金を科すことを発表する予定だった。だが、先に昌原LGがより重い懲戒処分を下すことで事態収拾を図った。
昌原LGと外国人選手の「プレーオフ戦トラブル」は以前にもあった。2007年4月に行われた昌原LGと釜山KTFマジックウィングズ(現・釜山KTソニックブーム)のベスト4プレーオフ時、昌原LGのペルヴィス・パスコが判定に不満を抱いて審判を押し倒した。昌原LGは試合終了から約6時間後にパスコの退団を決定した。パスコはKBLから永久除名処分を受けている。