おはようございます。
7時になりました。
初めは、チュニジアで起きた銃乱射事件です。
少なくとも2人の日本人観光客がけがをし、病院で手当てを受けています。
チュニジアの首都チュニスで、銃を持った男らが、博物館で観光客に向かって銃を乱射したあと、人質を取って立てこもり、外国人観光客17人を含む19人が死亡しました。
NHKのインタビューにこう答えたのは、事件に巻き込まれてけがをした結城法子さんです。
結城さんは、母親ののぶ子さんとツアーに参加していました。
事件は、チュニジアの首都チュニスで起きました。
現地のテレビ局が伝えた映像では、博物館から脱出したと見られる人々が、治安部隊が展開している建物に次々と駆け込んでいます。
中には、外国人観光客と見られる人々や、子どもを抱いて逃げる人の姿もあります。
現場となったのが、国立のバルドー博物館。
18日午後、銃を持った男2人が、バスから降りてきた外国人観光客らに向かって銃を乱射したあと、博物館に押し入り、観光客らを人質に取って立てこもりました。
その後、博物館を取り囲んでいた治安部隊が突入して2人を殺害しましたが、チュニジア政府によりますと、外国人観光客17人と、チュニジア人2人の合わせて19人が死亡したということです。
チュニジアのシド首相は記者会見の中で、死亡した外国人には日本人5人が含まれていると述べましたが、現地の日本大使館では、情報が錯そうしており確認を進めているところだとしています。
またチュニジアの保健省によりますと、これまでに38人がけがをし、けが人の中には、日本人も含まれているということです。
結城さんは、母親ののぶ子さんもけがをして病院に運ばれ、手術を受けたと話しています。
結城さんの病室にはシド首相が見舞いに訪れ、声をかけられると、涙を浮かべながら答えていました。
また結城さんが運ばれたのとは別の病院で、軽いけがをした日本人1人が手当てを受けたという情報もあり、現地の日本大使館は確認中だとしています。
事件が起きた北アフリカのチュニジア。
先月、世俗派政党とイスラム系政党の挙国一致の連立政権が誕生。
アラブの春の唯一の成功例といわれています。
しかし、最近ではイスラム過激派の活動が活発化し、過激派組織IS・イスラミックステートに、チュニジアから多くの若者が加わっているとも指摘されています。
チュニジアの首都チュニス。
事件が起きた当時は、ふだんよりも多くの外国人観光客が市内の観光に出かけていたということです。
チュニスにある日系の旅行会社の担当者によりますと、当時、港には2隻のクルーズ船が寄港していました。
乗客の一部は、バルドー博物館を含む市街地を巡るツアーに参加していたということです。
アメリカ国務省のサキ報道官は18日の記者会見でケリー国務長官の声明を読み上げました。
その上でサキ報道官は、チュニジア政府と連携し、情報収集を急ぐ考えを示しました。
今回の事件について、外務省邦人テロ対策室は、けが人に日本人が含まれていることは確認しているとしています。
また、チュニジアのシド首相が、死亡した外国人に日本人5人が含まれていると述べたと報道されていることについて、報道されたことは承知しているが、現在、真偽を確認しているとしています。
では、カイロにいる横田記者に聞きます。
横田さん、事件の背景について、ここまで分かっていることを伝えてください。
今のところ、犯行声明のようなものは出ておらず、はっきりしたことは分かっていません。
ただ、イスラム過激派によるものだという見方も出ています。
といいますのも、中東や北アフリカでは、過激派組織IS・イスラミックステートが、イラクやシリアだけではなく、リビアやエジプトなどでも影響を及ぼし始めています。
特にチュニジアからは、これまでにおよそ3000人の若者が、ISの外国人戦闘員となっています。
これはISに参加していると見られるおよそ90か国のうち最も多い数なんです。
チュニジアでは、こうした若者たちが国内に戻って、テロを起こすことに対する懸念が高まっていました。
多くの観光客が巻き込まれたこと、現地ではどのように受け止められているんでしょうか。
チュニジアでは、2002年にドイツ人観光客など21人が死亡した自爆テロ事件以降、外国人を狙った大規模なテロ事件というのは起きていませんでした。
多数の外国人観光客を狙った今回の事件について、地元メディアのほか、中東のメディアも大きく伝えています。
