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静岡《経済》 LEDで富士山ライトアップ 20年実現へ
東京五輪が開催される二〇二〇年、世界文化遺産の富士山をライトアップする−発光ダイオード(LED)を使った照明装置を手掛けるベンチャー企業・パイフォトニクス(浜松市東区)の池田貴裕社長(39)が提唱し、協力の輪を広げようと取り組んでいる。雪をかぶった山頂付近を裾野から遠隔照明システムで照らし、夜空に浮かび上がらせる壮大なプロジェクトだ。「過去に富士山をライトアップしたという記録はない。年末までに実験を始めたい」と意欲をみせる。 富士山ライトアップは、同社が二〇一二年十一月に県ニュービジネス大賞を受賞した際の講演で初めて披露した。その後、専門家らのアドバイスを得て経済波及効果などのデータを加え、計画の骨子を固めた。 使うのは自社開発の照明装置「ホロライト」。十センチ四方の箱形で、照射部に特殊なレンズを配置することで光が真っすぐ進む指向性を高め、狙ったポイントだけを照らせるのが特徴だ。 レンズの種類と、内部のLEDの種類や配列を組み合わせることで多彩な光のパターンが生まれ、一連の技術で特許を取得している。四角や丸だけでなく、線や虹のようなアーチを光で描くこともできる。 特定箇所を集中して照射できるため金属やガラス板の表面の傷を調べる検査用に適している。建築現場でペンキの代わりに光でラインを描いて施設を汚すことなく事故を防止したり、舞台やテレビで演出に使ったりと用途が広がっている。〇九年には浜松市で開かれた「浜松モザイカルチャー世界博」で、舘山寺温泉で対岸から大草山に「大」の字を照射する実験も行った。 ◇ 今回のプロジェクトでは、角形タイプのホロライト十六個で作った千二百ワットの一セットを、五十セット並べて一つの遠隔照明システムとする。計算上は直線距離で約二十キロ先まで照らせるという。二〇年の本番では、富士山をぐるりと囲むように十地点に配置する考えだ。 実験では白の単色ライトを使うが「二〇年までにさらに技術革新が進む」として、五輪にちなみ五色のライトを当てる案もある。 具体的な設置場所は未定だが、場所の提供や資金面で協力してくれる自治体を募る案もある。賛同企業の募集や、インターネットで一般から資金を集めるクラウドファンディングの手法も検討中だ。遠隔照明システムの電源に、太陽光などの自然エネルギーを使うことも考えている。 六月までに実験の準備を整え、県や国から必要な認可を得る予定。順調なら年末までに一回目の実験を行い、年明け以降も月一回のペースで続ける考えだ。 池田社長は「光技術は企業や行政、アーティストなど、さまざまな分野の人を結び付け、融合させることができる。中国や韓国との協力も可能で、国際平和にも貢献できるはずだ」と、プロジェクト実現に向け期待を膨らませている。 (瀬戸勝之) <パイフォトニクス> 光学機器メーカーで、ホロライトが主力商品。池田貴裕社長は徳島大大学院工学研究科を修了後、2000年4月に浜松ホトニクスに入社。最先端の光技術を活用した起業家を育成する光産業創成大学院大に入学し、在学中の06年10月に設立した。14年11月に「ニッポン新事業創出大賞」アントレプレナー部門の最優秀賞(経済産業大臣賞)を受賞。資本金3840万円。14年9月期の売上高は8900万円。従業員8人。 PR情報 おすすめサイトads by adingo
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