頑張ろう!
ことしの春闘。
きょう、企業側が労働組合に一斉に回答を示す、集中回答日を迎えました。
午前10時過ぎ、製造業を中心に、およそ200万人の労働者が加盟する、金属労協の本部です。
大手企業の回答金額が次々と書き込まれていきました。
ことしは、去年を上回る組合側の要求に対して、経営側がどこまで応じるのかが焦点となっていました。
各社の回答です。
自動車業界では、ベースアップや、それに相当する賃上げとして、トヨタ自動車が6000円の要求に対して、今の要求方式としては過去最高となる、月額平均で4000円の回答。
日産自動車は5000円、ホンダは3400円を示しました。
また電機業界では、組合側が、いずれも月額6000円のベースアップを要求したのに対して、日立製作所、パナソニック、東芝など、大手6社が、いずれも月額3000円と回答しました。
今の方式となった平成10年以降で最も高い水準です。
また、一時金、いわゆるボーナスについては、トヨタ自動車で5年連続の満額回答となる基本給の6.8か月分。
日立製作所が5.72か月分など、高い水準の回答となりました。
きょうの回答で、大手では2年続けて大幅な賃上げが実現したことになります。
しかし、中小企業では賃上げについて慎重に判断したいという声も多く聞かれ、今後、大手の動きが中小企業や非正規雇用の労働者にどこまで波及するのかが焦点となります。
春闘に関連して、菅官房長官は次のように述べました。
こんにちは。
ことしの春闘は、一足早く春らんまんの結果となりました。
大手の動きが社会全般に波及するか、注目したいと思います。
次です。
仙台市で開かれている国連防災世界会議は、きょう最終日を迎えました。
2030年までに、各国が取り組むべき防災対策の指針を採択し、閉幕する予定です。
ただ、地球温暖化による影響の位置づけや、先進国の役割の表現をどうするか、今も話し合いが続いています。
会場となっている仙台市の会場前から中継です。
国連加盟のほぼすべてに当たる186の国の代表が参加した今回の国連防災世界会議。
閉会式が終わる予定時間が過ぎた今も、会場では断続的に非公式の議論が続いています。
会議ではこれまで、各国が取り組むべき防災対策の新たな指針の採択を目指してきました。
政府関係者などによりますと、これまでの議論で新たな指針には、2030年までの15年間に、災害による犠牲者の割合や経済的な被害額など、改善すべき7つの項目が設定されることになりました。
そして項目ごとに、人口10万人当たりの犠牲者の割合を減らしていくなどの目標を定めることで、ほぼ合意したということです。
一方、気候変動が災害の激化の主な要因になっていることや、その一定の責任が先進国にあることなど、先進国の責任を指針に明記するかどうかについて、議論が続いているということです。
日本側の交渉責任者は、次のように話しています。
バヌアツで、猛烈な勢力のサイクロンによる被害が起きる中、どれだけ具体性のある指針を示すことができるのか。
その結果が注目されます。
予定時間を過ぎても議論が続いているようです。
では、災害と復興について担当しています、二宮解説委員とお伝えしていきます。
二宮さん、議論は難航しているということなんでしょうか。
そうですね。
夜を徹して議論をして、具体的な目標についてはほぼ合意しましたが、地球温暖化による気候変動の影響は先進国にも一定の責任があるということを盛り込むかどうかなど、議論が長引いています。
当初は採択、指針の採択は、午前中に予定されていたんですけれども、ずれ込んでいます。
なぜ難航しているのか、そのあたり、背景もこのあとお伝えしていきます。
まずそもそもこの国連防災世界会議っていうのは、なかなか耳慣れないことばなんですけれども、一体どんな会議なんでしょうか。
そうですね。
この会議、およそ10年ごとに開かれますので、なじみが薄いかもしれません。
2030年までの15年間に、各国が連携して取り組むべき防災や減災の指針を話し合うものです。
今回で3回目なんですが、1回目は横浜、2回目、10年前は神戸。
いずれも日本で開かれています。
今回は186か国、これまでより多い、186か国というと、国連加盟のほぼすべての国なんですが、参加しました。
日本で開かれる国際会議の中では最大級といえます。
最大級の会議となって、そして3回目の開催ということなんですけど、これまでと違う何か特徴はあるんでしょうか?
