任天堂のスマホ参入についての記事がいろいろ出てるけれど、岩田社長はゲーム系メディアのインタビューは基本的に受けてくれないので突っ込んだ話が出てこない。
日経ビジネスの井上理記者はゲーム業界に詳しい方で、岩田社長の覚えもめでたくよくインタビュー記事を書いておられる。しかしその記事は溢れる任天堂愛にほっこりするばかりで、厳しい部分にはノータッチでなんとももどかしい。
(後半の記事で詳細が話されるかもですが、厳しい質問は出てこないはず)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20150319/278932/
そこで、某西田宗千佳氏などのインタビューお断り系のズバズバ切り込むメディアが訊きそうなことについて考えてみた。あえて嫌味っぽく痛いところを突いてみたつもり。
スマートデバイスにどのようなソフトを出すべきか、どんな課金方法にすべきかといった課題を解決するためには数年の検討を必要としたが、それは決して遅くないと伺いました。
しかし、モバイル業界はコンシューマー業界よりも環境の変化が早い世界であり、経営判断の遅さが命取りになりかねません。
事実、パートナーであるDeNAさんはブラウザゲームからネイティブアプリへの変化への対応が遅れ、一線を退いたという過去を持っておられます。
「スマホは順調だがコンシューマーへの動線ができず、コンシューマーの売上が落ち込む」
といった現在想定しているシナリオとのズレが出てきたときの方向修正をどのようにイメージされておりますでしょうか。それとも、変化が起きてからまた数年を費やして熟考するのでしょうか?
任天堂の強みはハードソフト一体型ビジネスであり、それを生かせないスマートデバイスでは長期的なビジネスを持続することは困難だから決して手を出さないと繰り返しおっしゃってこられました。しかし、他社のハードウェアが前提となる環境でも任天堂の強みを発揮できるとの結論に至り、今回スマートデバイスへのソフト供給を発表されました。
そこから想像できることは、コンシューマービジネスにおいても、ソフトの内容や料金体系その他の課題について真剣に考え抜くことで、ハードソフト一体型ビジネスに拘わる必要はないという「答え」を導き出せるのではという検討も当然なさっておられるのではないかということです。
減少が続く自社ハードでの独占に拘らず、マイクロソフトやソニーなどの他社ハードにソフトを供給することは、任天堂ユーザーの全体数を増加させることにつながります。それは今回のスマホ展開の目的でもある「ゲーム人口の拡大」という任天堂の経営理念に合致すると言えるはずです。
数年後、
「ずっと否定してきたが、実は前からソフト専業化について考えてきた。ようやく全体像がまとまったので今回発表することができた」
「時は来た」
というお話を聞かせて頂ける可能性があるのではないでしょうか。