北アフリカ・チュニジアの首都チュニス。
銃を構えた治安部隊のいる建物に、次々に駆け込む人々。
外国人観光客と見られる人たちや、子どもを抱きかかえたまま、駆け込む人もいます。
18日、チュニスで、武装した男らによる銃の乱射事件が起きました。
現場となったのは、チュニスにある議会や国立博物館が並ぶ地区です。
銃を持った複数の男たちが、博物館の前でバスから降りてきた外国人観光客らに向かって乱射し、数人を殺害したあと、国立博物館に押し入りました。
男らは、観光客らを人質に取って立てこもり、およそ2時間後に、治安部隊が突入して、武装した2人を殺害しました。
チュニジア政府によりますと、外国人観光客17人とチュニジア人2人の合わせて19人が死亡し、44人がけがをしたということです。
日本政府はきょう午前、日本人3人が死亡し、3人がけがをしたと発表。
ほかにも被害を受けた人がいないかどうかなど、現地の大使館を通じて情報収集を急いでいます。
関係者によりますと、死亡したのは、埼玉県狭山市の宮崎チエミさん、宮崎遥さん、それに東京・荒川区の成澤万知代さんと確認されたということです。
チュニジアのシド首相は、現場で殺害した2人について、ヤシン・ラビディ容疑者とハテム・ハシュナウィ容疑者で、いずれもチュニジア人だと明らかにしました。
事件については、現場近くのチュニジア議会を狙った犯行という見方がある一方、犠牲者のほとんどが外国人であることや、犯人が外国人観光客に人気のある博物館の前で襲撃を行っていることから、外国人を狙った犯行という見方も出ています。
当時、博物館にいて、けがをした、結城法子さんです。
東京・渋谷区にある旅行会社、クルーズプラネットによりますと、この会社が手配して、地中海を周遊するクルーズ船に乗り、18日にチュニジアに到着した日本人1人が死亡、1人がけがをしたことを確認したということです。
また、東京・新宿区にある旅行会社、ベストワンドットコムでは、日本人2人が今回の事件に巻き込まれて死亡したことを確認したということです。
クルーズ船は、MSCスプレンディダ号で、国内の複数の会社を通じて合わせておよそ190人の日本人が乗船していると見られるということです。
こんにちは。
事件があったチュニスには、島崎記者がいます。
島崎さん、最新の情報を伝えてください。
こちらは今、19日の朝6時過ぎ。
私は今から5時間ほど前に、首都チュニスに到着しまして、すぐに事件現場となったバルドー博物館の前に来ました。
博物館の周囲は、警察の車両が各地に配置され、緊迫した雰囲気に包まれていました。
事件を目撃した市民の話によりますと、大きな銃撃音が何度も聞こえたあと、まもなく救急車が次々に入ってきて、周辺は騒然となったということです。
今回の事件で、犯行声明などはまだ出されていません。
しかし、チュニジアでは過激派組織IS・イスラミックステートに加わった若者が数千人にも上るとされていて、過激派組織の活動に対する懸念が高まっていました。
このため、今回の事件も、イスラム過激派による犯行との見方が出ています。
現場となった博物館は、チュニジアを代表する観光スポットの一つで、隣には議会の建物があります。
チュニジアは4年前のアラブの春と呼ばれた民主化運動で、独裁政権が倒れたあとも比較的安定し、アラブの春の唯一の成功例ともいわれてきました。
その首都のいわば中枢で起きた事件に、市民の間で大きな衝撃が広がっています。
以上、現場からお伝えしました。
現地でも大きな衝撃が広がっているようです。
では中東やアフリカを長年取材している、二村解説委員とお伝えしていきます。
二村さん、犯人は一体、何者なんでしょうか。
まだ犯行声明出ていませんので、これが何者なのか、その組織的な犯行なのかどうか、また犯行の動機、目的というのはまだ分からないですね。
ただ、この犯行の手口などを見ますと、どうも外国人を狙った、しかも過激派による犯行ではないかというふうに見られています。
これ、事件が起きた現場というのは、どういった場所なんでしょうか、中心に近いんでしょうか?
そうですね、こちらが海ですよね。
外国人の観光客、こうした船で、ここに停泊して、そこからこの中心部のほうに向かうわけですが、そちら、バルドー博物館が現場となった所ですね。
そのすぐそばには、議会もあるということなんですね。
まさにチュニジアの中心部、非常に大事なところですし、博物館には大勢の観光客でにぎわって煎るという所ですね。
犯行の狙いですとか、動機、まだ分かりませんけれども、ただ、チュニジアといいますと、民主化の成功例だったわけですよね。
そのチュニジアで、こうした事件が起きたというのは、なぜだと考えられるんですか?