これまでと大きく異なるのは、首脳級、今回から首脳級に格上げされたということです。
各国の防災への関心、また、防災への重要性というのが高まっているということを表しています。
首脳級に格上げされた理由っていうのは何なんですか?
今、世界各地で大きな災害が相次いでいて、多くの犠牲者が出ています。
例えば2004年のインド洋大津波では22万人以上が死亡しました。
2010年のハイチ地震でも死者20万人以上です。
2000年から2012年までの世界の災害の犠牲者というのは、120万人にも上っています。
それにおととし、フィリピンで台風や高潮で、7000人以上が犠牲になりましたし、この会議の開催中、今もバヌアツを猛烈な勢力のサイクロンが襲って、大統領が緊急帰国するということにもなりました。
地球温暖化で海水面が上昇したり、集中豪雨が起きやすくなっているという影響で、ますます災害に対するリスクが高まっていまして、多くの国が危機感を強めています。
また経済面でも影響がありまして。
経済のグローバル化が進んでいる影響で、大規模な災害で、例えばある国が大きな被害を受けて機能がまひするというようなことになると、世界経済に与える影響も大きいということで、先進国にとっても世界レベルで連携する必要性が高まっています。
構造の変化が影響しているんですね。
今まさに世界が連携しようというときというのをすごく感じるんですけども、会議では具体的にどんなことを話し合われているんでしょうか?
これまで災害による犠牲者の割合ですとか、被災者の数などをどれだけ減らすかという一方で、先進国から発展途上国への支援をどれだけ増やすかなどを議論してきました。
このうち人口10万人当たりの犠牲者の割合を減らしていくことですとか、先進国は途上国に対して資金面、あと技術面でも支援をしていこうということで、ほぼ合意はしました。
一方で、こうした項目に数値目標のようなものを盛り込むということについては、どんな基準にするのかということですとか、発展途上国側の負担が大きいということなどで、盛り込まれませんでした。
画面上なんですけれども、人口当たりの犠牲者の割合を減らすというのは、目標としては当然といえば当然だと思うんですが、こういったことを決めていこうとしているのは、どんな意味があるんですか?
そうですね。
発展途上国には、洪水や土砂崩れなど、頻繁に起きて、大きな被害が出て、犠牲者も多くなるという国が多くあります。
東日本大震災ですとか、インド洋津波のような、大津波、大地震というものへの備えというのももちろん大切なんですが、頻繁に起きる、発展途上国で頻繁に起きる災害というものをどうやって防いでいくかというと、もっと防災のレベルを上げていくという必要があるということなんです。
防災のレベルを上げようという点においては、世界は共通認識はあるんだなというのはすごく感じるんですけれども、では、なぜ合意に時間がかかってしまっているんでしょうか。
そうですね。
先進国は、そうした災害軽減の具体的な目標ですとか、一定の努力義務というのを途上国側に求めているんですけれども、発展途上国側としては、地球温暖化による気候変動の影響は、先進国に一定の責任があるじゃないかと、災害を減らす防潮堤ですとか、堤防といったハード面の対策に、財政でのさらなる支援、技術の支援というのを求めて、資金を巡って対立をしているということです。
先進国と発展途上国、立場の違いがある中で、日本はどう取り組んでいくべきなんでしょうか?
安倍総理大臣は発展途上国などの防災対策に対して、防災対策を充実させるということで、4年間で総額40億ドル、4800億円程度ですが、の協力ですとか、各国の防災、復興を担う人材を4万人育成するという行動計画を示しました。
今回、仙台での開催ということで、日本がこれまで、災害を経験してきたことっていうのは、世界が防災に取り組むうえで、どんな意味があるんですか?
