バブル全盛期


まだ日本にアイリッシュウイスキーが
ほんのごく数種しか入っていなかった頃

六本木に当時あった
THE BARのマスター 田辺さんと
そのお客様を介し
一本のアイリッシュウイスキーを紹介されました






バブル時代当時で
10年以上前に瓶詰されたと言われていたウイスキー 

当時
年に数回
英国に買いだしに行かれてた田辺さんをしてでも
なかなか手に入らないと言わせしめたウイスキー




飲んでみると
その当時 
アイリッシュのスタンダードウイスキーだったジェイムソンや 
当時個性的と言われていたブッシュミルズよりも
はるかに風味が強く個性的な味でした 




昔のアイリッシュウイスキーは
泥くさい 」
 


そのお客様は当時こう言っていました


アイリッシュは
輸出向けの味と アイルランド国内向けの味 
かなり違うんだよね

特にこのお酒はね
現地でも もう手に入らない

宝物

希少品 




私は
そのお酒を欲しくて欲しくて 
切望し続けたのですが 

最初にお土産でいただいて飲んでから
時を経ること
10年ぐらい後に 




それと同じブランドのウイスキーを 
英国のウイスキーオークションで
2本 入手することができました 


それが今日ご紹介するお酒

レッドブレストです



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これは
今から40年ぐらい前の瓶詰の物です


バブル時代当時 
六本木のバーのマスターとそのお客様に紹介されたレッドブレストは
もう心もち 
少し古い物でしょうか?



記憶による飲み比べだと
当時飲ませていただいた物の方が
若干ねっとり膨らむ余韻感があった気もしますが


このボトルもレッドブレストに特徴的な余韻
炭のような薫香をにゅわっと響かせる後口は
持っていると想います




その後
オークションでもっと昔のアイリッシュウイスキーを入手する機会も得たのですが
飲み口こそすっきりはしてるものの 
やはり後味には 炭のような薫香が薄く長く響いてきました







ちなみに 
このレッドブレスト

昔はなかなか手に入らず 
伝説のアイリッシュウイスキーのひとつとも言われていたのですが




ここ近年 
日本でも市販化されはじめたようです





ただ 
瓶形が変わり 
伝え聞くところによると味わいもかなりライト化されてしまったようで


昔の欲しがっていた頃のレッドブレストとは
まったく
別物のウイスキーに変わったようで 
それが至極残念です



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妻にこのお酒は 
昔はじめて六本木の方に紹介されたんだよ

と言ったところ






六本木の香りがするね 

香りだけが香りたつ味

でもその香りにさみしさや哀しさが漂ってる

でも
それが六本木を現実にした香りでしょ?

味ではなく香り  」




と言って
こんなティスティングポエムを書いてくれました


 



深海の香りがする


太陽の光が届いていない深海

本当に悲しい人は
悲しいという事すら気がつかない

本当にさみしい人は
さみしいということすら気がつかない



ただそれを見た他者だけが
悲しみ さみしさを感じる


なんだかまるで伝説のよう


伝説はただ伝説ではなく
伝説を超えた伝説
超伝説

おとぎ話だけではなく
現実になりたい


そんな想いが沸点に達した時
すべてがくつがえる

真実で事実で現実の物語

九十九の谷のストーリーがはじまる

そんな香りがした 」(レッドブレストを飲んだ妻のティスティングノート)






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