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【杉浦美香のさくらんぼ白書】救急車が来ない? 119番通報した大学生の重い死

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【杉浦美香のさくらんぼ白書】
救急車が来ない? 119番通報した大学生の重い死

 山形市で約1年2カ月前、下宿で1人暮らしの大学生が自宅で具合が悪くなり、119番通報をしながらも救急車は出動せず、その9日後に、大学生は遺体となって発見されることになった。母親は、「救急車で運ばれていれば、助かったはずだ」として市を相手取って損害賠償訴訟を起こしている。山形で一体、何が起きたのか。彼の死が意味するものは-。

携帯電話のSOS

 死亡したのは山形大理学部2年だった大久保祐映(ゆうは)さん=当時(19)だ。

 大久保さんが山形市消防本部に119番通報したのは平成23年10月31日午前5時11分。しかし、同市消防本部に自力で病院に行けると判断され、救急車は来なかった。

 埼玉県熊谷市で暮らす母親が大学から連絡を受け、山形に向かったが、変わり果てた大久保さんと対面したのは、山形署の1室だった。

 通報を受けた通信指令課職員2人は「歩けるのか」「タクシーで行けますか」という問いに、大久保さんが「動ける」「タクシー…の番号がわかれば自分で行けると思います」と答えたやりとりから「緊急性がないと総合的に判断した」(市側の準備書面)という。

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