そして触れられてしまうわけですから。
そのうち、テレビ越しに皆さんと握手できる日もくるかもしれませんしね。
握手といえばこういった子たちにも。
テレビの中で会うだけじゃなくて
(悟)本物って何ですか?わしにとっちゃあの三級の酒が本物じゃ!仲間を裏切って帰国したわしを…最初に許してくれたんがあの酒なんです!
(政春)みんなに飲んでもらえるような安うてでもうまい三級ウイスキー造って売り出そう思うんじゃ。
へじゃこだわっとった一級酒は?もちろん造り続ける。
(エリー)前向き?ゆうべわしゃ叔父さんに随分失礼な事言うてしもうたのに全く気にする様子もなしに…。
マッサンウイスキーの事になるといつも前向き。
特別な事じゃない。
叔父さんだけじゃのうてこの家の人は…。
エマちゃんも。
うん。
そう。
チャレンジ&アドベンチャー。
何事にも挑戦し冒険する。
それが私たち家族の合言葉。
チャレンジ&アドベンチャー。
そう!完璧!・
(足音)エリー!悟!どうした?ええけん早う!早う!悟も!こちらになります。
(千加子)悟!お母ちゃん。
(泣き声)お母ちゃん。
(泣き声)お帰りんさい。
ご苦労さまでした。
(泣き声)ただいま。
(泣き声)・「大好きな人々大好きな明け暮れ」・「新しい『大好き』をあなたと探したい」・「私たちは出会い私たちは惑い」・「いつか信じる日を経て1本の麦になる」・「空よ風よ聞かせてよ私は誰に似てるだろう」・「生まれた国育つ国愛する人の国」・「麦は泣き麦は咲き明日へ育ってゆく」マッサンが三級ウイスキー造りの準備を始めた日広島から政志と千加子がやって来ました。
何でわざわざ北海道まで?あんたがいつ広島に帰るかまだ分からん言うけんうちゃもうしびれが切れて…。
ほしたらお父ちゃんが一遍政春のウイスキー工場を見てみたい言いだしてから。
何で電話くれんかったんじゃ。
(俊夫)小樽まで迎えに行きましたのに。
(政志)お前らの事をの驚かしちゃろう思うたんじゃ。
(笑い声)よう言うわ。
年寄りは無理すな言われるけん北海道行く事も内緒にしとけ言うたくせに。
ハハッ…じゃけんど悟よう生きて帰ってくれたのう。
はい。
これからの事はゆっくりと考えりゃええけぇ。
はい。
(俊夫)いや〜新型爆弾が落とされたいうて聞いた時はもうどうなっとるんか思うて電報来るまでヒヤヒヤしとりましたがお二人ともようご無事で!蔵も親父らも無事でいや〜ほんまにえかった。
息子が一人前になっとらんのにくたばれるか。
あっち行ってもお母ちゃんに合わせる顔がなぁわい。
何を言うとるんじゃ。
わしゃとっくに一人前になってしっかりやっとるわ。
うん。
でもこがぁな大きい工場もあってこがな立派な家に住んでほんま大したもんじゃ。
お父ちゃんもこれで安心したじゃろ?え?あ?
(笑い声)
(俊夫)いやいや…お坊ちゃまは今役場に頼まれて戦争で家や身寄りをなくした人らの仮住まいも引き受けとりんさるんです。
へえ〜すっかり町の名士なんじゃね。
いや…そがな事は…。
(千加子)エリーさんも戦争中はいろいろ大変じゃったじゃろう?よう政春と一緒におってくれたのう。
ほんまにありがとう。
私がマッサンのそばいるのは当たり前。
私は亀山エリーです。
あ痛っ!こりゃ一本取られたわ。
(笑い声)へじゃ早速じゃが工場見学さしてくれ。
もうか?一休みしてからの方がええんじゃなぁですか?はい。
今お茶入れ直してきます。
もうええええ…。
気ぃ遣わんでええて。
ほら早う!政春案内せえ!もうこのごろはえらいせっかちなんよ。
まっ年取りゃ誰でもほうなんじゃろうけど。
これ!人を年寄り扱いすな。
あっへじゃその前にわしの嫁と義理の親父紹介さしてつかぁさい。
聞いとるど。
えらいべっぴんもろうたそうじゃのう。
(俊夫)何でそがな…。
のう?ハハハッ…。
北海道の事はすみれがよう教えてくれるんよ。
すみれお嬢さんが?エリーさんからの手紙が届く度に嫁ぎ先からわざわざ戻ってきてのうわしらに教えてくれるんじゃ。
エリーさんが!?俊夫さん念のために言っときますけど私はスパイではありません。
(笑い声)こりゃまた一本取られました!