そうですね。
今回、被災地、仙台で開かれていますが、日本はこの震災の反省、教訓、あと復興の課題などを伝えていっています。
このうち強く打ち出しているのが、日本、議長国なんですけれども、議長国として強く打ち出したのが、ビルド・バック・ベターということばです。
よりよい復興という意味なんですけども、災害に強いまちづくりを行っていこうということです。
防潮堤ですとか、道路、住宅地のかさ上げ、高台の移転など、今被災地で行われている復興の対策について、それは津波ですとか、地震に対して、多重に、二重、三重で防御しようという考えです。
そしてもう一つ、大切なことがあるんですが、これは東日本大震災では、こうした防潮堤、堤防などのハードでは命を守れなかったという反省があります。
その反省も世界に伝えなければいけません。
そしてハードに頼るのではなくて、避難訓練ですとか、情報伝達、防災教育などを充実させることで、ソフト対策を通して、命を守るということを、今後も世界に、この会議だけではなくて、今後も世界に向けて伝え続けていかなければいけないと思います。
日本の役割、大きそうですね。
国連防災世界会議について、二宮解説委員とお伝えしました。
次は、建物の安全性を揺るがす、このニュースです。
東洋ゴム工業が、国に認定された性能を満たしていない免震装置を製造・販売し、認定の一部に不正があった問題で、問題の装置が使われていた病院に、東洋ゴム工業の役員らが訪れ、謝罪しました。
大阪からです。
東洋ゴム工業の役員らは、きょう午前、問題の免震装置が使われていた、京都府舞鶴市の病院を訪れ、謝罪しました。
この問題で、東洋ゴム工業は去年2月、装置が、必要な性能を満たしていない疑いがあることに、子会社の社員が気付いたあとも、全国12の建物に、問題の装置を納入していました。
その一つ、京都府舞鶴市の国立病院機構舞鶴医療センターでは、建設中の7階建ての病棟に問題の装置が使われています。
きょう午前、東洋ゴム工業の青木源太郎執行役員ら担当者3人が病院を訪れ、謝罪しました。
これに対して病院側は。
病院側が、免震装置の交換がいつできるのか、ただしたのに対しては。
建設中の病棟は、ことし6月の完成予定でしたが、完成が遅れるのは避けられない見通しです。
次です。
原子力発電の節目です。
きのう、こちら、福井県にある3基の原発の廃炉が正式に決まりました。
さらにきょう、島根県と佐賀県にある2基の原発も廃炉が決まりました。
九州電力は、きょう午前に開いた取締役会で、佐賀県玄海町にある玄海原発1号機の廃炉を正式に決定しました。
玄海原発1号機は、昭和50年の運転開始から、ことし10月で40年となり、九州電力では、最も古い原発です。
九州電力は、瓜生道明社長が、佐賀県と玄海町を訪れ、廃炉の決定を報告することにしています。
一方、中国電力もきょう開いた取締役会で、松江市にある島根原発1号機の廃炉を正式に決めました。
午後、苅田知英社長が島根県と松江市に対して、廃炉を報告することにしています。
また、きのうは関西電力美浜原発の1号機と2号機、それに日本原子力発電の敦賀原発1号機の廃炉が正式に決まりました。
いずれも運転開始から40年以上たつ原発です。
廃炉決定の説明を受けた地元の町の町長は、今後の雇用の確保などを要望しました。
老朽化で選別される時代となった原発。
これで、原発事故のあと、福島第一原子力発電所以外で廃炉が決まった原発は、合わせて5基となります。
きょう廃炉を決めた九州電力と中国電力、きのう廃炉を決めた関西電力と日本原子力発電の4社の社長は、あす、宮沢経済産業大臣のもとを訪れ、合わせて5基の廃炉を報告することにしています。
電力会社は今後も運転開始から40年を迎える原発については、運転継続か廃炉かの判断を迫られることになります。
続いてはこちら、おいしそうです。
宮城県南三陸町の名物、南三陸キラキラウニ丼です。
これが食べられる5月から8月にかけて、南三陸町には大勢の観光客が訪れます。
この料理に欠かせないのが、ウニなんですが、東日本大震災以降、水揚げは半分以下に落ち込んでいます。
