タンナ島イサンゲル=郷富佐子
2015年3月21日11時03分
南太平洋の島国バヌアツを大型サイクロン「パム」が13日から14日にかけて襲ってから1週間。20日、最も被害が大きかった地域のひとつ、同国南部タンナ島に入った。水や電気は復旧しておらず、島民たちは救援物資を待っていた。
ココナツの葉と竹で建てた家々はつぶれ、木々はなぎ倒されて散乱している。「自宅はぺちゃんこで、畑の作物もすべて消えた。もうすぐ食料がつきてしまうが、野菜やイモの苗を植えても収穫までに3カ月かかる。どうすればいいのか」
南西地区に住むベティ・シモンズさん(41)が途方に暮れたように話した。サイクロンが来る直前に「ゴーゴー」という大きな風音で不安を感じ、子供4人とコンクリート造りの住民の家に避難した。今は近くの学校で寝泊まりする。
人口約2万7千の同島をパムが直撃し、猛烈な風雨となったのは、14日早朝から午後までの約9時間。地元タフェア州行政事務所のレイノルズ・スルマット州行政長官によると、島民の9割以上が住宅の全壊や一部崩壊で自宅に住めない状態で約20カ所の避難所で暮らす。「まず、避難所、食糧、薬の三つが必要だ」と訴えた。
島民のほとんどは農民で、自給自足の生活だ。サイクロンには慣れているが、みな「これまでにない恐ろしい強風だった」と口をそろえた。過去のサイクロンでは、簡素な家がつぶれたらすぐにつくり直した。だが、パムはココナツ畑も作物も全滅させ、家の材料も食料もない状態だ。
スルマット長官は「サイクロンが怪物化するのは、地球温暖化のせいではないか。サイクロンの季節が終わる4月末まで、次がもっと強かったらと、みな恐怖を感じている」と話した。
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