チュニジア、去年、民主的な憲法が出来て、信仰の自由、あるいは女性の権利も認めた非常に民主的な憲法といわれて、その後、選挙を経て、正式に議会が発足して、政府もあるわけですね。
それに対して、なぜというところなんですけれども、一つは、この民主化を阻止しようというねらいがあったのか、あるいはその過激派が自分たちの存在を誇示しようとして、こういう行動に出たのかということ、いろいろ考えられると思うんですね。
この実はチュニジア、民主化、いわゆるアラブの春のあとの成功例の一つといわれてきたんですが、実はその一方で、チュニジアには過激派の存在というのがまだあったわけです。
地方ではテロ活動が起きていました。
それから、もう1つですけれども、このチュニジアから、先ほどもありましたけど、シリア、イラクに向かう若者たちというのが非常に多いですね。
イギリスのシンクタンクによれば、外国人2万人がシリア、イラクに向かったといわれているんですけれども、チュニジアが最も多い、3000人なんですね。
といいますのも結局、チュニジアは若者たちが自分たちの国に不満を抱いて、国にどんどんどんどん出てしまっているということです。
それからもう一つが隣のリビアなんですけれども、リビアでは政権が崩壊したあと、大量の武器や戦闘員が、周辺の国々に流出しています。
チュニジアからですね、実はリビアというと、もう国のていをなしていませんので、戦闘員が行ったり来たりもできているということなんです。
そしてもう1つがこのシリア、イラクのISに感化された若者たち、それからシリアからチュニジアに戻ってきた若者たち、そうした若者たちのテロの脅威というのは、実は今でも存在していたというわけなんですね。
こうした民主化の裏側で、どんな不満があったのではないかと考えられますか?
特にチュニジアといいますと、若者たち大学を出ても就職できない。
非常に失業率が高いわけですね。
先ほども言いましたけど、シリア、イラクだけではなくて、実は地中海を越えてヨーロッパにもどんどんどんどん若者たちが逃げていってしまっている。
それで若者たちにとってみれば、自分たちの行き場がないというわけですね。
そうした人たちが、この過激な思想に染まりかねないというわけなんです。
今回、現地でも先ほど大きなショックが広がっているとありました。
今回の事件を受けて、私たちが意識しなければならないこと、どういったことでしょうか?
おととし、隣のアルジェリアでも、天然ガス施設が襲撃されましたね。
このときは日本人10人を含む40人が犠牲になっているわけなんですけれども、リビアでも非常に混乱が続いていますし、このシリア、イラクだけではなくて、この中東、北アフリカ、実はさまざまな過激派組織が活動しているわけです。
今回のこのシリア、イラク、ISだけではなくて、こうしたチュニジアでもテロが起きますと、それぞれの過激派の活動、それに感化、刺激を受けて、さらに活発化させることも考えられるわけです。
ですので、私たちは非常にこの地域全体、どこに行ってもリスクがあるということ、現地の情勢を常に自分でキャッチするようにするということ、安全には十分な注意をすることが大事ですし、これでチュニジアが決して混乱しないように、やはりわれわれも、この経済の発展というものを手助けしていくということが、非常に重要になってくるのではないかというふうには思います。
チュニジアで起きました、銃乱射事件について、二村解説委員とお伝えしました。
続いては、経済の動きです。
春闘最大のヤマ場となった、きのうの集中回答日。
大手企業では、過去最高となる回答が相次ぎました。
今回の賃上げの背景は。
そして、どこまで波及するのか、解説します。
では、経済部で春闘の取材を続けています野口記者とお伝えしていきます。
野口さん、取材をされていて、今、賃上げ続いてますけど、現場はどのような雰囲気ですか?
去年はですね、久しぶりにベアが実現するかどうかが最大の焦点でした。
それに対し、ことしはベアがあるのは当然として、どこまで高い水準のベアが実現するかが焦点でした。
水準が焦点だったんですね。
実際に過去最高ということばが躍る春闘、そんな状況です。
では、春闘のここまでの結果、まとめてお伝えしていきます、こちらです。
まず自動車業界、そして電機業界なんですが、これ、どちらも過去最高ということで、軒並み大幅なアップとなりました。
そして、下の段です。
外食産業、そして建設業でも、賃上げ相次ぎました。
特にこちら、すかいらーくなんですけれども、去年の倍以上のベースアップということになりました。
倍以上、過去最高ということばが出てきますけれども、これまでの賃上げと何がどう違うんでしょうか?