この特産のウニを復活させて、町を盛り上げようと、漁業者たちが新しい取り組みを始めています。
宮城県南三陸町です。
今、海にある異変が起こっています。
水深5メートル、海底にはたくさんのウニ。
ところが、生きてるウニを割ってみると。
食べられる身の部分がほとんど入っていません。
これは震災前の海底の様子です。
ウニの餌となる海藻が生い茂っていました。
そしてこちらが現在。
震災後に大発生したウニが、海藻を食べ尽くしてしまいました。
こうした海藻がなくなった状態を、磯焼けと呼びます。
この現象は去年の2月ごろから観測され、岩手県南部から宮城県北部の沿岸で起きています。
磯焼けやウニの生態に詳しい、東北大学の吾妻行雄教授は、このウニの大発生は津波の影響があるのではと考えています。
震災前、海底にはウニを食べるヒトデやカニ、そして漁師がいて、ウニの数が抑えられていました。
しかし、津波によってヒトデやカニが流され、しばらくの間は、漁師もウニ漁ができませんでした。
その結果、津波のあとに生まれたウニが成長し、数が大幅に増加。
周りの海藻を食べ尽くしてしまいました。
餌がなくなったウニは成長できず、商品にならないので、漁師も取りません。
南三陸のウニを、復活させようとしている人がいます。
地元の漁師、高橋栄樹さんです。
高橋さんが取り組み始めたのが、ウニの養殖です。
使うのは磯焼けの場所から取った中身の入っていないウニです。
餌として使うのは、人工飼料。
養殖技術が進んでいるノルウェーから輸入したもので、日本では初めての試みです。
昆布や魚のたんぱく質がバランスよく含まれています。
この餌を使うことで、海藻がない場所でも養殖することができるのです。
養殖には5段重ねの籠を使います。
効率的に、一度にたくさんのウニを養殖できるからです。
高橋さんは去年10月から、およそ120キロのウニを養殖しています。
しかし、初めはウニがうまく育たなかったといいます。
高橋さんは、ウニの大きさや重さ、身の入りを細かく記録。
餌をやる期間や量を変えたり、籠の中のウニの数を減らすなど、一人、試行錯誤の日々が続きました。
養殖を始めて4か月。
ようやく納得できるウニが出来ました。
天然のウニを食べ慣れている仲間の漁師に、初めて試食をしてもらいます。
高橋さんが育てる養殖ウニ。
被災地の漁業復興への願いが込められています。
海の中でも震災の影響が続いているんですね。
ただ、養殖のウニ、ウニを食べ慣れているっていう漁師さんたちも濃いって言ってたし、ウニ丼にしたら最高じゃないかって言ってましたし。
このキラキラウニ丼の復活、本当に願っていたので。
期待が高まりますね。
うれしく思います。
高橋さんは来月下旬に一般の人たちを対象に、養殖ウニの試食会を開く予定だそうです。
商業化に成功すれば、ウニによる磯焼けの被害が軽減されるのではないかと注目が集まっています。
では次は気象情報です。
きのうほどではないですけれども、きょうも暖かいですね。
奈良岡さん。
こちらは、暖かいというよりも、暑いぐらいです。
那覇市内の今の様子です。
朝から力強い日ざしが降り注いでいます。
午後2時20分現在の気温は24度ちょうどとなっています。
半袖で過ごせる陽気となっていますね。
那覇はこの先もしばらく晴れ間の広がる日が続きそうです。
ではそのほかの各地の気温の様子を見ていきましょう。
黄色い表示は15度以上という所です。
東北の南部から西日本にかけて、15度以上の所が多く、ところどころ20度以上というオレンジ色の表示の所も目立ちます。
東京、今の気温は19度8分となっています。
西日本もきょうも気温、高めなんですけれども、雲が広がっていまして、雨が降りだしている所もあります。
では雨雲の様子を2時間前から見ていきましょう。
九州や四国、中国地方にかけて雨雲がかかっています。
ところどころ発達していまして、きょうも雨が強く降った所もあります。
このあと雨のエリアは広がります。
東日本でも、夜には雨が降りだしそうです。
では、きょうの天気図から見ていきましょう。
前線が九州に延びてきています。