今回の事件を受けて、チュニジアのカイドセブシ大統領も緊急のテレビ演説を行い、今回の襲撃を強く非難したうえで、われわれはこのような残虐なテロを恐れず、戦っていくと国民に団結を求めました。
ただ、4年前のアラブの春の唯一の成功例といわれるチュニジアで、今回のような事件が起こったことは、大きな衝撃で、今後、こうした過激派対策をどのように進めていくのか、大きな課題となっています。
このチュニジアでの銃撃事件については、新しい情報が入りしだい、お伝えします。
きのう、秋田県仙北市の乳頭温泉郷で、源泉から湯を送る配管を調整していた3人が死亡した事故についてです。
警察や消防は、3人が現場のくぼ地で次々と倒れた状況などから、なんらかの原因でくぼ地にたまった硫化水素で中毒になったと見て、けさから現場検証を行うとともに、死因などを詳しく調べることにしています。
きのう夕方、仙北市の乳頭温泉郷で、源泉から湯を流す配管を調整していた土木建設会社の従業員、坂本榮さんと、羽根川次吉さん、それに仙北市職員の柴田政文さんが次々と倒れ、死亡しました。
現場は活火山の秋田駒ヶ岳のふもとにある複数の温泉郷が点在する所です。
仙北市によりますと、現場付近にはおよそ5キロ離れた田沢湖高原温泉郷の源泉があって、湯を流す配管が延びていました。
3人は、温泉のホテルから、温泉の量が減って、温度も下がったという連絡を受け、配管の空気を抜いて流れをよくする作業を行っていたということです。
3人が倒れたのは、画面で×印で示した辺りにあるくぼ地で、ここに荷物を置いていたということです。
一緒にいた市の職員の話では、土木建設会社の従業員の坂本さんと羽根川さんが倒れているのに、市の職員の柴田さんが気付き、助けようとした柴田さんも倒れたということです。
こうした作業や点検は定期的に行われていましたが、市によりますと、これまでに事故はなかったということです。
警察と消防は、3人が次々と倒れた状況から、なんらかの原因でくぼ地にたまった硫化水素で中毒になったと見て、けさから現場検証を行うとともに、死因などを詳しく調べることにしています。
川崎市で中学生が殺害され、少年3人が逮捕された事件で、18歳の少年が、凶器のナイフについて、17歳の1人から差し出され、現場で一時なくしたが、捜し出して返したと、具体的に供述していることが捜査関係者への取材で分かりました。
横浜地方検察庁はきょう、少年3人について、刑事処分相当などの意見をつけて家庭裁判所に送る方針です。
川崎市の多摩川の河川敷では、先月20日、中学1年生の上村遼太さんが首を刺されて殺害され、18歳と17歳の知り合いの少年3人が、殺人の疑いで逮捕されました。
これまでの調べで、リーダー格の18歳の少年は容疑を認め、上村さんに以前暴行したのを別のグループに告げ口され、頭にきていた。
呼び出して、最初は神社に行ったが、ほかの人がいたから河川敷に移動したと話しているということです。
さらに、凶器のカッターナイフについて、17歳の職人の少年から差し出され、上村さんを切りつけた。
その後、現場で一時なくしたが、捜し出して返したと、具体的に供述していることが、捜査関係者への取材で分かりました。
17歳の職人の少年は、殺害への関与に否定的と見られるほか、17歳の無職の少年は、18歳の少年に指示され、自分も切ったと供述しているということです。
横浜地方検察庁は、少年3人がいずれも事件に関与したと判断し、勾留期限のきょう、刑事処分相当などの意見をつけて家庭裁判所に送る方針です。
家庭裁判所は今後、審判を開いて少年らの処分を決めますが、16歳以上の少年が殺人事件を起こした場合は原則として検察に送り返すよう法律で定められていて、検察が起訴した場合には、大人と同じように公開の法廷で刑事裁判を受けることになります。
仙台市で開かれていた、国連防災世界会議は、最終日の昨夜、新たな防災と減災対策の指針を採択し、5日間にわたる会議を終えました。
新たな指針では、2030年までに、犠牲者の割合や経済的な被害などをこれまでより減らすことを目標とするなどとしています。
今月14日から開かれていた会議も最終日。
186の国の代表が参加し、各国が取り組むべき新たな防災や減災対策の指針について、議論が行われてきました。
この中では、発展途上国への支援の在り方や、気候変動の影響についての先進国の責任を明記するかどうかなどを巡って、途上国と先進国との間で意見が対立。
当初、きのうの午前中に予定されていた新たな指針の採択は大幅に遅れました。