こちらご覧ください。
電機メーカーで見てみます。
こちらは1998年以降の結果です。
このように、0となっているのは、業績が低迷するなどしてベアが実施されなかった年です。
ご覧のように500円とか、1000円といった水準が続いていましたが、去年は2000円、そしてことしは3000円、いかに高い水準かということが分かります。
そうですね。
急激に伸びているという印象ですけれども、これ、下の段、こちらは今度、地方ってあるんですが、地方ではどうだったんでしょうか?
地方でも、賃上げの動きが広がっています。
例えばこちら、札幌が本社の家具販売大手のニトリホールディングスは、月額5042円のベア。
こちら、過去最高です。
そして、愛知県の自動車部品メーカーのデンソーや、アイシン精機も3000円、そして、鹿児島県の有力地銀、鹿児島銀行も基本給を3%引き上げます。
19年ぶりだそうです。
そして栃木県にある回転ずし大手の元気寿司。
こちら、5000円のベアの実施ということで、創業以来、初めてのベアになります。
初めてなんですね。
ここまで見ただけでも、本当に賃上げ、相次いでいるわけですけれども、このベースアップがいろんなところで起きてるというのは、これは何を表しているんでしょうか?
ベアは、会社の賃金体系を見直して、基本給を全体的に引き上げるというものです。
ボーナスと違って、一時的なものではないため、ベアを実施すると将来にわたって支払う給料が増えるということになります。
それだけにベアに踏み切るということは、企業がある程度、自信を取り戻してきた表れだといえます。
では今回の春闘、高い水準での回答がありました。
その背景にいってみますが、野口さん、4点あるんですね。
まず輸出企業の業績好調です。
自動車や電機などの輸出企業は、好決算が相次ぎました。
そして消費増税などへの対応。
消費増税や物価の上昇で、従業員の生活に配慮する必要がありました。
配慮ですか?
そして、深刻な人手不足や労働環境の改善です。
例えば、牛丼チェーンを運営するゼンショーは、深夜時間の過重な労働が問題となっていました。
こうした業界では、賃上げで人材を確保したいねらいもあるようです。
働き手を確保するという目的があるんですね。
そして最後に政労使会議。
こちらもやっぱり存在感も大きかったと思います。
政府や経済界、そして労働界の代表者が開いた会議ですが、この場で安倍総理大臣も直接、賃上げを要請していました。
賃上げとなりますと、これがじゃあ、景気にどう影響するのかというのが、注目されますけれども、先行きっていうのは、どう見ていますか?
こちらをご覧ください。
厚生労働省の調査をまとめたグラフです。
去年は各社がベアを実施したこともあって、給与水準は、数字の上ではことし1月まで、11か月連続でプラスとなっています。
ただ、この期間、消費増税や円安で、物価が上がっていて、物価の変動分を加味した実質の賃金は、おととしの7月からことしの1月まで、19か月連続でマイナスとなっています。
生活実感として、景気がよくなっていないという声も多いのは、こういうところに原因があるんだと思います。
今後、中小企業などで、春闘は続きます。
大手企業の賃上げの動きが、中小企業ですとか、地方の企業にも広がって、多くの人が給料が増えたと実感できるかどうかが、鍵となりそうです。
では、この先ですね、重要になってくるのはどんなことでしょうか?
今後のポイントです。
賃金を巡る好循環の実現が課題になります。
企業には継続して来年以降も賃上げをすることが求められます。
ただその結果、人件費が高くなりすぎて、企業の競争力が低下するようでは、工場がますます海外に出ていくような事態にもなりかねません。
実際、企業の経営者はそこを心配していました。
給料が上がって会社も成長する、そして会社が成長すれば、その分、給与にも反映するという、そういう自然な循環が続かないと、継続して賃上げが実現することにはならないと思います。
経済部の野口記者とお伝えしました。
では、次です。
地下鉄サリン事件から、あすで20年になります。
朝の通勤ラッシュ時に起きた地下鉄サリン事件。
13人が死亡、およそ6300人が被害を受けました。
今も、多くの関係者が事件と向き合っています。
事件からあすで20年。
教訓はどう生かされているのか、解説します。
では、寒川解説委員とお伝えしていきます。
寒川さんはこの事件の2日後に始まった山梨県の教団施設の強制捜査を取材したということなんですよね?
