生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは「くらしきらり解説」です。
ニュースをお伝えしたためこの時間からのスタートです。
きょうは30回成功ここまできた国産ロケットというテーマです。
ここのところ国産ロケットの打ち上げが連続して成功しています。
担当は室山哲也解説委員です。
室山さん順調なんですね。
室山⇒順調です。
この間の打ち上げの様子です。
2月の初め打ち上げに成功しました。
一日順延したんですけれど当日は非常に晴れていて、2500人の見学者の中で打ち上がったということです。
打ち上げもとても安定していたということです。
こうして国産のロケットを打ち上げるというのはどういう意味があるんでしょうか。
私たちよく宇宙開発と言いますけれど大きく2種類あります。
1つは火星だとかはやぶさのように深宇宙のほうに行っていろんなものを調べる宇宙開発もう1つは地球の周りを回って地球の社会と連動するものきょうは後者の話です。
宇宙開発は私たちの生活と密接に関係してきています。
地球が狭くなっていろんなことが起きます。
そういう情報が通信衛星とか放送衛星を使って駆け巡っているわけです。
お天気衛星もそうですしカーナビのようなGPSもそうです。
地球環境が変わりますので地球関係と関わるような衛星とか続々とそれがなくては成り立たないんですけれどそういう衛星は自分で飛んで宇宙に行くのではなくてロケットで運ぶんです。
運ぶためのものがロケットなんですね。
ロケットがないと宇宙時代がこないということで今回は国産衛星が成功回数が30回になったということで1つの区切りになったということなんです。
成功の確率というのはどうなんでしょうか。
日本の国産衛星のライバルはいろいろありますけれど成功率で見ますとロシア、中国を抜いて欧米と同じぐらいまできています。
世界水準まで成長したと言えると思います。
成功率というと一人前なんですけれどまだ課題があります。
ロケットを打ち上げるのは安く、確実に上がらなくてはいけません。
打ち上げコストの問題です。
コスト面で見ますとロシア、中国は安いんです。
日本もそれに比べると高くなっています。
欧米が高いように見えますけれどアメリカは民間の打ち上げが70億円から115億円と安くなっています。
ヨーロッパも高いように見えますけれどこれは大型のロケットで大型衛星2機が入ります。
ダブルですから同じぐらいです。
プラス欧州の場合は載せる衛星の負担を軽減するサービスが充実しています。
日本の先をいっています。
コスト面でいいところまできていますけれどもう少しだということなんです。
打ち上げ回数を見てみますと日本は31回で2003年に1回失敗していますけれどほかの国を見ますと打ち上げ回数が多いですね。
ロケットは打ち上げてなんぼなんです。
いいところまできていますけれどたくさん打ち上げて安定性を増していくと信頼性ができていろんな打ち上げてくれよという受注が来たりします。
やっているとだんだん技術が成熟していくといいます。
まだ課題があるということなんです。
こう見てみますと安いものがありますから買えばいいと思いますけれどなぜ国産が必要なんでしょうか。
外国に衛星を打ち上げてもらえればいいんじゃないかという考えもあると思います。
日本にとってとても大切な衛星を今打ち上げたいというときにほかの国に頼むとスケジュールで左右されますので待ってくれということになります。
最近は安全保障上重要な衛星が出てきていますので自分のタイミングで上げたいということがあります。
いっぱい持っている国にとっては必要なことなんです。
国産ロケットを開発するときにロケット開発のいろんな技術民間の技術と連動して宇宙産業を育てて経済的に充実した社会を作ることもありますし新しい技術がそこで生まれたりすることもあります。
ロケットを打ち上げたりするのはお金がかかりますので国の財源だけで不足している部分自立したビジネスというものが成り立って両輪で宇宙開発を展開していけるということで国産ロケットはぜひ必要だということなんです。
ビジネスという話もありました。
世界のロケットの競争はどうなっていますか。
ロケットの打ち上げビジネスというのは、衛星を打ち上げるということは衛星放送、通信衛星の大型衛星が対象です。
2014年を見ますとアメリカロシア、欧州でやっています。
日本の名前がないんです。
テレサットが成功しましたので2015年に日本の名前が入ってくる可能性もあります。
こういう強い国と戦って勝ち抜いていかなくてはいけません。
勝つためには発注があったときにいつでも打ち上げられるような体制です。
以前は種子島の近辺の漁業との関係で打ち上げ時期が決まっていました。
2011年以降はいろんな交渉と安全性が増して通年で打ち上げが可能になりました。
H2Aのこれからの打ち上げの頻度を高めていきつつ今後この今後のロケット開発にも対応しなくてはいけません。
世界の人工衛星は大型化と小型化と2極分解しています。
通信衛星はどんどん大型化しています。
地球環境衛星は小型のものがいっぱい上がるという時代になっています。
それに対応しなくてはいけません。
ポストH2Aは大型化にしてエンジンをシンプル化してパワーアップする。
いいところばかりですね。
これをやりながら100億円の打ち上げコストを半減させるのを目標にして開発中です。
小型衛星を打ち上げるほうで言いますとイプシロンロケットを開発していまして一度打ち上げています。
固体燃料のロケットは人工知能を搭載したモバイル管制というんですけれど非常に頭のいいコンピューターを搭載しています。
人間の頭でチェックしていたような仕事を自分でチェックできます。
合理化してお金がかからなくしています。
パソコンが1台あれば打ち上げができるような本当に簡単な打ち上げを目指すような開発をしています。
このようにしていきますと打ち上げコストも30億円台にいくというようなことで大型化も小型化も対応できる品ぞろえをして世界から受注を受けられるようなロケットを造っていこうという動きがあります。
欧米は同じようにこのようなことをしています。
ライバルと戦い抜くためにはこれを早く充実させていくことです。
まだまだこれからいろんな課題があって発展する見込みのある分野ですけれど今後国産ロケットどうなっていくんでしょうか。
こういう時期に、もう一度日本が何のために宇宙開発をしているのかということを考え直したほうがいいと思います。
それをちゃんと確認すること。
基本的には私たちの生活を豊かにしていくためにあるんだということです。
地球環境をウォッチしたり充実した情報を提供したり増していくわけですけれど国際衛星を打ち上げるとはアジアの国々に貢献できるということがあります。
GPSのようなものを打ち上げるとほかの国もそれを使って防災に役立てたり環境衛星で地球環境がどのようになっているかということを見たりそういうことができますので日本やアジアへ日本が打ち上げたロケットでアジアに貢献することがあります。
そういうことを失わないでほしいと思います。
3月26日に次の打ち上げがあります。
これで成功すると30回が31回になります。
地道に実績を積み上げていってほしいと思います。
ぜひ成功を期待したいと思います。
室山哲也解説委員でした。
この番組では皆さんからのご意見・ご質問を募集しています。
こちらまでお寄せください。
2015/03/19(木) 10:10〜10:20
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「30回成功!ここまできた国産ロケット」[字]
NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…室山哲也,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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