南から暖かく湿った空気が流れ込んできていまして、大気の状態が、この前線周辺や前線の南側で、大気の状態が不安定となります。
このために雷を伴って雨が強く降るという所がありそうです。
あすの予想天気図を見ますと、この前線の影響はあすはきょうよりも広い範囲に出そうです。
あすは九州から東北地方にかけて、曇りや雨の天気となるでしょう。
あすも暖かい空気、入りますので、気温は比較的高めとはなりそうですけれども、雨の降る所が多くなるでしょう。
そして九州では雨の降る時間、長くなりそうですから、雨の量も多くなる所がありそうです。
では、雨の見通しについて、詳しく見ていきましょう。
今夜見ていきます。
お帰りの時間には、近畿地方でも雨が降りだしていそうです。
そのあと、雨の範囲は東海地方へと広がって、夜遅くには、関東地方でも雨が降りだす所がありそうです。
そしてあすの朝には、九州で雷を伴って、激しく降るような所がありそうです。
またあすは気温が高いですから、東北地方でも雨となりそうです。
雪の量の多い地域では、雪崩が一層起こりやすくなりますので、雪崩にくれぐれもお気をつけください。
では全国のあすの天気です。
続いては、政治の動きです。
今の大阪市を廃止して、5つの特別区を設ける、いわゆる大阪都構想。
賛成の方はご起立願います。
きのう、その賛否を大阪市民に問う住民投票の実施が決まりました。
大阪都構想とは何か。
実現した場合、実現しなかった場合、どんな影響があるのか、解説します。
では安達宜正解説委員とお伝えしていきます。
安達さん、まずこの大阪都構想、おさらいからいきたいと思うんですけれども。
再来年の2017年4月をメドに、今の大阪市を廃止して、5つの特別区に再編します。
そしてこの特別区には、選挙で選ばれる区長と議会などを置くなどとしています。
現在、大阪市には24の行政区がありまして、1人の市長が担っています。
これを変えるということなんですけれども、これをですね、5つの特別区にして、選挙で選ばれる区長と議会を置くなどとしているということなんですね。
このことによって、何をどう変えようとしているんでしょうか?
モデルは東京の23区、これ考えてもらえばいいと思うんですよね。
滝本さん昔、東京にも東京市ってあったの知ってます?
歴史の教科書でっていう。
そうそう。
昭和18年まで東京市ってありましたね。
そのときはまだ戦争中でしたからね、中央集権のために、東京市廃止にして、東京都の直轄ってなったんですけれども、そのう余曲折を経て、今の制度になって、東京に匹敵するには東京と同じような制度を大阪にも取り入れて、東京に匹敵する大都市にしたいというのが橋下さんの思いだと思いますね。
だからこれを実現するための大阪都構想。
そうですね。
それに加えて、東京と大阪を2つのエンジンにして、世界でもトップクラスの国に日本をしたいというのが橋下さんにはあるんですね。
それを実現するための構想だということなんですね。
そうですね。
橋下さんのねらいはそういうことですね。
具体的には、これまで大阪府と大阪市、これが二重行政になっていたんじゃないか、これを解消しましょうということもあるんですね。
二重行政といいますとね、府と市が同じような公共施設、図書館ですとか、病院ですとかね、そういうものを2つ作ったり、高層ビルを2つ作ってみたり、そうすると財政的なむだがあるんじゃないかという主張もありますしね。
それともう一つ、知事と市長、その役割を知事と区長ですね、その役割を明確にしようという考えもあるんですね。
知事には、広域行政の長としまして、成長戦略、こうしたものに責任を持つ。
また特別区の区長は、医療ですとか、介護ですとか、こういった、住民の身近なサービス、これに責任を持つ体制にして、それぞれの責任を明確にするということですね。
ーでは、実施されます住民投票、日程の見通しです。
まず告示がこちら。
4月27日、そして投票5月17日の見通しです。
大阪市の有権者、およそ215万人の判断に委ねられることになります。
安達さん、この住民投票で結論が出るっていうことなんですよね?