その取材の中で、周辺の住民たちが、教団の危険性ですとか、サリンの関係性に早くから気が付いて、声を上げていたということを知りました。
そうした声に、警察や私たち、もっと耳を傾けていたら、事件を防げたかもしれないと、今も強く思います。
実は一連のオウム真理教の事件の中で、地下鉄サリン事件は防げたというのが、多くの関係者の認識なんです。
今、どうして防げたと考えられるようになってきているんでしょうか?
では、一連の事件の経過を振り返りながら、説明します。
オウム真理教は宗教法人となった平成元年、信者を家族のもとに連れ戻す活動をしていた、坂本弁護士の一家3人を殺害します。
現場に教団のバッジが落ちていたことなどから、弁護士の仲間は、教団の関与をいち早く指摘していたんですが、警察の動きは鈍く、捜査は進展しませんでした。
まもなく教団は、山梨県の旧上九一色村に進出し、サリンを本格的に製造するようになります。
住民たちは、教団が起こすさまざまなトラブルなどを、警察や行政に何度も相談していました。
しかし、警察はその場のトラブルを収めることに終始し、また行政も、その建築基準法に基づく立ち入り検査などに及び腰で、訴えを取り合わなかったというんですね。
耳を傾けていればと感じますね。
そして、平成6年になると、長野県松本市で死者8人を出した、松本サリン事件が起きます。
これ以降、ようやく全国の検察を束ねる警察庁に、オウムとサリンの関係を疑わせる情報が集まるようになりました。
事件から2か月後、長野県警から、オウムの関連会社がサリンの原料を大量に購入しているという情報が寄せられました。
また同じころ、坂本弁護士一家の事件を捜査していた神奈川県警からも、同じ情報が寄せられたほか、山梨県の教団施設の周辺で、異臭騒ぎがあり、立ち木が枯れたことなども、報告されました。
情報や兆候があったということなんですね。
それがようやく警察庁に集まってきたんですね。
そして警察はその山梨県の異臭騒ぎが起きた周辺の土を採取。
11月には、その土から、サリン生成の際に出来る物質が検出され、サリンと教団の関係が決定的となりました。
決定的になりながら、なぜそのときに、強制捜査ということにならなかったんでしょう?
捜査幹部をためらわせたのは、警察の管轄の問題でした。
広大な施設を捜索して、全容解明するには、規模の小さな県警だけでは難しく、大規模な体制が整っている警視庁の捜査への参画が不可欠だと考えたんですね。
しかしその、東京以外の事件に管轄外の警視庁が、主導的な立場で乗り出して捜査するということは、当時の法律では難しいと判断したんです。
結局、警察が教団施設への強制捜査に踏み切るのは、この2月に、東京で公証役場の事務長が拉致された事件のあとでして、捜査の準備をしていたさなかに、地下鉄サリン事件が起きてしまいました。
こうして見てみますと、事件のかなり前から、警察は、教団によるサリンの製造という、核心に迫っていたということが分かりますよね。
当時の警察庁の幹部は、消極的な対応の積み重ねが、教団の肥大化を招いてしまったと、多種多様な情報を分析し、活用していれば、事件は起きなかったと、振り返っています。
この事件の反省から、さまざまな法律や組織の整備が進められてきました。
平成7年には、サリンの製造などを禁止する法律が成立します。
翌年には、警察法が改正され、警察は広域的、組織的犯罪に対処するためには、管轄区域外で権限を行使できるようになりました。
さらに団体規制法が成立し、教団を監視下に置くことになりました。
テロに対するさまざまな取り組みが、これまで進められてきたということですよね。
そうですね。
ただ問題は、その制度や組織が変わったとしても、果たして実際にそれを効果的に運用できるかということですよね。
身近に起きる事件や事故で、その教訓を生かせないかぎり、テロといった重大な局面で、生かすことはできないと思います。
今、児童虐待ですとか、ストーカー殺人事件ですとか、警察や行政が事前に端緒をつかみながら、防げなかったという事件が相次いでいますよね。
そのたびに組織の垣根を越えた連携、情報共有、なぜできなかったのかと指摘されています。
組織や制度を変わっても結局運用するのは人ですから、柔軟な発想で異変を見逃さない、そして、情報を共有し、連携して対応すると、そうした意識改革こそが、地下鉄サリン事件の教訓であり、再発防止につながるのではないかと思います。
そして、忘れてはならないのが、この20年たった今も、後遺症などに苦しんでいる人たちが多くいるということですよね。
そうですね。
こちら、被害者の会が専門家と協力して行った、被害者や家族へのアンケートの結果なんです。
体のだるさを訴える人が57%、目が疲れやすいという人が76%に上るなど、今も多くの被害者が、心身の不調を感じ、苦しんでいるということが分かります。
被害者への支援というのは、どうなっているんですか?