意見がまとまったのは昨夜遅く。
全体会合で、新たな指針を採択するとともに、各国や国際機関が指針の目標の実現に向けて努力していくことを定めた仙台宣言を採択しました。
新たな指針には、災害による犠牲者の割合や被災者の数、経済的な被害など7つの項目について、2030年までに従来よりも減らすなどとする目標が盛り込まれました。
また、目標の達成に向けて、各国は災害のリスクを正しく理解し、事前の防災対策への投資を進めるとともに、復興にあたっては、より災害に強いまちや社会をつくることに優先的に取り組むとされました。
さらに、防災や減災対策を進めるうえで、女性の活力を活用することや、民間企業やNGOとの連携が重要だと、初めて位置づけられました。
一方、途上国は気候変動の影響について、先進国に一定の責任があると指針に明記するよう求めましたが、先進国側の反対によって見送られました。
また、7つの項目についても当初、検討されていた具体的な数値目標は盛り込まれませんでした。
この10年間、世界の災害の犠牲者の多くが途上国に集中し、今回の会議の期間中も、猛烈な勢力のサイクロンによって、南太平洋の島国バヌアツが深刻な被害を受けました。
今後、日本を含めた各国が連携して、途上国の防災対策の強化に向けて、どれだけ具体的な対策や支援を打ち出していくことができるかが問われることになります。
自民、公明両党が、安全保障の法整備に向けた具体的な方向性で実質合意したことを受けて、政府は法案化を急ぐことにしています。
結論が先送りされた、恒久法に基づいて外国軍隊への後方支援を行う際の国会承認の在り方などを、条文としてどう規定するかが焦点となる見通しです。
自民党の高村副総裁と公明党の北側副代表がまとめ、きのうの与党協議で実質合意された安全保障の法整備に向けた具体的な方向性の案では、公明党が求めてきた、国際法上の正当性などの3原則を前提に、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備するとしています。
そして焦点となっていた、国際社会の平和と安全のために活動する外国軍隊への後方支援については、自民党の主張に沿って、恒久法を新法として整備することが盛り込まれる一方、支援の対象となる活動は、公明党の主張に配慮して、国連決議に基づくものであること、または関連する国連決議があることとしました。
ただ、今回の案では、恒久法で、公明党が、例外なく国会の事前承認を必要とすることを求めていた国会の関与の在り方について、国会の事前承認を基本とするとし、公明党の北側氏は、事前承認の度合いをどうするかは、今後の検討課題だと指摘しました。
また、集団的自衛権の行使でも、武力行使の新3要件によって、新たに武力行使が可能となる新事態の名称と定義は、武力攻撃事態対処法に明記するという表現にとどまりました。
さらに、周辺事態法の改正で、後方支援に地理的な制約がないことを明確にするため、周辺事態に代わって用いられる、わが国の平和と安全に重要な影響を与える事態に対しては、公明党からあいまいだという指摘が出ています。
政府は、与党の実質合意を受けて法案化を急ぎ、来月中旬までには与党側に提示したいとしていますが、結論が先送りされた国会承認の在り方や、新事態の定義などの論点を巡って、条文としてどう規定するかが焦点となる見通しです。
住宅地の価格が都心部を中心に上昇しています。
ことしの地価が公示され、東京、大阪、名古屋の3大都市圏では、住宅地と商業地の全体平均が、ともに2年連続で上昇しました。
特に注目されるのが、東京23区です。
住宅地の需要が根強く、すべての区で上昇を続けていて、中でも都心部の区では高い伸びとなっています。
こうした地価の上昇は、住宅などの販売価格を押し上げています。
住宅地、商業地とも2年連続で地価が上昇した関東南部を中心とする東京圏。
住宅地のうち、大きく伸びたのが東京・中央区や港区。
東京オリンピック・パラリンピックに向けた開発などへの期待感から、最大で9%から10%余りと、大幅な伸びとなっています。
高級マンションが多く立ち並ぶ南麻布です。
今回の地価公示で、東京で上昇率が最も高い値となりました。
上昇率が東京圏で最も高い11.2%となった、東京・港区南麻布。
富裕層や外国人投資家によるマンション需要が集中しました。
去年、首都圏で発売されたマンションの平均価格は5060万円と、前の年に比べて2.7%上昇しました。