そう。
小澤さんの言うとおりだと思いますね。
この住民投票に大きな特徴がありまして、法的な拘束力を持つということなんですね。
住民投票、いろんなところでやってますよね。
例えばずいぶん前ですけれども、普天間基地の移設問題で、沖縄県の名護市でやったりですね、先月も学校の校舎にエアコンを設置するかということで、埼玉県の所沢市なども行っていますけれども、こうした場合は、ほとんどが諮問型といいましてね、住民の意見は聞くけれども、最終的な判断は行政がするというものなんですが、今度は、投票率にかかわらず、1票でも賛成票が多ければ、大阪市は法的拘束力をもって廃止されるということになるわけですね。
法的拘束力があるということは、本当に大きな権限がある住民投票だということがよく分かるんですけれども、この住民投票の見通しは、どのような?
滝本さんね、まだ2か月もありますからね、そうせかさないでもらいたいんですけど、例えば住民投票が行われる大阪市、大阪市議会の勢力分野を見て、ちょっと考えてみますとね、賛成の会は、大阪維新の会、維新の党の大阪の組織と考えていいと思うんですね。
ここは第1党ですね。
賛成しています。
ただほかの党、公明党、自民党、民主党系の会派ですね、共産党、この4会派は反対ですね。
反対派はですね、大阪都構想は大阪市の廃止・分割構想だと批判していますね。
具体的には、大阪都構想が導入すれば、特別区の格差が生まれて、財政なんかでも、税収なんかも変わってくるから、住民のサービスも低下するんじゃないか。
それから先ほど申し上げたような公共施設が動かされれば、これまで2つあった病院ですとか、図書館ですとか、学校なんかもですね、1つにまとめられちゃうから、利便性が低下するんじゃないかという批判もありますね。
もう本当に真っ向からぶつかる、戦っているという構図ですけれども、ここで何かポイントになることってあるんですか?
僕はポイントは公明党の動きじゃないかなと思いますね。
公明党は大阪都構想には反対しているんですが、住民投票の実施は容認して、きのうの議決にもつながっているんですよね。
しかも公明党の最大の支持母体であります創価学会、これは自主投票を決めています。
関西の公明党っていうのは、全国でも有数の組織力を持っていまして、聞いたことありますよね。
常勝関西っていわれているんですね。
この動きがどうなっていくのかっていうのが、焦点かもしれませんね。
それとまた自民党内でも、地元の組織は反対しているんですが、安倍総理は前向きなことも言っています。
そもそも地元の自民党が反対しているのに、なぜ安倍総理の発言はそのようにかい離している?
安倍さんは都構想は二重行政の解消にもつながると評価していますしね、安倍さんと橋下さんの関係も比較的良好ですし、また菅官房長官の大阪府知事の松井さんの関係も良好。
こういうところも大きなポイントなんですけれども、もう一つ、精力的な思惑があるんじゃないかという見方もありますね。
安倍さん、維新とも協力して、憲法改正を成し遂げるというねらいがあるんじゃないか。
一方の橋下さんも、安倍さんが都構想を評価してくれたので、憲法改正に向けてなんでも協力するとも言っています。
そうすると、こうして見ますと、今度の住民投票はもちろん今の段階では、予断は許しませんけれども、ただ結果によっては、中央政界に影響する可能性があると?
