道徳ドキュメント「かけがえのない服 かけがえのない仕事」 2015.03.18


水平のまま。
これをまた起こすと…。
起きたまま。
なぜなのでしょう?
(テーマ音楽)
(谷地)こちらにならんだのは小学生のあこがれの職業など数々の働く姿です。
みなさんにはしょうらいなりたい職業はありますか?その仕事のどんなところにみりょくを感じているでしょうか?「道徳ドキュメント」今回はあるわざをきわめた職人さんの姿から何のために働くかを考えます。
そのわざとはクリーニングです。
お待たせいたしました。
手がけたのは…ほかの店では落とせないシミやよごれもきれいに落とす古田さんはクリーニング屋さんたちから神様とよばれています。
東京の都心にある古田さんのクリーニング店。
30人の職人さんが手分けして働いています。
おはようございます。
店には毎日全国から大量の服が送られてきます。
ほかのクリーニング店から自分では無理だととどく品やこの世に1点しかない高価なドレスもたくさんたのまれます。
古田さんの手にかかればどうしても落とせなかったよごれがこのとおり。
ほかのクリーニング店がまちがってのばしてしまったブラウスのかざりも一本一本アイロンをかけて2日がかりで元どおりによみがえらせました。
この日取りかかったのは女性用のカーディガンです。
30年近くつきあいのあるお客さんからたのまれました。
高級なカシミヤのカーディガンのあちこちにシミがついています。
古田さんはシミぬきになんと50種類もの薬品を使い分けます。
シミはそのじょうきょうしだいで取りのぞく方法がまったくちがうからです。
かんたんなシミならいっぱん的な薬品で周りを取り囲み水で流してせんいからはがします。
しつこいシミにはよごれの成分におうじてよくきく強い薬品を選び分解させてからはがします。
でも薬品はきき目が強いほど洋服のせんいもきずつけてしまいます。
シミの正体を正確に見ぬき最小限の薬品で落とし切るわざが必要です。
しょうゆが入った食事のシミとすいり。
読みどおりきれいに落ちていきます。
残るシミはあと1つ。
ところが…。
かすかに残るシミわかりますか?古田さんよごれを細かくくだく薬品を作り始めました。
このシミは古いために成分が変化していると見ぬいたのです。
せんいをきずつけないようしんちょうに進めると…。
お見事!シミがきれいに消えました。
この服は持ち主が夫から20年前にプレゼントされたもの。
服をおくったご主人は今病気で寝たきりが続いています。
おくさんは夫をはげますため2人の思い出のカーディガンを着て介護を続けているのです。
古田さんにとってクリーニングはよごれをきれいにするだけの仕事ではありません。
服にこめられた大切な思い出も自分のうでにまかされていると感じているのです。
わずかにうかせるアイロンのわざで風合いは新品同様にふんわり。
20年着続けてきたカーディガンがかがやくようなツヤを取りもどしました。
古田さんが育ったのは長野県の山あいの村です。
家がまずしかったためお金をかせぎに15さいで東京に出ます。
つとめ先をクリーニング屋に決めたいちばんの理由は住みこみで働けてごはんが食べられること。
だれよりも早く朝5時にはじゅんびを始めせんぱいにしごかれながら真夜中まで必死に働きました。
3年たったころ事件が起きます。
配達のとちゅうでお客の服をなくしてしまったのです。
あやまる古田さんに店の主人は思わぬ言葉を浴びせました。
おどろきのあとにもうれつなくやしさが古田さんをおそいます。
うたがわれたことがゆるせず仕事を辞めてしまった古田さん。
なぜ仕事にもどったのでしょう?そしてクリーニングのわざをきわめられたのはどうしてだと思いますか?続きを見てみましょう。
この先どうするか決めかねていた古田さんはこきょうに帰りました。
気落ちする息子にお母さんはこう声をかけました。
「やるなら日本一のクリーニング屋になれ」。
つらい時いつも読んできたというお母さんの手紙です。
別の店でやり直すことに決めた古田さん。
人一倍働く姿を今度の店主はきちんとみとめてくれました。
15年目転機がおとずれます。
当時クリーニングの最先たんだったアメリカへのしさつだんに選ばれたのです。
それは目を見張るようなおどろきの連続でした。
お客はハリウッド女優などセレブばかり。
最新のぎじゅつできちょうなドレスを次々とよみがえらせていました。
古田さんの目標が定まります。
「自分もあんな仕事をしたい」。
シミぬきせんたくアイロンがけ。
すべてにあっとう的なうで前のクリーニング師になる。
最先たんのぎじゅつを研究し毎日朝までお客の注文に取り組みました。
なぜそこまでがんばれたのでしょう。
古田さんはクリーニングでお客に感動をあたえるまでの仕事を追い求めてきたのです。
今それを次の世代に引きつごうとしています。
修業して22年すでにぎじゅつでは古田さんに引けを取りません。
この日陽祐さんが一着の服の注文を受けてきました。
なくなった母がよく着ていたという思い出のワンピース。
30か所以上もシミがあるうえ40年も昔の生地は古くてやぶけるおそれがあります。
これまでむずかしい服の大半は古田さんがたんとうしてきました。
でも古田さんは意外なことを言いだします。
仕事を受けた以上陽祐さんがやるべきだというのです。
きれいによみがえらせて喜ばせたい。
でも自分のわざでダメにしてしまうかもしれない。
お客さんの思い出をまかされることの怖さと覚ご。
古田さんがずっとたたかってきたものに陽祐さんが向き合います。
翌日。
思い出のワンピースに立ち向かう陽祐さんがいました。
せんいをいためずにかつてのかがやきをよみがえらせたい。
ギリギリの勝負が続きました。
(陽祐)あっどうもいらっしゃいませ。
お待ちしておりました。
なくなった母のワンピースを受け取りにむすめさんたちがやってきました。
(陽祐)よかったです。
ありがとうございます。
陽祐さんが怖さと向き合い勝負した仕事がむすめさんたちの心にとどきました。
2015/03/18(水) 10:00〜10:15
NHKEテレ1大阪
道徳ドキュメント「かけがえのない服 かけがえのない仕事」[解][字]

クリーニング師、古田武(たける)さんは業界で神様とも呼ばれる腕前の持ち主。誰にも落とせないシミや汚れに挑戦し続けてきた。どうしてがんばれるの?何のために働くの?

詳細情報
番組内容
東京南麻布にクリーニング店を構える古田武(たける)さん。全国から届く依頼品は、一点ものの高級ドレスや、他のクリーニング店では手に負えない品、思い出の服など難しい服ばかり。古田さんの店ではあらゆる手間と技術を惜しまず、それらを新品同様によみがえらせる。この道60年の古田さんの奮闘を追い、何のために働くか、どうしてがんばれるのか、働く意義に迫る。2013年放送「プロフェッショナル仕事の流儀」の再構成。
出演者
【出演】クリーニング師、レジュイール会長…古田武,【司会】谷地健吾,【語り】三輪秀香

ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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