iPhoneでテレビを観るために。TV SideView、MLPlayerDTV、torne mobileの3種比較
iPhoneでテレビを観るためにはnasne以外にも別途アプリを購入する必要がありますが、複数あってどれを選べばいいのかわからない人もいるのではないかと思いますので、そのあたりを解説。
※これらのアプリを使うためにはnasneが必要となります。
昨日書いた記事ではnasneのハードについてを主に解説し、視聴するためのアプリについては触れませんでした。
iPhoneで快適なテレビ視聴と録画をしたいならnasneを買うべし | reliphone
(一応↑こちらの記事の続きとして書いていますので、まだ読んでいない方は先に読んでやってください)
それぞれ特徴があり、できることが違ってきますので、比較をしつつどれを選べばいいのかについて語ってみようと思います。
TV SideView
Sony製のアプリ。
特徴としては全部入りで、まずはこれを買っておけばほぼすべての機能がカバーされるので、1本だけ選ぶとしたらコレ。
・視聴にはアプリ内課金500円が必要
・nasne以外のSony製ブルーレイレコーダーでも使える
・見やすい番組表
・予約ランキングで人気の番組がわかる
・録画予約対応
・録画番組持ち出し対応
・リモート視聴対応
・もくじでジャンプ機能あり
・DLNA対応テレビを再生デバイスとして扱える
・録画番組の削除対応
・Bluetooth不可
横向きの全画面にするためにはiOSの回転ロックを解除しなくてはいけない上に、360度どの方向にも回ってしまうのが難点です。
そのせいでiPhoneをベッドで横になって使うような場合に画面がくるくる回ってしまい全画面での表示が難しい。
せめて左右90度までにしておいてほしかったところです。
テレビ視聴しながらチャンネルを変えることができないのも大きな不満で、毎回番組表に戻って選局しなければならない。
もくじでジャンプ機能が便利で、チャプターごとに番組のコーナー情報が書いてあるので観たいシーンから直接再生できます。
↓こんな感じ。
再生中にもくじを出せないのは不満ですけどね。
ちょっと使いにくいところもあるけど、ひと通りの機能が揃ったアプリ。
1本で全部済ませたい人はコレ。
MLPlayerDTV
アルファシステム製アプリ。
汎用DLNAプレイヤーなので、パナソニックなどのブルーレイレコーダーにも対応しています。
基本的にテレビ特化ではなくDLNA全般で使えるためにコンテンツを整理して観ることができない。ファイルが増えると煩雑になりがち。
・追加課金は無し
・DLNA・DTCP-IP対応機器なら使える
・番組表は無し
・録画予約不可
・録画番組の持ち出し対応
・リモート視聴不可
・録画番組の削除不可
・Bluetooth音声出力対応
汎用性が仇となってメニューの階層が深くなってしまっていたり、録画したすべての番組がごっちゃに一覧で並ぶために、ファイルが増えると探すのが面倒。
階層の深さはちょっと面倒で、テレビを観るためには『サーバー→nasne→ビデオ→ライブチューナー→地上デジタル→NHK』と進まなければならないので不満。
しかし再生中のチャンネル変更は左にスワイプするだけでチャンネル一覧が表示されるために簡単で、録画番組のチャプター飛ばしも同様に使いやすい。
一番うれしいのは再生画面を横再生の全画面に固定しておけることですね。
転送済みの番組を観るのなら一番使いやすい。
多機能ではないが観ることに特化したアプリで、番組持ち出しと再生だけを快適にしたいならこれが一番。
SonyのアプリはBluetooth出力不可なので、BTヘッドホンを使いたい場合にはこれを選ぶこと。
録画予約などは他のアプリでする、持ち出し再生を快適に視聴したいならコレ。
torne mobile
SCE製のnasne専用アプリ。
nasne以外では使えませんが、特化したおかげで驚異のレスポンスの良さを実現しています。
・視聴にはアプリ内課金500円が必要
・nasne専用
・番組表がマッハ
・予約ランキングで人気の番組がわかる
・録画予約もマッハ
・録画番組持ち出し不可
・リモート視聴対応
・録画番組の削除対応
・Bluetooth不可