地価の上昇に加え、円安による輸入資材の高騰や人件費の高止まりも加わって、販売価格を押し上げたためです。
一方、去年の発売戸数は4万4913戸で、20.5%減少しました。
消費増税の影響などで、消費者の購買意欲が鈍り、さらに販売業者も売れ残りを懸念して、供給を絞ったためです。
地価が上昇する中、マンションを売るためには価格を抑えるしかないと、販売会社はさまざまな工夫を凝らしています。
新しいキッチンに広々としたリビング。
都心から少し離れた東京・江戸川区のマンションです。
このマンション、実は築20年余りの中古です。
住宅メーカーが1棟丸ごと買い取り、大規模な改良工事を行うことで、性能を高めたり、価値を向上させたりするリノベーションを行いました。
広さおよそ56平方メートルの部屋の販売価格は、2000万円台後半から。
一方、経費を大幅に削減して、低価格を実現したマンションもあります。
不特定多数の人に配るチラシなど、一般的にマンションの販売価格のおよそ5%は広告宣伝費とされています。
この販売会社では、チラシの配布をマンション購入の勉強会の参加者に絞ったり、パンフレットを自社で製作したりして、広告宣伝費を削減。
さらに、コンピューター上でバーチャルなモデルルームを公開。
実際のモデルルームの建設費や賃料なども削りました。
その結果、都内でも人気の東急東横線都立大学駅から徒歩9分にある1LDK中心のマンションの販売価格は2000万円台から。
周辺の相場より10%程度安く設定でき、完売したということです。
経済部の寺田記者です。
寺田さん、この住宅やマンションの販売価格を抑えようという動きは広がってるんでしょうか。
VTRで紹介した、リノベーションや販売経費の削減だけではなく、例えば、収納や浴室などの面積を少しずつ狭くして、物件自体の面積を小さくしたりですとか、工場であらかじめ柱やはりを作って、現場で組み立てるといった方法で、工事の期間を短くしたりして、価格を抑えているところもあります。
しかし、住宅メーカーやマンションの販売業者は、こうした工夫にも限界があると話しています。
そうですね。
そして気になるのは、今後なんですが、都心部の地価や販売価格、見通しはどうなるんでしょうか。
専門家は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで都心部も含め、都内で地価の上昇傾向が続き、さらには建築コストもかさんで、販売価格の値上がりが続くのではないかと見ています。
このような状況だと、消費者の購入意欲が薄れ、住宅やマンションの販売数が減少しかねません。
販売数の増加には、消費者の所得が上昇して、購買意欲が高まることが不可欠だとしています。
ことしの春闘では、大企業を中心に、大幅な賃上げの回答が相次いでいます。
こうした動きが中小企業にも広がって、幅広い世帯で所得が上がり、住宅の購入の動きにつながるかどうか、今後、注目していきたいと思います。
経済部の寺田記者でした。
では次です。
地下鉄の車内に猛毒のサリンがまかれ、13人が死亡、およそ6300人が負傷した地下鉄サリン事件から、あすで20年になります。
事件の風化がいわれる中で、サリン事件の被害者と事件を知らない若い世代の間で、交流が始まっています。
武田学さんです。
通勤途中の地下鉄の車内で、サリンの袋を間近に見ました。
武田さんは、目に違和感を感じて病院に行ったところ、サリン中毒と診断されました。
当たり前のように毎朝乗っていた電車で、事件に巻き込まれるとは思わなかったといいます。
目の違和感など、被害の影響は20年たつ今も続いています。
こんにちは。
武田さんのように、サリンの被害に遭った人たちの支援を行っているNPOです。
NPOは毎年、1200人の被害者を対象に、体や心の状況の変化についてアンケートを行っています。
年々、事件の風化を心配する声が増えているといいます。
事件のことを覚えてる人が少なくなったと。
最近、NPOには手紙が届くようになりました。
東日本大震災の被災地からでした。
被災地の学生たち50人以上から届いています。
私の場合は自然災害でしたが、サリンは人間が起こした事件です。
消えることのない傷を負ったと思います。
きっかけは、被災地で広がっているある取り組みです。
震災で支援を受けた学生たちが、自分も支援する側に回りたいと、ボランティアやNPOの活動を学んでいます。
その中で、サリンの被害についても知るようになったのです。