その可能性は大だと思いますね。
承認されましたら、今度は大阪府の名称を、大阪都に改める法律を国会で通さなければいけないんですね。
そうしますと、衆参両院、自民党が多数を握っていますから、自民党の協力を得なきゃいけない。
維新、野党ですけれども、そうしますと自民党との連携を深めるじゃないかという見方もありますね。
もう一つ、橋下市長の動向なんですけどもね、維新の中では、橋下さん、来年夏の参議院選挙に承認されたら、打って出るんじゃないかという見方がありましてね、そうすると憲法改正が来年の夏の参議院選挙の一つの大きな争点になりますから、ここでも自民党と維新の連携というのが強まっていくんじゃないかという見方があるんですね。
反対に、住民投票で否決されたらどうなるんですか?
これはですね、維新に激震が走ることは間違いないですね。
というのも、維新の顔ともいえる橋下さん、政界を引退するとまで言ってますからね。
そうしますとこれ、野党内から出ている見方なんですけれども、維新は、自民党に行く保守的な議員のグループと、もう一つ、野党結集に向かう議員のグループが分裂して、政界再編にもつながるんじゃないかという、野党内の見方、ありますね。
ここまで見ていきますとね、今度の住民投票は、大阪市の行方だけじゃなくて、今後の中央政界の動向、さらには憲法改正を巡る議論にまで影響してくる大事な住民投票になってくるんじゃないかと。
大阪府民の責任は大きいですね。
被爆から70年。
平和の大切さを訴える、新たな展示が始まりました。
広島からです。
広島市の原爆資料館に、昨年度、被爆者や遺族から新たに寄せられた遺品や写真などのうち、75点の展示がきょうから始まりました。
このうち、爆心地から600メートルの地点で被爆した、当時13歳の慶徳清さんが持っていた布製のかばんと袋は、弟の進さんから寄贈されました。
進さんは、亡くなる前日、兄が重体のままトラックで自宅に運ばれてきたとき、自分の名前を呼んでいたことを鮮明に記憶していて、70年間、大切に保管してきたということです。
寺岡源助さん。
爆心地から700メートルにある自宅で被爆して亡くなりました。
愛用していた懐中時計と腕時計は、焼け跡から遺骨と共に見つかりました。
今回、兄の清さんの布製のかばんと袋を資料館に寄せた慶徳進さんは、3歳違いの清さんとよく将棋をしていて、清さんが死の直前、苦しみからうなされながら、進、王手とうわごとのように話していたということです。
みずからも高齢となり、原爆の悲惨さを次の世代に伝えてほしいと寄贈したということでした。
広島市の原爆資料館では、こうした展示を平成8年から行っていますが、被爆者や遺族の高齢化に伴い、子どもや孫からの寄贈が増えているということです。
この展示は、12月2日まで開かれています。
原発事故の影響が今も続く、福島県の飯舘村で、お年寄りたちに楽しんでもらうためのコンサートが開かれました。
仙台からお伝えします。
原発事故の避難区域となっている飯舘村ですが、高齢のため、移動できないお年寄りが、村内の老人ホームで生活しています。
きょうは、ボランティアによるコンサートが開かれました。
コンサートが開かれたのは、飯舘村にある特別養護老人ホームのいいたてホームです。
飯舘村は、今も全域が原発事故の避難区域になっていますが、高齢の入所者が、避難中に体調を崩すことを避けるため、避難指示が続く今も、44人が入所しています。
きょうは音楽を通じたボランティア活動を行っているプロのピアニストの森田基子さんと、娘でマリンバ奏者のみゆさんが施設を訪れました。
コンサートでは、唱歌のふるさとや、熊本民謡のおてもやんなど、6曲が披露されました。
ふるさと?