(笑い声)ああご苦労さまです。
ご苦労さまです。
ご苦労さまです。
自分が建てた工場を見て父政志が何を言うのかマッサンは少し緊張していました。
ここがウイスキー工場の心臓部蒸留棟じゃ。
あの釜がポットスチルでがんす。
あのキュ〜ッと曲がった首はスワンネックいうてスコッチウイスキー独特の曲線じゃそうです。
しめ縄じゃのう?
(俊夫)はい!正月ごとに神主様に取り替えてもろうてます。
(政志)うちのとそっくりじゃ。
(笑い声)尊敬する旦那様の酒造りの精神を忘れんためにお坊ちゃまは広島の蔵と同じように。
いやわしゃ親父のまねをした訳じゃ…。
(俊夫)てれる事はなぁでしょうが!息子が父親を手本にする。
当たり前の事でがんす。
ポットスチルか。
立派なもんじゃのう。
はい!穏やかな父の顔を見てマッサンは少しだけホッとしました。
へじゃ兵隊や軍属として戦争に行った蔵人はほとんどが帰ってきとらんいう事でがんすか?ほうなんよ。
勝も学校の先生になってしもうたし。
へじゃ親父酒の仕込みや摺りは?去年までは杜氏と戦争から戻ってきた蔵人らでなんとかやれたみたいじゃけど杜氏ももう年じゃし今年はどうなる事やら…。
な〜にわしの目の黒いうちはまだ大丈夫じゃ。
悟も帰ってきてくれたしのう。
うちの事よりお前らの方はどうじゃ?ええ?この不況でウイスキーはパッとせんのじゃろう?実は…今まで造ってこんかった三級ウイスキーを造る事にしたんじゃ。
三級酒を?ああ。
今の日本人を元気づけられるんは安うてうまいウイスキーじゃいうて悟に教えてもろうてのう。
悟に?ああ。
いやわしは…。
じゃけんせっかく余市まで来てもろうていろいろ案内したいんじゃが…。
わしらの事は気にせんでええ。
悟を迎えに来たついでに北海道見物に来ただけじゃけぇお前はお前の今やるべき事をしっかりやれ!はい。
じゃけど妥協しちゃいけんど。
やる時はとことんやれ!安うてうまいウイスキー造り諦めるなよ。
はい。
(政志)うん。
ハハハ。
ところでエマは仕事か?ああ…もうすぐ帰ってくるんじゃなぁか。
しかしエマが試験に合格してアメリカに行くいうんは寂しゅうなるのう。
いや…わしゃ大丈夫じゃ。
マッサンは大丈夫じゃない。
エリー!そう。
(俊夫)ほうじゃ。
ハハハッ…。
お母ちゃん!わし…しばらく叔父さんの仕事手伝うてもええ?悟…。
ウイスキー造りを?叔父さんはすごい。
どがな酒でもにおいを嗅いだだけで香料や着色料成分まで全部言い当ててしまうんじゃ。
(千加子)じゃけど悟は広島に帰って蔵の仕事せんと…。
お坊ちゃまを手伝ういう事は広島に帰って日本酒造りをする時にきっと役に立つ思いますがの!お父ちゃんどう思う?政春はどがいに思うんじゃ?新しいウイスキー造りに挑戦しよういう時にそがな余裕はなかろう。
ん?よっしゃ。
やってみるか。
はい!オホホホッ!あっ!お坊ちゃまの弟子になるいう事は工場長であるわしの下につくいう事じゃ。
これからは敬語も抜きでビシビシいくけん覚悟せえよ!よろしくお願いします!ハハハハッ…!俊夫さん仕事になると怖いよ。
ええ!?「おらぁどこに目ぇつけとるんじゃ!」。
よう似とるわ。
勘弁してつかぁさい。
