きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「これぞ男の力めし!海上自衛隊カレー」 2015.03.19


五感を刺激し食欲を駆り立てる極上の料理。
それは料理人たちの情熱と卓越した技の証し。
一度食べたら忘れられない味。
その神髄に迫ります。
私は今ですね海上自衛隊の最新の護衛艦「てるづき」に乗船しております。
なぜ私がここにいるかといいますと海上自衛隊伝統のカレーを食しにまいりました。
では皆さんで出港いたしましょうか。
本日の「ザ・男の食彩」。
舞台はなんと海上自衛隊の護衛艦です。
日々厳しい任務を遂行する隊員の皆さん。
そのパワーの源とも言えるのが週に一度の…そう!カレーライスです。
はっきり言って大盛りです。
てんこ盛りです!旧日本海軍のレシピを進化させた海上自衛隊のカレー。
長い航海で失いがちな曜日感覚を保つため毎週金曜には必ずメニューに上ります。
カレー作りは隊員の士気にも関わる重要任務。
専門の隊員が工夫を凝らして作ります。
これ何入れるんですか?これ焼き肉のたれです。
焼き肉のたれ入れるんですか?はい。
独自の隠し味やスパイスはプライドを懸けた腕の見せどころです。
うまいカレーはまさに隊員たちの誇りなんです。
船によってそれぞれ違うので。
カレーライスでスタミナ十分。
やる気も満タン。
これぞ男の力めし!海上自衛隊カレーを頂きます。
海上自衛隊横須賀基地に停泊する…
(号笛)朝8時甲板で行われる朝礼から隊員の一日が始まります。
こちらがこの艦の食事作りを担う給養員の皆さん。
隊員の心と体をうまいめしで支えるいわば縁の下の力持ちです。
お世話になります。
本日はお世話になります。
ふだんなかなか見る事のできない海上自衛隊のカレーを存分に味わいたいと思いますのでどうかよろしくお願いいたします。
お願いします。
お願いします。
谷原さん給養員の重要任務に密着すべくいざ艦内へ。
では早速給養員の方の服装をさせて頂きました。
早速案内をお願いいたします。
はい。
おじゃまいたします。
失礼します。
こちらがてるづきの調理室。
1日3食全てここで作られます。
カレーを担当するのは入隊8年目時松海士長です。
じゃ早速どんな作業から入っていくんですか?まずは釜でたまねぎを炒めるところから始めます。
大きい釜ですね。
これで何人前分ぐらい作るんですか?これでうちの船で約200人分ぐらい。
200人前!なるほど〜。
じゃ早速お願いいたします。
お願いします。
サラダ油を入れて。
すごい量だな!これ時松さん下に火が見えませんけどどうやって加熱してるんですか?船では火が使えないので蒸気でやってます。
これ蒸気で加熱するんですか?はい。
どのように…蒸気で。
起動レバーが…バルブがこれで調整します。
強さとかを見るのはこれで目盛りで見てます。
これは圧力ですか?温度ですか?圧力です。
二重になった釜底に高温の蒸気を送って加熱する…火が使えない船の中ではこの万能釜が大活躍します。
このたまねぎはどういう状態まで炒めていくんですか?たまねぎはあめ色になるまで。
すごいへらさばき。
おお〜!8の字。
この量があめ色になるまでというと何分ぐらいやるんですか?大体20分か…20分ぐらいですね。
20分これやり続ける。
結構ハードですよね。
時松さんちょっとだけこのへら使わせて頂く事できませんか?大丈夫です。
いいですか?コツはどうやってやるんですか?右手を支点に左手で返すように手首を。
確かに回ってますけども時松さんのようにはなかなか回らないですね。
結構これ力要りますねでも。
下の方に手をやると何かやりやすいんですけど…アツッ!慣れないとちょっとやけどするかのような。
アツッ!これほんと大変ですね。
ご苦労さまです。
すごいですよ。
熱い!やはりカレーっていうのは特別な存在ですか?そうですね。
だからあと何回カレー食べれば入港できるのかとか。
なるほど〜ダブルで楽しみなわけですね。
そこを失敗しちゃうとやっぱりちょっと…。
重要ですね。
なるほど隊員たちの期待に応えるため妥協は許さない。
この心意気が船を陰で支えているんですね。
次は何をやってるんですか?次は肉を炒めます。
きましたね〜。