うん、よかったね。
トクする日本語です。
杉原満アナウンサーです。
こんにちは。
きょうはですね、交番や警察についての話なんですが、交番というのは、日本で始まった制度ですけれども、最近、ローマ字で表記している。
こちらの印象のほうが強いですね。
よく見かけると思いますが、まず交番の由来から見ていきたいと思います。
交番、明治7年に東京の各所に置かれた交番所が始まりです。
これ、交代で番をする所という意味のことばなんですね。
というのは、町なかで、交差点などの主要な場所に警察官が立って、町の治安を守る仕事をしているんですが、交代で番をする場所ということ、この辺りの場所のことを交番所と最初、いっていたそうなんです。
吹きさらしですから、次第に簡単な建物を作るようになります。
この建物のことを交番所を省略した形で、交番と一般に呼ばれるようになったんですね。
ただ、正式名称は、明治14年に、この建物のことを派出所ということに決まりました。
警察署から人を派遣する場所ということなわけですが、ただ、一般の人は引き続き交番、交番ってやはり呼んでいたようで、明治時代の文書に派出所と書いて、ふりがなでこうばんて書いてあるものもあるんですけれども、交番って、呼んでいたんですね。
定着していたんですね。
戦後になって、この交番っていうのが、日本の治安のよさの源だということで、海外で評価されてですね、その際にローマ字でKOBANと紹介されることが多くなって、国によってはこの名前で同じ制度を取り入れる国が出てきました。
いわば国際語になってきたので、そこで平成6年になって、正式名称を派出所から交番に変更したんですよね。
ただ、派出所のほうは変更しましたけれども、もう一つあります。
駐在所というのもありますよね。
これ、交代で番をするんじゃなくて、一定期間、警察官が派遣先にとどまるから駐在する場所ということなわけですが、これは今も駐在所です。
ですから今は、交番と駐在所があるわけですね。
さて続いて、警察ということばも見ておきましょう。
警戒の警に、察するという、そういう字なわけですが、もともと日本の警察っていうのは明治の初めに、フランスの警察制度を手本に作られました。
最初はフランス語のポリスを、そのまま使っていたんです。
警察ということばがなかったんで、ポリスと読んでいたと。
これが、このことばを作ったというのは、こういうことがあるようで、警察制度の創設者という、川路利良という人がいるんですが、この人が、警察というのはそもそもどういうものなのかと述べた文章があるんですね。
その一番最初に出てくるのが、行政警察ハ予防ヲ以テ本質トスということなんですよね。
つまり犯罪が起きてから、一生懸命対応するというよりは、もう起きる前に予防をするんだと、そういうものが警察、だから警戒して、未然に犯罪を察するという意味のことばとして、このことばを作ったのではないかということなんですね。
予防ということですと、やはり地域の交番とか駐在所というのが、今までとても大きな役割を果たしてきたのかなあというふうに思いますね。
では最後に、あすのお天気です。
まずはこちら、北海道浦河町の現在の様子なんですが。
よく晴れてるようですね。
きらきら光って日ざし届いているようにも見えるんですが。
こちらはこのまま、晴れてあすの朝にかけて晴れそうなんですけれども、こちらは晴れても全国的にはそうじゃないです。
ではそのあすのお天気、お願いします。
あす九州から東北にかけて雨が降りそうです。
九州は午前を中心に、雷を伴って激しく降る所があるでしょう。
沖縄と北海道は晴れ間が広がりそうです。
気温の予想です。
あすの日中の気温も、東日本や西日本は4月並みという所が多いでしょう。
ただ仙台、きょう日中よりも大幅に気温低くなって、最高気温9度の予想です。
そして朝の気温、札幌では氷点下1度まで下がるでしょう。
2015/03/18(水) 14:05〜14:55
NHK総合1・神戸
情報まるごと[字]
▽大規模災害に各国連携 日本の役割と課題は 【キャスター】小澤康喬,滝本沙奈,【気象キャスター】奈良岡希実子
詳細情報
出演者
【キャスター】小澤康喬,滝本沙奈,【気象キャスター】奈良岡希実子
ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 天気
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 1/0モード(シングルモノ)
サンプリングレート : 48kHz
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