ネイティブコードで書かれたnasne専用チューニングにより、とにかく全体の動作がサックサクでヌルヌル。
再生までにかかる時間も他のアプリと比較してだいぶ速い。
番組表はずっと以前に消えてしまったBangumiというアプリが軽量で使いやすく、それを超えるものは出てこなかったんですが、torne mobileがはるかに凌駕しました。
TV SideViewも悪くなかったけど、これと比べるとまるで勝負にならない。
録画操作も一切待たされることなく、ボタンを押した次の瞬間には完了するので、専用のレコーダーを使うよりもはるかに速い。
番組表の軽快さと合わさり、快適っぷりは異常なレベル。
全画面再生で固定もできるし、再生中のチャンネル変更も画面下に一覧が出るので非常に使いやすい。
録画番組の再生中には画面下に1分・2分・5分間隔でのサムネイルが出せるので、シーンサーチがとてもしやすい。
もくじでジャンプが無いのは残念だけど、無くても問題が無いくらい。
重そうな処理なのにまったく重さを感じさせないのが本当にすごい。
iPhone6でテレビを観てるとアスペクト比がぴったりなんですけど、iPadだと上下が余ります。
torne mobileはそこもうまく活用していて、その隙間部分にシーンサーチだとかチャンネルリストを表示させるなど、感心すべき点が多いです。
残念なのは番組の持ち出しに対応していないこと。
これのせいで他のアプリと併用しなくてはいけない。
また他のアプリであればバックグラウンドに回ったときにイヤホンの再生ボタン(またはコントロールセンターの再生ボタン)を押すことでバックグラウンドでも音声だけ再生し続けることが可能なのですが、このアプリではできません。
これがとても残念ですね。
BTでの音声出力にも対応していません。
番組の持ち出しとバックグラウンド再生は今後のアップデートに期待しておきますが、BTは難しそう。
持ち出しが無いのは痛いですけど、視聴や録画などをするだけであれば他の追随は許しません。
安定性や軽快さは比較にならず、nasneが別ハードになったかのごとく快適に利用できまして、個人的に一番オススメしたいのはtorne mobileですが、ひと通りの機能が揃っているTV SideViewと比較すると機能面では不足しています。
持ち出し機能がないのは相当に痛手だが、基本操作は非常に高いレベルで行える。
もしnasneのポテンシャルを最大限に体験したいならコレ。
番組表は非課金状態でも使い勝手がわかるようにダミーデータが用意されていますし、テレビ視聴も1分間だけお試しができますので是非一度使ってみてください。
まとめ
まさかtorne mobileがここまで作りこまれているとは予想外で、これだけ情報量が多いアプリでもヌルヌル動かせるというのは本当に驚きでした。
多くの人はすでにTV SideViewを持っているであろうという状況の中、torne mobileが出たせいで「また金を払わせるのか」って怒る気持ちも分からなくはないんですけど、実際触ってみると全く別次元の作りですし、nasne専用だからこそ実現できたものだろうと感心する作りこみなわけで、「SCEもSonyなんだから別課金はせこい」なんて責めるのはちょっと違うかなーという感じ。
「はじめからtorne mobileを出しておいてくれ」というのは同意しますが。
どのアプリを買うべきかってのは一長一短あって1本に絞るのは難しいんですけど、とりあえずtorne mobileを買って、BTの有無や持ち出ししたい人は別のアプリも検討するって感じでしょうか。
torne mobileが持ち出し対応してくれれば個人的にはそれで満足なんですけどね。
しかしソフトが変わっただけでここまでハードに対する印象が変わるもんなんですねぇ。
画面遷移でまったく待たされないだけでここまで快適になるとは。
Windows用のソフトは3,000円するんですけど、「もう3,000円払うからtorne for Windowsを出してくれ!」ってくらいの気持ちです。
2万円ちょいで手に入るiPhoneでも快適なテレビ環境とNAS。
それ以上の価値があると自信をもってオススメしたい良ハードです。
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