これで何キロぐらいあるんですか?これで10キロあります。
10キロ!これは何ですか?これはカレー粉です。
これは?これはオールスパイスです。
これは?これはナツメグです。
缶切りない?大量に入れるんですね。
そうですね。
牛肉はスパイスを缶丸ごとたっぷり使って炒めたら煮込んでもかたくならないよう一度取り出す手間をかけます。
にんじんとじゃがいもはカレーのどこをすくってもバランスよく行き渡るようきれいに切りそろえます。
鍋に残った肉のうまみを余さず野菜にまとわせたら水はなんとご覧下さい!ホースで豪快にドワーッとやります。
炒めたたまねぎを戻し入れて煮込みの開始。
大胆かつ繊細に。
これがてるづきのカレーライス作りの鉄則です。
今や日本の国民食として愛されるカレーライス。
ルーツは旧日本海軍にあると言われています。
明治時代野菜と肉がたっぷりのカレーライスは兵士の体力増強に向くと軍隊食に採用されました。
当時海軍が発行した料理本の中にそのレシピが記されています。
具は牛肉にんじんたまねぎにばれいしょ。
カレー粉で味付けしたシンプルなビーフカレーです。
終戦後ふるさとに戻った兵士たちによって全国の家庭に広まったと言われる海軍のカレー。
その伝統は海上自衛隊にも受け継がれました。
そして今限られた時間でよりうまいカレーを作るため船ごとに独自の改良が続けられています。
イザワイザワあっいい。
オカザキ前からウスターと中濃持ってきて。
あ〜サンキュー。
これは何ですか?これはウスターソースと中濃ソース。
7割ほど入れます。
あとはケチャップと…。
カレーにケチャップ入れるんですね。
そうですね。
やっぱトマトの甘みとか欲しいので。
これは何ですか?これはドミグラス。
これは1缶入れます。
これ何入れるんですか?これ焼き肉のたれです。
焼き肉のたれ入れるんですか?はい。
自分はこれを入れるっていうのが決まってるんですけど。
これ時松さんのポイントなんですか?そうですね。
漫画で描いてたんですか?はい。
ほんとかなと思って試しにやったら先輩とかが「何か今日違うな」と。
お〜好評で。
そこから入れるようになりました。
そして続いて?これはオイスターソース。
何か中華のイメージですけどカレーにも合うんですねオイスターソース。
あんまり入れ過ぎるとくどくなるんですけど少量ならうまみしか…。
あとははちみつ。
はちみつ!あとはチャツネ。
いろいろ入れますね〜。
そうですね。
ルーだけでは出せない味もあるのでその船の特色みたいなのがやっぱり出ますね。
これは今の時点で完成ではなくもっともっと試行錯誤進化していく。
さあいよいよカレーの仕上げ。
辛み香りとろみなどが違う4種類のルーをブレンドして使います。
まずはルーにスープを加えながら少しずつのばしていきます。
実はこれからが海上自衛隊のカレーにはなくてはならない一手間。
それが!へらを使ってルーを練る事。
練っていくうちにほ〜ら粘りが出てきました。
この粘りがカレーに欠かせないとろみになります。
実はこのとろみ揺れる船でもカレーをこぼれにくくするための知恵。
旧海軍から受け継いだ海上自衛隊カレー最大のポイントなんです。
これすごい粘りますね。
そうですね。
水分もだんだん含んできてるので重くなってきますね。
これでも…さっきよりも重い!これ大変ですね。
大変ですよ。
ある意味ここが一番のメインイベントなんで。
僕がメインイベントやっちゃって大丈夫ですか?はい。
いかがでしょうか?時松さん。
まだまだ。
まだまだ!?よしいきましょう!しっかり混ぜないと焦げちゃうので。
呼吸ですねほんとにもうこれ。
中のルーとの。
そろそろ代わります?はい代わります。
ふ〜っ!ルーを練る事15分。
滑らかなとろみがついてきましたよ。
さあにんじんじゃがいもたまねぎを戻し入れたらいよいよカレーも完成間近。
出来たも同然です。
そしてここで牛肉を戻せばはい出来上がり!え?かと思いきやなんとここで意外なものが登場します。
これです!これ何ですか?これはインスタントコーヒーです。
コーヒー入れるんですか?はい。
コーヒーには苦みもあってそこの苦みをうまみに変えれば。
やっぱみんな好きなので。
その苦みがいいアクセントになってくれるとこなんですね。
あと…福神漬の汁です。