学生たちは、突然、日常の生活を奪われたみずからの経験を事件と重ね合わせて手紙を送っているといいます。
石巻市の高校生が寄せた手紙です。
自分も震災で母を失ったので、被害者の皆さんのつらい思いはよく分かります。
この手紙を送った高校1年生の牧野大輔さんです。
震災が発生したとき、小学6年生でした。
母親のまりこさんは、勤務先の病院で患者を避難させようとしていたところ、津波に巻き込まれました。
牧野さんは、震災で経験した思いを、サリン事件の被害者の人たちと共有してみたいと感じるようになりました。
この日、サリンの被害に遭った武田さんが、高校生の牧野さんにお礼の気持ちを伝えようと、連絡を取りました。
事件が忘れられていくのではないかと感じていた武田さん。
印象に残る牧野さんのことばがありました。
地下鉄サリン事件を知らない若者に、初めて経験を語った武田さん。
20年たった今だからこそ、伝えていく大切さを感じたといいます。
事件の被害者と被災地の若者たち、風化をいかに防ぐかという共通する思いを持ちながら、交流を進めているんですね。
そうですね。
サリン事件の被害者の支援を行うNPOでは、今後さらに、被災地の若者たちと交流していきたいと話しています。
さて、今、製造業で注目されている第4の産業革命。
その実現に向け、世界で動きが出始めています。
こちら、ご覧ください。
蒸気機関、電力、コンピューター、それに続くのが、この第4の産業革命です。
膨大なデータを人工知能で管理することによって、製造現場の高度な自動化を、将来目指そうというものです。
第4の産業革命に向けた動きが出ている中、日本でもものづくりを進化させようという取り組みが始まっています。
広島県に本社がある自動車メーカーです。
今、ある取り組みを強めています。
エンジン工場のさまざまな工程で、燃費の向上に向けて膨大なデータを集めているのです。
例えばエンジンの一部を作るこの工程だけで、穴の直径や部品の厚さ、表面の状態など、少なくとも300項目のデータを集めます。
データの精度は品質の基準をはるかに上回っています。
さらに、これまでは人の目で確認してきたシリンダー内部の状態も、データとして集めることにしました。
シリンダーの内部に細かな傷などがあると、僅かに空気が漏れて、エンジンの燃焼効率を落としかねません。
そのため、レーザーを使った最新の検査装置を導入。
表面の滑らかさの精度をさらに高めることで、燃費性能を追求しています。
このメーカーでは、工場の生産工程だけでなく、将来は街を走る車からも、実際の燃費のデータを集めたいとしています。
こうして集めたビッグデータを分析し、次世代のエンジンの開発や生産につなげようとしているのです。
熟練の技能のデジタルデータ化に取り組む生産現場もあります。
石油のプラントなどに使うバルブを手がける新潟県のメーカーです。
熟練の技術者が、特注品のバルブを一つ一つ手作業で作っています。
アメリカの企業の傘下に入ったこのメーカー。
去年12月、最新鋭の金属3Dプリンターを導入しました。
3Dプリンターにバルブを作らせようという試みを始めています。
この方法を世界各地の工場に展開すれば、手作りで時間がかかるバルブの生産を一気に広げることができると考えています。
3Dプリンターは、設計図のデータを入力すれば、自動で部品を生産できる装置です。
しかし、熱処理を行うと、完成した試作品は設計図どおりにはなりません。
熱を加えることで、金属が100分の1ミリ単位で変形するからです。
40年以上のキャリアを持つ田代為常さん。
扱う金属は50種類以上。
田代さんは、その種類や形状の違いで、熱処理によってどの程度変形するかが経験で分かるといいます。
田代さんは、3Dプリンターで物を作るために、みずからのノウハウを伝えています。
メーカーでは、熟練技能を単にデータに置き換えるのではなく、それぞれを融合させることで、競争力を高めたいと考えています。
経済部の峯田記者とお伝えします。
新たなものづくりの現場を見てきましたが、一方で、第4の産業革命に向けて世界的な競争が始まろうとしているということですよね。
日本の現状はどうなっているんでしょうか。
第4の産業革命では、データが欠かせません。
このため、先ほど紹介しましたけれども、自動車メーカーの取り組みはその布石とも位置づけられそうなんです。
一方で、海外では有数の工業国でもあるドイツなどが、第4の産業革命に力を入れています。
