川田俊男
2015年3月18日10時34分
九州電力川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)について、原子力規制委員会は18日、再稼働の前提となる工事計画を認可した。今後、九電の申請を受けて現地での設備検査に入る。新規制基準を満たすための新たな設備が多く、検査に時間がかかることから、再稼働は夏以降になる見通しだ。
一連の国の手続きは最終段階を迎える。規制委は昨年9月に1、2号機の安全対策の基本方針について、新規制基準を満たすとして許可した。この方針に基づいて対策の詳しい設計を記した「工事計画」を審査してきた。規制委は九電の申請をもとに現地での検査に入り、設備が認可した計画通りかどうかを確認したうえで合格証を出す。
規制委は、安全上重要な機器については立ち会って確認し、他の機器も九電の検査が適切にできているかを書類や抜き取りなどで見ていく。実際に機器を動かすなどして性能も確認する。原子炉を起動させた後も検査は続くが、起動前までの検査には少なくとも2カ月以上はかかる見込み。
九電は1号機を先に再稼働させる方針を立てている。だが、2号機と共用する設備もあり、再稼働には2号機の認可や検査も必要。九電は2号機の申請書類を4月中旬にも提出し、共用部の検査を優先させる考えでいる。このほか、運転や事故時の対応の手順を定めた保安規定の認可も、核燃料を原子炉に入れるまでに必要になる。この申請書類の提出も4月中旬以降になるという。(川田俊男)
PR比べてお得!