(テーマ音楽)木の周りで祈りをささげる人々。
これこそ世界で初めて植物を描いた壁画だと言われています。
ブラジル北部のカピバラ山地。
1960年代ここで2万年前の壁画が発見されました。
その数実に3万点。
壁画を見れば2万年前の人々の生活をうかがい知ることができます。
人と人とのつながりは特に大切にされたモチーフでほとんどが2人以上の人を描いています。
家族で集めたハチミツを味わっている様子。
そしてこちらは家族で星を見つめているという場面です。
先史時代の人々が今と変わらない家族の喜びを求めていたことが分かります。
彼らが生活の糧を得ていた狩猟の様子も描かれています。
当時ここは川が流れ動物たちが集まる場所でした。
動物の角や牙を丁寧に加工した装飾品も出土しています。
壁画にもさまざまな動物が登場します。
一見単純な絵ですがよく見るとどれがどの動物かはっきりと分かるように描き分けられていました。
トカゲの絵で強調される指の数は今もこの地域に生息するトカゲと同じ5本。
先史時代からここに暮らすオマキザル。
現在も壁画と同じ親子の姿が見られます。
こちらはちょっと不思議な動物。
巨大なアルマジロが人をはじき飛ばしています。
実はこれは体重2tに及んだアルマジロの先祖グリプトドンを描いた絵。
グリプトドンは1万2,000年前の氷河期に滅びてしまいましたが壁画にその姿をとどめていました。
動物は先史時代の人々にとって貴重な食料源であり恐れる対象でもありました。
世界中に壁画の遺跡がある中で最も多く描かれるモチーフもやはり動物。
逆に植物の姿は全く確認されていませんでした。
ところが1970年代カピバラ山地国立公園で驚きの発見がありました。
植物の絵が見つかったのです。
それがこちら。
木を囲む人々の絵。
1万年以上前に植物を描いた壁画は世界でもここでしか見られません。
現存する世界最古の植物画。
人々が拝む木は聖なる木と考えられます。
現代まで受け継がれる植物崇拝は2万年前ブラジルで生まれたのです。
それは動物だけでなく生きとし生けるものへの畏敬の念を人が初めて持った瞬間でした。
2015/03/19(木) 04:15〜04:20
NHK総合1・神戸
シリーズ世界遺産100「カピバラ山地国立公園〜ブラジル〜」[字]
聖なる木の誕生 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
詳細情報
番組内容
聖なる木の誕生 ▽文化遺産 【語り】松平定知 【テーマ音楽】久石譲
出演者
【語り】松平定知
音楽
【テーマ音楽】久石譲
ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
ドキュメンタリー/教養 – 文学・文芸
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