被害者や遺族たちの必死の働きかけで、少しずつ法整備などは進んできているんですけれども、被害者へのアンケートでは、支援が十分ではないといった声が多く寄せられています。
未曽有のテロを防げなかったという反省を生かすというのであれば、国が被害者の全容を把握して、長期的にケアをするといった仕組み作りも、必要ではないでしょうか。
そして事件を風化させず、二度と繰り返さないというためには、私たち一人一人、何ができるのか、考え続けること、それが20年たった今、大事だと思います。
地下鉄サリン事件について、寒川解説委員とお伝えしました。
では、次は気象情報です。
天気は崩れていますけれども、きょうも暖かいですね。
奈良岡さん。
雨でも暖かいということで、季節が進んでいるなぁと感じます。
こちらは福岡市内の今の様子です。
福岡ではきのうから雨が降ったりやんだりしていました。
この時間も雨が降っていますね。
午後2時20分現在の気温は12度4分となっています。
きょうはそれほど気温が上がっていませんが、このところ、平年を上回る暖かさが続いています。
暖かいといえば、桜です。
そろそろ桜の便りが届くかなと、気になってくるころですね。
さあ、きょうはまず桜の予想から見ていきましょう。
もう数日しますと、四国や九州の辺りから桜前線がスタートしそうです。
去年は高知が一番早く開花しましたけれども、気象台に様子を聞いたところ、桜のつぼみがまだ硬いということなんですね。
すぐすぐ開花しそうな雰囲気ではないようなんですが、ピンク色の部分は見えてきているようです。
そして去年、高知の次の日に開花したのは、福岡なんですが、福岡はつぼみがぷっくりと膨らんできているということでした。
気温が高い状態が続きますと、週末にも開花の便りが届くかもしれません。
そしてそのあと、来週の半ばごろになりますと、広島や大阪、名古屋や東京でも、開花ということになりそうです。
そして、4月の初めの週の週末には、桜が見頃を、東京などでは迎えそうですから、そのあたりがお花見にはお勧めとなりそうです。
参考にしてみてください。
さて、きょうは広く曇りや雨となっていますけれども、あすは広く天気が回復しそうです。
日ざしがぽかぽかと感じられそうです。
では、雨の様子から見ていきましょう。
きょうは九州から東北地方にかけて、広く雨が降っています。
今降っていないのは、沖縄と北海道だけということになっています。
あすの天気図を見ていきますと、きょうの雨の原因でありますこの低気圧や前線も離れていきます。
そして今度は、西から高気圧に覆われてきますので、このために、天気はあす、回復ということになりそうです。
では天気の見通しについて、詳しく見ていきましょう。
きょうの夕方です。
夕方も近畿から東北の南部の辺りにかけては、雨がまだ残りそうです。
西と北から雨はやんでいく見込みです。
夜遅くです。
夜遅くになりますと、雨はやむ見込みです。
そして西から天気は回復して、晴れ間が戻ってくるでしょう。
そしてあすの朝です。
あすの朝も晴れるという所が多くなりそうです。
ただ、北海道と、あと関東地方や東海地方の辺りは、雲が広がりやすくなりそうです。
では、全国のあすの天気です。
続いては、首の骨や背骨のけがで起こる脊髄損傷についてです。
神経が傷つき、脳からの指令が伝わらなくなるため、手足が動かなくなり、寝たきりになることも少なくありません。
交通事故やスポーツの事故で、年間およそ5000人の患者が新たに出ていますが、現在は確立された治療法がありません。
そこで、新たな薬やiPS細胞を使って、患者の体を元に戻す研究が進められています。
最新の研究を取材しました。
北海道美唄市にある脊髄損傷の専門病院です。
この病院で治療を行う安田弘文さん52歳です。
去年9月、車を運転中に事故に遭い、首の骨を折る大けがをしました。
