カンブリア宮殿【世界7億人に安全な水を!ナニワ中小企業オヤジの挑戦】 2015.03.19


東京駅の構内にあるこちらの店にちょっと変わったものが売っているという
それが店の奥の冷蔵ケースにおさまったこのペットボトル。
その名も…
変わった名前だが。
試しに飲んでもらうと
こちらの女性も
ではこのおいしい水どこでとれた水だと思います?
そう実はこれ東京の水道水を詰めたものなのだ
こちらの外国人はひと口飲むなり
東京都の調査によると…
実は東京の水道水売るほどおいしくなったのには秘密が。
それがこのオゾン発生器。
2年前400億円かけて導入した。
強力なオゾンの殺菌力でカルキ臭さの原因であるアンモニアをより分解できるようになった
日本では当たり前のように蛇口をひねればいつでも水が出る。
しかもきれいでおいしい水。
でもそれ世界では少数派だ
アフリカの東に角のように突き出た国
20年も内戦が続く世界で最も危険な国の一つ
そこで厳しい生活を強いられる人々の飲み水はこの川の水
さまざまな排水が混ざり合い驚くほど汚れている
病気になる住民も。
しかしこの水しかないのだ。
そんなソマリアに降り立ったのが日本の中小企業のこのおじさん
やってくるなり村の集会場に住民を集めた。
そして
そう言って取り出したのは
実はこれこそ世界を驚かせるおじさんの商品。
その粉を泥水に入れ…
手早くかき混ぜていく
半信半疑で見つめる子供たち
するとみるみるうちに濁りの原因だった不純物が分離し始めた。
そしてその不純物を取り除くと驚くほど透明な水になった
まずは自らが飲む
初めて飲むおいしい水に誰もが笑顔になった
とってもおいしい!
今夜は世界から感謝される男…
小田が6年の歳月をかけて開発した
その主成分は意外なもの
社名の由来にもなっている
そんな浄化剤の開発により国内外から注目を集めてきた小田。
でもそのビジネス粉を売るだけではない。
小田のビジネスが最も進んでいるのがここ
人口1億5,000万人。
東南アジアの最貧国と言われる国だ。
やはり多くの人々が汚れた水で洗濯や炊事を行っている
小田がここでまずやったのが…
せ〜の!
タンクの中に砂や砂利を入れた簡単な構造。
そこに池の水を引き浄化剤を溶かすだけ。
仕組みはこう。
浄化剤を入れた水をろ過タンクに流す。
そしてそこでろ過された水を再び上のタンクにくみ上げまたろ過を行う
さぁスタート!
浄水施設をつくることで住民たちは定期的に浄化剤を買ってくれるようになる。
価格はその地域によるがここでは…
貧困国相手でも施しではなくビジネスとしてつきあうのが小田流。
でもその水ビジネスはここからが本番。
ポリグルの現地事務所に集まっていたのはバングラデシュの女性たち
その名も
実は彼女たち浄化剤のよさを村々に伝える訪問販売員
住民たちに実演を見せて小分けにした浄化剤を売っていく
この辺りの工場で働くよりもいいという
一方こちらに集まっていたのは白いユニフォームの
彼らのビジネスはまた別のものだ
浄水施設から離れた村々に…
配る相手はポリグルと契約する人々
現地で売られているミネラルウォーターの100分の1の安さだ
大きなビジネスに成長している
小田は浄化剤を売るだけではなく現地のスタッフによるビジネスとして根づかせている
そんな小田の経営する日本ポリグルは大阪にある。
この小さなビル
まさに中小企業
このビジネスを立ち上げた
だってそうなんだから。
全然変わらん…。
そんな小田の水ビジネス。
アフリカで新たな展開を見せ始めていた
今年2月小田がやってきたのはアフリカタンザニアの小さな村
そこでまず案内されたのがある少女の家。
足に大ケガをしていた
なんとこの村では水を得るのが命がけだという
ここが村の住民が水をくみに行く川。
ワニによって毎年死者が出ているという。
でも水はここでしか得られないのだ
小田はそんなワニに悩まされる村に浄水施設を建てた
水源はあの川の水。
ホースを村の中心のタンクまで引き込んだのだ
きれいになった水を20リットル6円で販売。
これは一般家庭のひと月分だ。
住民たちは危険な思いをすることなくきれいな水を手に入れることができるようになった。
汚れた水による病気も少なくなったという
小田は
そのひとつがある村を訪ねてみると今までにない光景が
頻繁にやってくるのは購入した水を大量に自転車に積む人々
実はこの水を遠くの村々に運び売るという新たなビジネスが生まれていた
更に小田が予想もしなかった驚きの展開が。
以前何もなかった浄水施設の近くにわずか数か月でさまざまな店が並んでいた。
水を買いにやってくる人々を狙い商店街ができたのだ
そのなかでも水を求め車でやってくる客に大人気なのがトウモロコシ
一番人気の店をのぞいてみるとポリグルできれいになった水を鍋に入れて茹でていた
きれいな水で茹でたトウモロコシは1本20円。
破格の値段だというが他では食べられないと評判になっていたのだ