わしゃエリーさんにはニコニコじゃ。
ハハハッハハハッ!へじゃ皆さん食べてつかぁさい。
数日後他社の三級酒の成分検証を終えたマッサンはいよいよ本格的に三級ウイスキーの開発に乗り出そうとしています。
ところが…。
(俊夫)はあ!?香料も着色料も使わんいうのはどういう事でがんす?一切使わんと決めた訳じゃなぁ。
ただできるだけじゃ。
エッセンスを使わんにゃ三級ウイスキーは造れまへん。
試飲した中にもそがな酒一つもなかったじゃろうが!何でです?ええ?原酒を5%しか使えん以上香料や着色料を使わんにゃウイスキーらしい香りも出せんしウイスキーらしい色ウイスキーらしい味も出んのじゃ。
じゃけど着色料は味わいを損ねるしエッセンスで香りづけしたら時間がたつごとに香りが薄うなるんじゃ。
へじゃ何のために何日もかけて何十種類もの三級酒の香料や着色料希釈用アルコールの成分まで調べたんでがんすか!ただ安いだけじゃ意味がなぁんじゃ!わしゃのう命の水を造りたいんじゃ。
(俊夫)命の水?具体的にどがなウイスキーでがんす?口に含んだ瞬間華やかなスモーキーフレーバーが香りたち滑らかな舌触りウイスキー独特の喉越しがしっかりと。
無理じゃ!うまいと安いは両立しまへん!一級酒は原酒の割合が多いけん高い!三級酒は5%じゃけん安い!安いもんには安いなりの理由がある。
そがな分かりやすい理屈も分からんのですか。
たとえ1%しか原酒を入れられんでもわしは安うてうまいウイスキーを目指す。
これだけは絶対妥協せん!へじゃ勝手にしてつかぁさい。
はなから無理だと分かっとる作業を手伝う気にはなれまへん!俊兄…分かった。
悟始めるど。
はい。
グラス取ってきてくれ。
果たしてマッサンは香料も着色料も一切使わずに安くてうまいという難題を乗り越える事ができるのでしょうか。
2015/03/19(木) 12:45〜13:00
NHK総合1・神戸
連続テレビ小説 マッサン(142)「一念岩をも通す」[解][字][デ][再]
悟(泉澤祐希)の言葉をきっかけに三級ウイスキーづくりを始めたマッサン(玉山鉄二)のもとに、広島から政志(前田吟)と千加子(西田尚美)がやってきて…。
詳細情報
番組内容
悟(泉澤祐希)の言葉をきっかけに三級ウイスキーづくりを始めたマッサン(玉山鉄二)のもとに、広島から政志(前田吟)と千加子(西田尚美)がやってくる。今の工場を見て政志が何と言うかと緊張のなか工場を案内するマッサンであったが、穏やかな顔で見学する政志に安どする。三級ウイスキーづくりを妥協せずとことんやれと、政志がマッサンを励ますなか、悟はしばらくの間マッサンのもとで手伝いがしたいと願い出て…。
出演者
【出演】玉山鉄二,シャーロット・ケイト・フォックス,八嶋智人,西田尚美,泉澤祐希,前田吟
原作・脚本
【作】羽原大介
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz
OriginalNetworkID:32080(0x7D50)
TransportStreamID:32080(0x7D50)
ServiceID:43008(0xA800)
EventID:26504(0x6788)