これは安田さんの脊髄を撮影したMRIの写真です。
骨折の影響で、首のすぐ下の白く濁っている部分で切断されていました。
事故に遭う前は、トラックの運転手や重機のオペレーターとして、材木の伐採の仕事などで現場を飛び回っていた安田さん。
まだ小学生の息子のためにも、自立した生活ができるよう、リハビリを続けています。
この病院は、事故直後の速やかな手術から、長期間のリハビリまで一貫して行う、日本に2つしかない脊髄損傷の専門病院の一つです。
それでも、現在の医学では限界も感じているといいます。
今、こうした状況を変えるかもしれない、新しい薬の臨床試験が始まっています。
脊髄損傷の治療を20年以上続けてきた慶応大学の中村雅也教授です。
こちらが今、治験を行っているHGFです。
HGFと呼ばれるこのたんぱく質には、神経細胞を保護する効果があります。
脊髄損傷の仕組みです。
首や背中に強い力がかかり、脊髄の神経細胞が切断されます。
するとそこから炎症が広がり、放っておくと2週間ほどで、周囲の正常な神経細胞までもが死んでしまいます。
臨床試験では、脊髄を損傷してから78時間以内に、HGFを投与することで、残された神経細胞を保護し、症状の悪化を食い止めることを目指します。
これはHGFを猿に投与した実験の写真です。
脊髄の断面の緑色の部分が神経細胞を表しています。
右側の何も使わなかった場合に比べ、左側のHGFを使った場合は、緑色の部分が3倍ほど多く残っていました。
これだけでも、体を動かすうえで、かなりの能力が残せるといいます。
美唄市の病院などでは、これまでに8人が臨床試験に参加。
およそ2年をかけて、効果を検証していくことにしています。
ひじ曲げてみてもらっていいですか?力いっぱい。
これまでの治療法に、HGFの効果が加わることで、動かせる部分をこれまでより多く残せる可能性があるのです。
時間かければ、もうちょっとよくなってくるんじゃないかなと。
ぼちぼちやります。
そうしましょう、ゆっくり焦らずいきましょう。
しかし、このHGF、炎症が進み、神経細胞が死んでからの投与では効果がありません。
そこで慶応大学の中村教授らが研究を進めているのが、iPS細胞による次世代の治療法です。
体のさまざまな組織に変化するiPS細胞。
この細胞から神経細胞のもとを作り、患者の脊髄に移植することで、神経細胞そのものを再生しようというのです。
脊髄損傷の猿を使った実験です。
治療をしない場合、自分の力で歩くことは、ほとんどできません。
ところが細胞を移植した猿では、素早く走り回り、おりをよじ登ることまでできるようになりました。
中村教授は、2年後にもiPS細胞を使った臨床研究を始める計画にしています。
去年、交通事故で脊髄損傷となった安田さん。
今のままでは仕事に復帰するのは難しいといいます。
身の回りのことが少しでも自分でできるよう、リハビリに励み、将来、新しい治療法ができることに希望をつないでいます。
では、取材に当たりました、科学文化部の中川記者とお伝えします。
中川さん、このVTRに出てきた技術っていうのは、いつごろ導入されることになるんでしょうか?
まずHGFという薬ですけれども、今行っている第2段階の臨床試験の結果が、来年度中に出る予定になっていまして、そこで効果や安全性が確認されれば、さらに患者を増やして最終段階の試験を行って、将来的には、全国の病院で使えるようにしたいということなんです。
またiPS細胞を使った治療のほうなんですけれども、再来年から、まずは事故後2週間から4週間の患者を対象に、臨床研究を始める計画です。
iPS細胞から作った神経細胞、神経の細胞ですね、これが万が一にも、腫瘍になったりするようなことがないように、安全な細胞を選び出す技術、これを確立し、実用化を目指すということです。
まだ時間はかかりそうですけれども、期待は膨らみますよね?
