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 風刺が売りもので、連続テロの標的になった仏週刊新聞「シャルリー・エブド」が、東京電力福島第一原発の事故を揶揄(やゆ)する漫画を掲載した。原発からの放射性物質の影響で鳥が巨大化したと思わせる内容だ。

 18日に発売された最新号で「春」と題する3コマの漫画を載せ、フランスの原発を題材にした後、最後のコマに「fukushima」として煙を上げる建屋を描いている。その近くで防護服姿の2人が「初ツバメだ」と言いながら、鳥とおぼしき足跡の前にたたずんでいる。足跡は人間の背丈の2倍ほどの大きさだ。

 シャルリー・エブドはタブーを設けぬ編集方針で、イスラム教徒が嫌悪感を抱く預言者ムハンマドの姿を載せるなどしてきた。テロ後は、「表現の自由」のシンボル的な存在になった。日本の原発事故を揶揄したことについて、在フランスの日本大使館は「遺憾だ」としつつ、「今回の風刺と現実とが異なることは、良識あるフランス人には理解してもらえる」として抗議はしない方針という。

 福島原発の事故に関連して、フランスの別の週刊紙が2013年秋、爆発した原発施設を背景に腕や足が3本ある力士が相撲をする姿を描いたことがある。(パリ=青田秀樹)