このため、経済産業省では、去年12月に審議会を立ち上げて、実現に向けた検討に乗り出しています。
日本の製造業の競争力を失わせないためにも、付加価値の高い製品を効率よく作れるよう、ものづくりを進化させる必要があるというふうに思いました。
そうなんですね。
ただ、自動化や効率化が進んでいきますと、ものづくりの現場で仕事がなくなるといった、いわゆる雇用の心配っていうのも出てきますよね。
はい。
そうした懸念というのは、実際にあるんです。
ただ一方、ものづくりの担い手が、より高度な製品の開発や生産に当たることができるという見方もあるんです。
日本では、少子高齢化による今後の人手不足への懸念というのもあります。
そこで第4の産業革命を自動化だけではなくて、ものづくりの担い手の技術力を高めることにもつなげて、日本のその製造業を強くすると、その実現に向けた取り組みを、強める必要があるのではないかというふうに思いました。
経済部の峯田記者とお伝えしました。
では続いて気象情報です。
東京、きのうはぽかぽか陽気になりましたね。
けさはどんな様子でしょうか、渡辺さん。
けさも全国的に気温が高いんですよ。
こちら、東京・渋谷、ちょっとこの春物のコートだと、ちょっとひんやりとするんですが、それでもこの時期としては各地、高い気温で、暖かな空気に包まれています。
このあと、日中も気温の高い所が多いのですが、湿度見ますと、かなり高くなってますよね。
未明まで、こちら、雨が降っていました。
ちょっと空、見てみましょう。
このあとも雨が、実は降ったりやんだりします。
きょうは九州から東北にかけて、広く雨になりそうです。
この時間、すでに九州から東北、広く雨が降っていますね。
特に九州では雨足が強まっている所もあります。
今後の予想を見ていきましょう。
このあとも九州や西日本の太平洋側、昼ごろまで雷を伴って雨、激しく降る所がありそうです。
このあと動かしましょう。
いったん雨が上がっている関東地方も午後から再び降りだしそうです。
そして午後3時以降は、次第に雨雲、東へと抜けていきますが、関東地方は夜にかけて少し雨の残る所もありそうです。
さて、きょうは積雪の多い地域でも雨が降りますので、雪崩が大変起こりやすくなります。
現在、なだれ注意報が中国地方から北海道南部まで広く発表されています。
雪どけによる土砂災害や、川の増水にも十分注意するようにしてください。
では、きょうの全国の天気です。
お伝えしていますように、チュニジアの首都チュニスで、銃を持った男らが、観光客に向かって銃を乱射したあと、人質を取って立てこもり、外国人観光客を含む19人が死亡しました。
チュニジアのシド首相は、死亡した外国人の中に日本人5人が含まれていると述べていて、現地の日本大使館で確認を進めています。
チュニジア政府によりますと、この事件で、外国人観光客17人と、チュニジア人2人の合わせて19人が死亡したということです。
チュニジアのシド首相は記者会見の中で、死亡した外国人の中に、日本人5人が含まれていると述べていて、現地の大使館で確認を進めています。
またチュニジアの保健省によりますと、これまでに38人がけがをし、けが人の中には、日本人も含まれているということです。
2015/03/19(木) 07:00〜07:45
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]
秋田県の乳頭温泉郷で3人死亡。最新情報を▼都心の住宅地で地価が大幅に上昇する中、マンションを安く提供する取り組み▼テニス錦織圭選手ツアー大会4回戦の結果を速報で
詳細情報
番組内容
秋田県の乳頭温泉郷にある源泉付近で作業員と市の職員あわせて3人が死亡しました。最新情報をお伝えします▼東京都心部の住宅地では地価が大幅に上昇しています。2020年の五輪を控えマンション需要が高まる背景と、少しでも安くマンションを提供しようとする取り組みを紹介します▼テニスの錦織圭選手がツアー大会の4回戦で世界ランキング12位のロペス選手と対戦します。結果を速報でお伝えします。
出演者
【キャスター】阿部渉,鈴木奈穂子,【スポーツキャスター】西堀裕美,【気象キャスター】渡辺蘭
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ニュース/報道 – 定時・総合
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