そうですね。
さらに、こうした細胞を使った治療に、細胞を移植する治療に加えて、こちら、最新のロボットスーツを使う方法も始まろうとしているんです。
このロボットスーツは、皮膚の表面に流れる僅かな電流を感知して、人がどのように手足を動かしたいのかを予測し、支援することができるということなんです。
このロボットスーツでリハビリを受けると、事故でも切断されずに残された脊髄の神経が、新たなつながりを作り出して、スーツを外したあとも、スムーズに脳の情報を体に伝えられるように鍛えられるということが、期待されているんです。
新しい薬、あるいは細胞の移植といった、それだけではなくて、それだけで立って歩けるということではなくて、適切な手術であるとか、リハビリなど、さまざまなピースを組み合わせていくことが必要だということでした。
本当に患者が再び立って歩けるようになることに、本当に必要な要素と、そして安全性を見極めて、この治療を実現してほしい思います。
取材に当たりました科学文化部の中川記者とお伝えしました。
では今、入ってきたニュースをお伝えします。
川崎市の河川敷で中学1年の男子生徒が殺害された事件で、横浜地方検察庁は、逮捕された少年3人のうち、リーダー格の18歳の少年を殺人の疑いで、17歳の2人については、傷害致死の疑いで、それぞれ家庭裁判所に送りました。
今入ってきたニュースをお伝えしました。
毎週木曜日にお伝えしております、やす短歌なお短歌のコーナーです。
歌人の小島なおさんとお伝えしていきます。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
皆さんからお寄せいただきました作品もご紹介してまいります。
では、小島さん、今回のお題をお願いします。
今回は会でした。
会ということで、私も詠みましたので、まずはそちらからです。
会うということで、町との一期一会を詠んでみました。
転勤族なので、結構、楽しいのが、町との出会いがあることなんですよね。
この季節でいいますと、私もこれまで名古屋と福井と、あと今、東京なんですけれども、おもしろいものでして、離れると分かると、見慣れた景色が違って見えるんですよ。
結構、急に明るく感じられたりとか、建物一つ一つの輪郭がなぜかくっきり見えたりとかっていうことがあって、そんな、なんでしょう、気持ちになるときに、またここに来たいななんて思うものですから、そんな気持ちを詠んでみました。
評価をお願いします。
今回の評価は4。
よくできました。
やりましたね。
はい。
いいと思います。
これ、前回、評価2だった初句切れにリベンジしてくださったんですよね。
ここで切れてるんですよね。
すばらしいと思います。
初句切れに関しては今回は、文句なくクリアできていると思います。
そうですか。
ただし、気になる点が3点。
結構多いですね。
まず1点目なんですけれども、切れの問題です。
まず坂の下で、ここ、切れてますよね。
せっかくの初句切れ、ここ、切れてるのに、もう1か所切れてしまうと、効果が半減するんですね。
ですので、ここは坂下のとしてことばをつなげていったほうがいいかと思います。
そして2点目が、歌のトーンに対して、結句の告ぐというのが、ちょっと硬すぎるんですよね。
ここは、柔らかく普通に、言うでいいかなと。
これ最初、言うだったんですけど、なんかもうちょっと強くしたいなと。
…したほうがいいのかなと思って。
もっと普通でいいです。
裏目に出てしまいましたね。
そして最後3点目ですね。
通ひしの、このかなづかい、これ、ひは旧かなづかい、昔のかなづかいなんですね。
ただし、最初のまた会おう、この会おうは新かなづかい、現代のかなづかいなんですよね。
短歌の場合は、どちら、新かなづかい、旧かなづかい、どちらを使ってもいいんですけれども、一首の中で必ず統一をしてください。
今回は新かなづかいに直して、通いしにさせていただきました。
いや、あの、これまでよく文語と口語を統一しましょうっていうことを、何回かご指摘いただいて、すみませんね、ここでいうと、告ぐにしたかったものですから、この文語に合わせて、ここを柄にもなく、通ひしなんてしちゃったもんですから。
そうなんですね。
それがよくなかったんですね。
文語と口語というのと、かなづかいはまた別の問題なので、もしこれからも長く短歌を作り続けるのであれば、文語で歌うのか、口語で詠うのか、そして新かなづかい、旧かなづかい、どちらを選んで表記するのかというのは、とっても大切なので、自分の一番いい形を選んでいただければと思います。
どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
では、視聴者の皆さんから頂きました、作品のご紹介です。
まずはこちらの歌です。
なんてことない歌いぶりですが、思わず口ずさみたくなる軽やかなリズム。
相手の一生懸命な様子が、笑わせようのリフレインの表現に見えてきます。
恋の歌でしょうか。
続いてこちらの作品です。
毎日、たくさんの人が行き来する駅の改札口。
その中にもしかしたらと、思ってしまうのでしょう。
亡き人への思いが、悲しくも清らかに伝わる一首です。
こちら、なおのイチ押しです。
春は大切な人を思い出す季節です。
夢で会うことすらかなわないけれども、その寂しさを春の光が包んでいるんですね。
生きて、そして新しい季節を迎える心に胸打たれました。