小田が作り上げた水ビジネスが人々に笑顔をもたらしそして世界中の人々に感謝されている。
今宵は信念の中小企業オヤジが登場だ
今日は小田さんに日本ポリグルの商品で世界中で活躍している水をきれいにする浄化剤を持ってきていただきました。
こちらなんですけれども…。
これは納豆菌から作られたんですよねいちばん最初は。
今日実際に見せていただけるということで…。
はいじゃあやりましょう。
言葉も通じなくても理解してもらえる。
目の前でやりますとね理解してもらえるからやりやすいビジネスなんです本当は。
すごいおもしろい。
くっつき始めます。
しだいしだいにこうして汚れがくっつきます。
すごいですねこれほんとに目の前で見ると。
うわっきれいな透明になって。
それはやっぱり現地に行ってないとわからないですね。
行かない人はわからないですね。
現地で雇用を生みだしているっていうのもすごいですよね。
ポリグルレディーもですか?すべて行き当たりばったり。
悪く言うと行き当たりばったりですけどやっぱり勘が鋭いんじゃないですか?ただ70歳のトップがソマリアとかタンザニアとかバングラデシュとかって行く会社あんまりないですよね。
どんな危険なところでも俺は行くっておっしゃってましたけどほんとに危険な目にあったりとかっていうのはおありなんでしょうね。
うわぁ怖い…。
奥さんに死に目にあえないことも覚悟するようにとかっておっしゃってるんでしょ?こうやってみますとほんとに悲惨なところで喜んでもらう
小田が新たな製品を開発。
今度は白じゃなくて黒い粉!?濁った水に粉を入れると…。
いったいどうなるの!?
この日日本ポリグルの小田を訪ねてきた人がいた。
2人の大学教授だ
目的は海外での水ビジネスについての研究
そこにいつもの泥水が持ち込まれた
そしておもむろに取り出したのは…。
ん?白じゃなく黒い粉
これをこう入れますよね。
これを浄化剤と同じように水に溶かしていく
やはり同じように汚れが分離
すると小田意外なものを取り出した
電気入れたら磁石になるやつこれは永久磁石…。
それを水に入れると…。
なんと分離した汚れが磁石にくっついてしまった。
教授もびっくり
海などが汚染された場合その有害物質の除去に役立つのではと開発した
実は小田にはアイデア開発者としての歴史がある
大阪大学卒業後ダイキン工業に勤めた小田は…
いきなり大儲けする
それは工場である商品の製造を効率化するアイデアだった。
その商品とは…
当時は薬がついた布とフィルムをぴったり重ねる工程が非常に難しかったのだという
小田はこの仕事で数千万円を儲けた
その成功に気をよくした小田はさらに有望なアイデアを思いつく
それは鍵が不要。
数字でドアを開け閉めする電子ロック。
ところが…
当時の小田はとにかく大儲けしたい。
それだけを考えてビジネスを模索していた
そんな小田に転機が訪れたのが
神戸で被災した小田は水道が使えなくなるなか…。
水を求めて給水車の列に並んだ。
その長い長い列の待ち時間。
小田はふと池の水を見て思った
まさにそれがきっかけだった
しかしやはりこのときも…
まずは手始めに道頓堀の水をきれいにしようと大阪府に売り込んでみたが…。
相手にされなかった
ところが思わぬところから引き合いが
小田の浄化剤は異国の被災地で水不足を解決する救世主として活躍したのだ
その後小田の水ビジネスは日本ではなく…
今ではこんな状況に
小田を出迎えたのは
かつて儲けることだけを考え続けた男はいつしか感謝されることをエネルギーに世界を駆け回っている
ここで小田さんのですね簡単な個人史っていうものを紹介させていただきたいんですが。
はいこちらです。
これ基礎工学か何か…?そうです。
このときにセーフティーロックみたいの作って倒産するんですよ。
毎日釣りしたんですか?そのあとですね技術系のコンサルタントとか企業に技術指導とかして…。
有名なやつとしてはいわゆる包装紙かなんかを大量生産するときにそこにマーキングする…。
ほとんどの包装したお菓子でもいろんなティッシュペーパーでも黒いマークがありますよね?黒いの…。
あれは私の発明。
その発明とはパッケージの裏についているこの黒い印。
機械がこれを読み取ることで正確な位置でフィルムを裁断できるというのだ
それで特許とってないんですよ。
とってたら大変ですよね。
いや今頃ビバリーヒルズでも住んで…リッチになって。
これですよこれ。
これで水を浄化できると。
これで大儲けできると?そうです。
いっぱいいいもの作ったのにね。
せっかくこれを開発したのに日本ではまるっきり無視されたんですか?そこで転機がタイのスマトラ沖地震ですよね。
きれいになっちゃったから。
そのときに大儲けっていうのは頭から少し消えたんですか?いやいや消えてません。
まだ消えてないですよね。
どっかで大儲けできるかも海外の国かもしれないけど。
いよいよバングラデシュと…。
それでまたみんな喜んだんでしょ?喜んでね…。
それその村の村長かなんか?村長や郡長という…そういう人たち。
