Q. 撮影は終了しましたが、出演のご感想をお願いいたします。

「最初は、正直不安な面もありました。産後離婚というデリケートなテーマを扱いますし、脚本はドラマオリジナル。プロデューサー、監督、出演者と制作に携わるみんなが手探り状態でした。何より視聴者のみなさんが、どのような反応をして下さるかが全く想像出来なかったんです。1話が放送され、みなさんの反応をいただいて“この作り方で良いんだ”となってからは、陽一を楽しく演じることが出来るようになりました。その上で、産後離婚という現象をこれ以上増やしたくない…という気持ちが芽生えました。すでに結婚されている方、僕のような未婚の方たちにとっても家族、父親などを改めて考えることが出来るドラマになったのではないかと思います」

Q. 周囲の方々の反応はいかがでしたか?

「“妻と一緒に見るのは辛い”と言う、男性もいましたが(笑)、結構ご夫婦で見て下さっている方も多かったですよ。また、夫婦別々でもちゃんと見て下さっている方もいらっしゃいましたし…。実生活で子育てに直面されている方々が見て下さっていることは、何より嬉しかったです」

Q. 撮影を通して、印象に残ったことは?

「僕は華を演じてくれた(小林)美友ちゃん莉緒ちゃんが、ある意味このドラマの主役だと思っているんです。彼女たちがいなければ、このドラマは成立しませんから。撮影が始まった頃、2人はまだ生後8か月でした。そんな小さな子供とお芝居するのは、もちろん初めてなので…本当に未知の体験でした。いったい、どうなるんだろう? とさえ、思っていました。でも、いざ収録が始まると、彼女たちがいることによって現場の雰囲気がものすごく和らぐことが分かったんです。スタジオでもロケでも、僕たちにいつも笑顔を提供してくれたのが彼女たち。演技も優秀で…感心させられることも多かったです」

Q. 撮影の進行とともに、美友ちゃん莉緒ちゃんはどんどん成長しました。

「彼女たちにとって、本当に貴重な体験だったでしょうし、その間の成長を見させていただいたこと…何より、大切なお子さんの3か月間を僕たちの収録に預けて下さった2人のお母さんに感謝したいですね」

Q. 玉木さんご自身も、お2人のようなお子さんを持ちたいと?

「以前から何となく、自分の子どもは欲しいと思っていました。でも、このドラマで改めて父性が強くなりました。どんな子どもが良いということではなく、子どもも10人10色。家族の形態もそれぞれだと思うので、僕自身、子どもと子育てについて、すごく勉強になりました。妻を支えるということについても同じですね」

Q. 具体的に子育てについては、どのような感想を?

「やはり、男は自分がお腹を痛めるわけではないですし、父親が働いている場合も、共稼ぎでも夫婦の生活リズムって全く違うので、夫婦がお互いに寄り添う努力をしなければ、乗り越えられないことが出て来てしまいます。子育てに関しては、男の方によりその気持ちが大切になるかもしれませんね」

Q. 改めて、知里役の倉科カナさんの印象は?

「倉科さんは、磁石のN極とS極のように、スッと引き合ってしまうような雰囲気を持っている方。変な壁がないんです。夫婦の芝居って、お互いの距離感が大事になると思うんです。倉科さんが知里を演じて下さったおかげで、その距離感が埋められました。でも本当に穏やかで、和やかな役者のみなさんが集まったドラマでした」

Q. ドラマのストーリーは、8話からまさに佳境です。

「当初からプロデューサーの小原さんに“陽一と知里は離婚調停になる”と言われていました。なので、覚悟はしていたんですが、台本を読んだ時、“陽一、ひどいな”と(笑)。ただ、それは僕の感想であって、その気持ちで陽一は演じられませんから、最後まで陽一を肯定しながら演じました」

Q. 細井茂(岸谷五朗)の無責任なアドバイスも面白かったです。

「結果的に、陽一の知里へのウソを助長する原因でしたね。だから、離婚調停へ至る過程の茂とのやり取りは難しかったですね。それまでの軽妙なコメディー感だと、陽一があまりにも酷い男に見えてしまいそうで。逆に、罪悪感が占めてしまうと“だったら、そんな行動するなよ”と、なってしまいます。その間の戸惑っているイメージを出さなくてはいけない芝居場ですので、さじ加減が難しかったです」

Q. 監督などにも相談されましたか?

「もちろんです。今回、良かったと思うことは、アイデアが豊富なスタッフが集まっていたことです。出演者、監督、美術や技術まで、本当に全スタッフのアイデアがすごくて…。“じゃ、こうしてみよう”、“これもあるよ”という事を発信して、実現出来てしまう人たちです。アイデア=個性でもあるので、オリジナル脚本という個性を出すためにも最高のスタッフだと思います。全体を通して、やりがいがありました」

Q. いよいよ、次は最終回になります。

「このドラマの終着点ですね。でも、陽一や知里たちには、その先の人生も続いていきます。ですから、ドラマではどんな結論になっても、キャラクターにとって前向きな終わり方をすると思っていましたし、多分、そうなっていると思います。果たして、それがどういう形なのか? 陽一たちだけでなく、細井家や須藤家、その他のキャラクターに関しても…。ずっと見て下さったみなさんには、最後の最後まで、引き続き温かく見守っていただきたいです」