応援してくださった皆さん、どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
さあ、情報まるごと、開始から2年にわたってお送りしてきました、このやす短歌なお短歌なんですけれども、なんと、きょうが最後ということで。
寂しいですね。
小島さん、どうもありがとうございました。
ありがとうございました。
小島さん、どうでしたか?この2年間。
まあ本当に、正直寂しいんですけれども、ただ一方で、短歌の魅力を再発見できた2年間だったなと思います。
歌っていうのはとっても正直なもので、うそがつけないんですよね。
小澤さんの歌を毎週毎週、見せていただくことによって、口頭で会話するよりも、心の深いところで会話ができたような、そんな気もします。
私一人じゃ見ること、そして感じることができなかった視界やそして感性を、小澤さんがなんか、短歌で見せてくれたような、そんなふうにも感じます。
私自身にとって、とても刺激的で、そして充実した2年間だったなとしみじみ思います。
うれしいですね、ありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
私も本当に、小島さんに教わって、勉強になりました。
そして、2年間、短歌を送ってくださった皆さん、本当にありがとうございました。
ここまで小島なおさんと、、やす短歌なお短歌、お送りしました。
では最後ににじまると各地の空を散歩するにじさんぽです。
奈良岡さん、今の空の様子、どうでしょうか。
きょうは曇りや雨のお天気となっています。
それでは空の散歩に出かけましょう。
まず、こちらは厚く雲がかかっています、佐賀市内の現在の様子です。
お天気どうでしょう。
これからお天気回復へと向かうんですね。
夜になりますと、晴れ間が戻りそうです。
そして、あすも晴れそうですよ。
続いて岡山市内の様子です。
岡山出身の画家、竹久夢二が去年、生誕130年を迎えたことを記念して、竹久夢二の絵をこうしたあしらったこういった電車が走っているそうですよ。
ただちょっと、きょうのお天気だと楽しめるんでしょうかね?
雨はやんでいるみたいですね。
こちらもだんだん回復して、あすは晴れそうです。
あすは雨の心配なく過ごせそうです。
続いて大津市内の様子です。
びわ湖が今、見えています。
びわ湖では先週末、観光客や船の安全を願う、びわ湖開きが行われたそうですよ。
本格的な観光シーズンが始まったという感じですね。
そうですね。
どんよりとしていますけれども、このあと1、2時間ぐらいは、雷を伴って雨が降るようなこともありそうですから、お気をつけください。
ただ、こちらもあすは晴れてぽかぽか陽気になりそうです。
続いてこちらはあっ、傘を差している人もいます。
路面もぬれていますね。
静岡市内、現在の様子です。
雨が降っているようですけれども、このあと、お天気どうでしょう。
夜にはやむかと思います。
こちら、あすもこちらはすっきりしないんですね。
傘の出番も、あすもありそうですから、お気をつけください。
続いて、宮城県南三陸町です。
南三陸町では、この時期、三陸の海で取れた旬の食材を使った海鮮丼、その名も春告げ丼が食べられるそうですよ。
いいネーミングですね。
ねぇ、そうですね。
きょうはちょっと春としては寒いかなと思うんですけれども、寒さ戻ってるんですが、あすは晴れ間が戻りまして、そして寒さも和らぎそうです。
暖かいと思いますよ。
春が近づいていますね。
最後は北海道斜里町の現在の様子です。
雲もありますけど、でも、日ざしがちょっと幻想的に出ていますね。
これから雲の量が増えていきそうなんですね。
きょうの雲、雨を降らせるものではなさそうなんですが、あすは夕方ににわか雨ですとか、にわか雪がありそうです。
では最後に、あすの全国のお天気をお願いします。
あすは晴れる所が多そうです。
日ざしがぽかぽかと感じられるところが多いでしょう。
ただ、北海道は曇りです。
にわか雨、にわか雪がありそうです。
続いて気温の予想です。
あす日中の気温は15度から20度ぐらいという所が多いですね。
4月並みとなりますので、あす日中も暖かいです。
朝の気温は東京9度と、けさと同じぐらいでしょう。
あすも暖かいですね。
以上、あすのお天気、お伝えしました。
暖かさ、続くんですね。
そうですね。
さて、情報まるごとの放送なんですが、今週で終了します。
2年間番組をご覧いただきまして、ありがとうございました。
ありがとうございました。
奈良岡さん、感想など。
きょう、広く雨が降っているのは、もしかして、これはもう涙雨なんじゃないかなと思って、別れを惜しむ涙雨かなと思って、きょうはお伝えしていました。
少し別れを惜しんだら、心にきれいな虹がかかるようになればいいなと思っています。
2015/03/19(木) 14:05〜14:55
NHK総合1・神戸
情報まるごと[字]
▽風化させない 地下鉄サリン事件が残す教訓 【キャスター】小澤康喬,滝本沙奈,【気象キャスター】奈良岡希実子
詳細情報
出演者
【キャスター】小澤康喬,滝本沙奈,【気象キャスター】奈良岡希実子
ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ニュース/報道 – 天気
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