イエ〜イ!1995年に起きた阪神・淡路大震災。
6,434人の命がうばわれました。
(秒針の音)
(会場アナウンス)もくとう。
阪神・淡路大震災から20年。
追悼の集いでは大切な人を亡くした人々の祈りが続いていました。
この日神戸市内の小学校で震災の特別授業が行われていました。
震災で1歳半の息子を亡くしました。
息子への思いを胸に防災の原点「命の大切さ」を伝えたいと願う母親からのメッセージです。
(たかい)ほら将くんです。
こんにちは。
あの日たかいさんは将くん優ちゃん双子のきょうだいと一緒に古い木造の家の2階で寝ていました。
地震で屋根が崩れ落ち将くんだけが重いタンスの下敷きになりました。
何とか救い出し病院に駆け込みました。
冷たいままだったらそう思わないんだけどあったかくなったから絶対絶対生き返ってくれるって。
それで何度か先生が来てくれた時に「これ以上心臓マッサージを続けても絶対に動きません」と。
「けがした人がどんどんどんどん運ばれてくるから治療をすれば助かる人がいっぱいいるからこの将くんが寝てる廊下のその場所を助かる人のために空けてあげて下さい」って言われた時にもうそれ以上はやってほしいって言えなかったんですね。
それでやめたんですけど…なぜ息子を守れなかったのか。
たかいさんは自分を責め続けました。
幼稚園の入園式では将くんの遺影を持って大泣きしてしまいました。
悲しみの中で優ちゃんの成長も喜べない日々が続きました。
将くんの事を忘れてほしくない。
幼稚園では何でも2人分用意しました。
(たかい)名前も優ちゃんと将くんの名前を。
双子だから一緒に育ってきたから将くんのためにも何かできるかなと思って作りました。
そんなたかいさんが少し前向きになれたのは周りの人の支えでした。
幼稚園では将くんを思い続けるたかいさんのためにお誕生日カードや卒園証書など将くんの分も黙って用意してくれたのです。
(たかい)何かこの卒園証書をもらった時に本当にうれしくて一人ですご〜くすご〜く号泣していて…たかいさんは子供たちとの日々をずっとビデオに記録していました。
しかしつらくて一生見る事はないと思っていました。
2011年東日本大震災をきっかけに息子を亡くした人生に向き合おうと思ったたかいさんは思い切ってビデオを見る事にしました。
ア〜ッ。
(たかい)あっできた。
おめでとう!ウフフ。
(笑い声)見るとつらくて泣いてしまうと思っていたビデオ。
しかしたかいさんは笑顔でした。
見ててどうだった?かわいかったでしょ?すごいかわいかったでしょ?で何かすごい幸せそうだったでしょう?だから私見た時にあっそうだ私には優ちゃんと将くんと幸せだった時間があったんだって何かうれしくなったの。
そんな思いをたかいさんは歌にしました。
幸せだった子供たちとの日々を支えに笑顔で生きていく。
たかいさんの強い気持ちが込められています。
震災から20年。
成人式を迎えた将くんへのプレゼントです。
(たかい)将くんが死んじゃった事は今でも悲しいけどでも歌にもある「あなたたちとの思い出が」っていうのが心の支えになったっていうのはビデオを見てからは将くんを思う時に楽しい気持ちになれたの。
笑顔でいたいなって思ったし頑張ろうって思えるようになったのね。
おうちに帰ったらお父さんかお母さんに一回ギューッて抱きしめてもらって。
恥ずかしい?ウフフフフフ。
じゃできる人。
(生徒)やられてるもん。
(たかい)やられてるんだ。
あ〜そっかお母さんにやられてるんだ。
じゃあもう一回お父さんとかお母さんにギューッてだっこしてもらって。
その時あったかいから。
で心臓がドキドキッてするのが伝わってくるから。
さっき言ったみたいに死んじゃったら冷たくなっちゃうの。
心臓のドキドキも聞こえないの。
お父さんとお母さんにとってはみんなの命がなくなったら私がつらかったのと同じようにみんなつらいし例えば隣にいるお友達も誰かの子供なんだよね。
そういう事も考えて生きていってほしいなって思います。
いなくなっちゃってからじゃね後悔ばっかりでつらいから…
(たかい)私と同じように悲しんだりしないために生きて下さい。
何かつらい事があっても生きてほしいです。
・「この笑顔の向こうに」授業の最後命の大切さを胸に刻んだ子供たちはたかいさんに歌を届けました。
将くん優さんのためにたかいさんが作った「笑顔の向こうに」です。
(ノックアウトくん)高橋さん。
はい。
ちょっとつくえの中を見てくれます?画用紙とペンですね。
そうスケッチブック。
2015/03/19(木) 09:30〜09:40
NHKEテレ1大阪
学ぼうBOSAI 阪神・淡路大震災 いのちのリレー▽震災遺族 たかいちづさん[解][字]
「阪神・淡路大震災 いのちのリレー」。主人公は、震災で息子を亡くした母親のたかい ちづさん。悲しみの中で高井さんは、息子のことを語り続けることで生きる力をえた。
詳細情報
番組内容
「阪神・淡路大震災 いのちのリレー」。主人公は、震災で息子を亡くした母親のたかい ちづさん。兵庫県西宮市の実家で、1歳半になる双子の子どもと寝ていたが、将くんだけがタンスの下敷きになって亡くなった。息子を救えなかった自分を責め、悲しみのため生き残った娘も愛せない日々。そんな高井さんの生きる力となったのが、亡くなった将くんのことを語り継ぐことだった。1月17日に行われた小学校での特別授業を伝える。
出演者
【出演】たかいちづ,【語り】北郷三穗子
ジャンル :
趣味/教育 – 幼児・小学生
趣味/教育 – 中学生・高校生
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
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日本語(解説)
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