福神漬の汁?普通捨てるやつですよね。
そうですね。
これが合うんです。
合いそうな気します確かに。
これは?これはガラムマサラ。
最後に香りと辛さを強調していきます。
牛乳入れるとまろやかになりますか?そうですね。
でもやっぱり乳臭さがあるのでちょっとこう火を入れてやってそこだけはとばしてやりたいですね。
隣の釜ではちょうど御飯が炊き上がりました。
カレーに合わせ少しかために炊き上げます。
ここでちょっと味見をします。
御飯と一緒に味見するんですか?そうですね。
結果最後御飯と合わせるのでルーだけだと御飯と混ぜた時が分からないので。
いただきます。
甘みもあって酸味もあってスパイシーさと。
おいしいですね。
いいですね。
いい感じですか?うまい!なるほど。
あんだけいろんなの入れてたのにほんと混然一体となってますね。
うん!全部食べちゃいましたね。
駄目ですか?このあとまだお昼があるので。
全然食べれます。
調理開始から1時間40分。
護衛艦てるづきの自慢のビーフカレーの出来上がりです。
調味料の足し算とルーの練りで長時間煮込んだような奥深い味わいです。
同じ頃他の給養員たちはカレーのサイドメニューの仕上げに奔走中。
海上自衛隊の一日はもちろん時間厳守です。
レタスのサラダに冷やしトマト串揚げにハムゆで卵。
全て出そろい昼食の時間に間に合いました。
(号笛)合図と同時におなかをすかせた隊員たちが食堂に詰めかけます。
バイキング形式なので好きな量だけ。
好きな量だけいっていいんですか?うれしいですね。
結構な量ですねこれ。
結構いきましたね今。
これぐらいでみんな。
みんな食べてるんですけど。
ほんとですか?ふだんは。
遠慮してるんですね今日は。
遠慮してますねみんな。
これ残したら怒られるんですか?怒られますね。
食べます。
いいですかねもう。
ちょっとこぼれちゃうんで2か所使って。
野菜ないパターンですね。
なるほど。
野菜いっぱい入ってますしねこの中に。
じゃがいもとかにんじんあるんで。
すごいですね〜。
ちょっと多めにしてるとかではなく?これは普通ですね。
はいいつも。
食べ終わりましたね。
今日もおいしく頂きました。
おなかはいっぱいだし眠くなるわでそれだけ心配ですけど午後からもまだ働きます。
一方こちらの部屋では士官たちが食事中。
どうぞ召し上がって下さい。
食べるのはもちろんみんなと同じカレーライスです。
本日のカレーはいかがでしょうか?非常によく煮込まれていておいしいですね。
多分みんなの口にも合うおいしさだと思います。
今日はいつもよりうまい。
うまいですね。
気合いが入ってますね今日のは。
ちょっと緊張してたみたいですけどね。
旧海軍から続いてる伝統ですけどやっぱり時代とともに変わっていくものなので…午後1時。
昼食を終えた隊員たちはある重要な日課に臨みます。
海上自衛隊第一体操膝を曲げ伸ばせはじめ!うまいカレーのあとは体操で腹ごなし。
スタミナもやる気も満タンで午後の任務に臨みます!
(テーマ音楽)2015/03/19(木) 21:00〜21:25
NHKEテレ1大阪
きょうの料理 谷原章介のザ・男の食彩「これぞ男の力めし!海上自衛隊カレー」[字]

俳優の谷原章介が、海上自衛隊の護衛艦の厨房へ。毎週金曜日に必ず出される「カレーライス」の味に迫る。旧日本海軍のカレーライスの流れをくむ味に、艦艇ごとに工夫が。

詳細情報
番組内容
国民食とも言われる「カレーライス」。そのルーツは、旧日本海軍が軍隊食として採用していたカレーライスだと言われている。揺れる船の中でも食べやすいとろみのしっかりしたカレーライスは、栄養バランスも満点。その伝統は、今では海上自衛隊に受け継がれ、それぞれの艦艇ごとに工夫が凝らされている。航海に出ると曜日感覚がなくなることから、毎週金曜は必ずカレーライス。今回は、横須賀基地の護衛艦の厨房で、その味に迫る。
出演者
【出演】谷原章介,【講師】海上自衛隊横須賀地方隊,【語り】江原正士

ジャンル :
情報/ワイドショー – グルメ・料理
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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