大久保直樹
2015年3月20日11時20分
関西電力高浜原発の地元、福井県高浜町の町議会は20日午前、高浜原発3、4号機の再稼働への同意を全員協議会で取りまとめ、野瀬豊町長に伝えた。野瀬町長は4月12日に投開票される福井県知事選と県議選の後に同意について判断する意向を示した。
町議会は原発推進派が大半を占め、東京電力福島第一原発事故から半年後の2011年9月には、原発の再稼働推進や老朽化原発の建て替えなどを求める意見書を可決。今月4日にも高浜3、4号機の速やかな再稼働などを求める意見書を可決し、国に提出した。
町は住民説明会を開かず、今月3日から15日まで、原子力規制庁がつくった新規制基準の適合審査の解説ビデオを町ケーブルテレビで放映。町民から受け付けた質問に対する回答を町ホームページで近日中に掲載する。同町に住む元京都大原子炉実験所職員の東山幸弘さん(68)は「再質問ができず、ビデオは住民説明会の代わりにならない」と町や町議会の対応を批判している。
一方、地元住民らが福井地裁に高浜3、4号機の再稼働の差し止めを求めた仮処分申請について、地裁が今月内にも判断を示す可能性があり、差し止めを命じる決定が出れば、2基は当面、再稼働できなくなる。(大久保直樹)
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