実はこのとき小田はその後の人生を変えた大きな決断をする
小田は同行していた現地の実業家たちからこんな誘いを受ける
するとこのやりとりを見ていた村長が小田にこんな相談をした
小田は迷うことなく村長との取引を選んだ
お金持ちの人が自分たちと一緒にビジネスやろうって言ったのを断ってその村長とか郡長とかが言うようにバングラデシュの本当の民衆と一緒にビジネスを始めたと。
そこが出発点かもしれないですね。
そうですねこれが出発点です。
もしお金持ちのほうに売ってたらもっとお金入ってたわけでしょ?たぶんね。
ひょっとしたら大儲けできたかもしれない。
できたでしょうけどもでも小田さんずっと大儲け大儲けって言ってたんですよ?その大儲けをしたいって気持ちはどうやって消えていったんですかね?私はたぶん
今や途上国のビジネスで先頭を走る小田。
そんな小田に憧れ途上国で貢献したいという若者が急増中。
しかし小田は
この日都内であるビジネスコンテストが開かれた
競い合うのは途上国向けビジネスのアイデア。
この日は最終審査
審査員席には小田の姿が。
途上国ビジネスの先駆者として招かれたのだ。
今そんな途上国ビジネスはBOPビジネスと呼ばれている
それはピラミッドの底辺にいる貧困層のこと。
しかし貧困層とはいえその数はなんと40億人。
市場規模にして巨大マーケットなのだ
今小田のようなBOPビジネスで社会に貢献したいという若者が増えている
例えばこの女性
彼女のアイデアはアフリカの家庭に薬を置き使った分だけ支払ってもらういわば富山の薬売りシステム。
ところが小田
一方この男性はすると
途上国を相手に10年以上ビジネスをしてきた小田。
その言葉は厳しくそして重い
再びここはタンザニアの田舎町
1年の半分は海外に出向くという小田。
この日は若手スタッフを連れていた
彼女も途上国でのビジネスを志し小田のもとにやってきた
翌日水野は小田に1人で行動しろと命じられた
自分の足と目で現地の状況を見なければ何もわからない。
それが小田の教えだ。
早速現地で聞き込みを開始。
この村は浄水施設ができたもののまだ泥水を使うことも少なくないという
この経験がやがて次の現場で生かされていくはずだ
グッドモーニング!グッドモーニング!
小田がこの日水野を連れて訪ねたのはタンザニアにもできたばかりのポリグルの現地事務所
小田は現地のスタッフと対話しながらやる気を引き出していく
思いやりをもって人々に寄り添う。
それがBOPビジネスの要。
そんな小田イズムが今若い力にも着実に受け継がれようとしている
小田さんBOPビジネスと呼ばれているのはどういったものなんですか?ピラミッドのいちばん下ってことですよね。
だって貧乏だからって…。
幸せじゃないとは限らないですもんね。
僕キューバが好きでよく行くんですけどキューバ人は日本っていうとあのダムだとか言うんですよ。
なんとかの会社のなんとかって名前だけ覚えてるんですよね。
会社忘れてなんとかが指導して造ってくれたんだとダムを。
そういったものは途上国にはいっぱいあってですね案外個人の人が頑張ってその国の人に感謝されたりして結果日本がリスペクトされるっていうかそういうことってありますよね。
だからこれだけは言い切れるんですが
今日も異国の地で人々のために奔走する小田
きれいな水を世界中に届けたいと奔走する小田。
現在74歳の小田には大きな夢があるという
小田の取り組みは一歩一歩ではあるが着実に実を結び始めている
収録を終えて村上龍はこんなことを考えた
2015/03/19(木) 22:00〜22:54
テレビ大阪1
カンブリア宮殿【世界7億人に安全な水を!ナニワ中小企業オヤジの挑戦】[字]

汚れた水に入れるだけでキレイになる不思議な粉を生み出し、世界中の人々に安全な水を提供する日本ポリグル小田兼利。人々の生活をも大きく変えている、その挑戦を追う。

詳細情報
番組内容
地球上で安全な水を利用できない人は7.5億人に及ぶという。そんな世界の貧困地域に足を運んでは、汚れた水を安全な飲み水に変える中小企業経営者がいる。日本ポリグルの小田兼利だ。独自に開発した粉末を泥水に入れてかき混ぜれば、きれいな水になる…。その魔法のような水質浄化剤で、バングラデシュ、インド、タンザニア、ソマリアなどに次々と給水設備を建設。
番組内容続き
さらには現地の住民による運営システムを構築するところまで手掛けている。今後広がりを見せるといわれるBOP=貧困地域向けビジネスの成功事例として、国内外から大きな注目を集めている。大阪の中小企業が、いかに世界で注目される存在になったのか?その足跡とともに、さらなる挑戦を追う。
出演者
【ゲスト】日本ポリグル 会長 小田兼利
【メインインタビュアー】村上龍
【サブインタビュアー】小池栄子
関連情報
【ホームページ】

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