これを読んでいただいたら分かると思うのですが,日本の裁判ってものすごく基本的なところからして恣意的なのです。
敗訴しても仕方がない。とにかく日本の裁判がおかしい証拠を集めるほうが先決です。
いま証拠を集めておけば,後で必ず活きます。
それにしても,我ながらイヤイヤながらよく書いたなあ。
もう陳述という手法にならないから,こういう書き方しなくても良かったといまとなっては思うのですが,まあいいや。
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平成26年(ネ)第6480号 債務不履行等請求控訴事件
控訴人 大西 秀宜
被控訴人 株式会社 AKS
キングレコード株式会社
グーグル株式会社
控訴人 準備書面2
平成27年3月19日
東京高等裁判所 第23民事部 御中
〒 121- 0813
住所 東京都足立区竹の塚1-29-11 菅野ビル401(送達場所)
控訴人 大西 秀宜 印
電 話 070-6969-9177
第1.本資料の趣旨
本審は本年3月2日(月)に結審したが,結審時に主張したとおり,被控訴人キングレコード準備書面(1)に関して,法律解釈の基本的な誤りなどがあり,どうしても反論しておくべき事項があるため,反論する。
第2.主張する内容
被控訴人キングレコード準備書面(1) 内, 第2 控訴理由に対する反論に対する反論 1 控訴の理由第2について について,控訴人は全てに対して争う意思があり,以下の通り主張する。
なお,被控訴人キングレコードによる記載は斜字体とする。
その1 2 控訴の理由第3について (6)について 被控訴人らの主張ならびに原判決は,①個人情報保護法の運用に基づかない違法収集証拠に関して,違法収集証拠であるかどうかの検討も為さぬままに②控訴人に対して不利益な判断を為した上で遡及適用し採用している件
1. 仮に控訴人の主張が正しいとすると,個人情報取扱事業者は,第三者と連絡や会話を交わした際,当該第三者に対して持つに至った印象や感想などをすべて当該第三者にその場で通知しなければ個人情報保護法に違反することになってしまう。このような解釈が極めておかしいことは一般人でも容易に理解できることである。
2. 被控訴人キングレコードは以上のとおり主張する。
もちろんその場における会話について,担当者が感想を抱くのは当然であるし,さらには他の担当者に対して「匿名の者の主張として」伝言することに関しては問題とはならないことは,控訴人も認識するところである。
3. 然るに,個人情報保護法が問題とするのは,当該第三者に対して持つに至った印象や感想などを,「個人を特定して」被控訴人キングレコードなり被控訴人AKSなりが事業者として共有する場合であり,控訴人は原審当初より一貫してこの点に関して問題として主張している。
4. もちろん,当該“(6)について”に示す会話時の内容や行為に関して,控訴人に重大な法律違反行為が存在すれば,被控訴人らはそれを防止するための行為を為し,その防止行為が民法第720条に規定する正当防衛と判断される場合は,損害賠償の責任を負わないことと同様に,個人情報保護法の各項に違反する運用の責にも問われない場合があり得るとは考えられる。
5. 然るに控訴人の場合は,被控訴人AKS自らが,第1準備書面(被告AKS)において,7頁最下段にて控訴人が当該握手にて罵声を浴びせていないこと,並びに12頁最下段にて控訴人が被控訴人AKSから出入禁止措置を取られていないことを記載している。このため,当該“(6)について”に示す会話時の内容や行為に関して,控訴人が重大な法律違反行為を為していないことは明らかである。
6. さらに控訴人の場合は,控訴理由書13頁にて述べたとおり,以下の通り主張する。
被控訴人AKS は,控訴人に対して,ファンレターの内容が問題であると主張していないことを,被控訴人AKS だけでなく裁判所も認めているのであるから,岩田華怜に対するファンレターの送付に関する法的関係において,控訴人に瑕疵はなんら存在しない。
7. 以上を総合すると,控訴人に対して被控訴人AKS は①平成25年11月23日以前に控訴人によるファンレターの送付が問題であると主張した事実はなく,その上で②平成25年11月23日における当該握手において控訴人が岩田華怜に対して罵声を浴びせたこともなく,問題となる事実がないからこそ③控訴人は被控訴人AKSから出入禁止措置を伝えられていないのであるから,①~③により,控訴人に関する個人情報を,「個人を特定して」被控訴人キングレコードなり被控訴人AKSなりが事業者として取得し共有することは,個人情報保護法第16条などにおいて規定した方法からは著しく逸脱する内容であるために,違法である。
8. 原判決のごとく「社会通念」の存在を前提として,個人情報保護法第16条に規定しない方法による収集を認めた場合,被控訴人AKSをはじめとした個人情報取扱事業者が,控訴人をはじめとした第三者に対して,「社会通念上問題である」と判断した時点から個人情報を収集して良いこととなり,個人情報保護法第16条において,あらかじめ本人の同意を得ないで個人情報を取り扱ってはならないとされていることに明確に反する。このため,原判決は法律解釈を誤っている。
9. また,個人情報保護法第16条3項二及び三には,同法16条1項の適用除外理由を以下のとおり定めている。
二 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
三 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるとき。
10. これらが控訴人に当てはまる場合について検討を加えたとしても,控訴人の為した岩田華怜へのファンレター送付に関してはいずれも,第1準備書面(被告AKS)頁2において被控訴人AKS自らが,控訴人が毎日劇場に来ていた旨を認めていることからも,“本人の同意を得ることが困難であるとき。”とは到底認められない。
11. なお,被控訴人AKSが毎日のように控訴人を見かけ,控訴人に話しかける機会があったことは,本訴において重要な事実であって,原判決文において前提事実として認めていないことは問題である。
12. それでも裁判所としては,岩田華怜が泣き崩れた平成25年11月23日における控訴人との会話後に被控訴人AKSらが収集した情報に関しては,法的関係を精査した後に,やむを得なかったと判断することも,控訴人の主張とは異なるとしても可能であると控訴人は理解する。
13. 然るに控訴人は平成25年11月23日以降,被控訴人AKSを通して岩田華怜に対してファンレターを1通たりとも送付していないのであるから,被控訴人AKS及び被控訴人キングレコードが,控訴人の岩田華怜に対するファンレターについて問題であると主張することはできない。
14. それにもかかわらず,たとえば第1準備書面(被告AKS)頁15中段ないし頁18,並びに被告キングレコード準備書面(1)頁11ないし頁12に記載する内容から,平成25年11月23日よりも前に,控訴人に関する個人情報を,「個人を特定して」被控訴人AKS及び被控訴人キングレコードが,事業者として共有していたことを自認するものである。
15. 加えて,被控訴人キングレコード準備書面(1)においても以下の通り,新たに,平成25年11月23日よりも前に,控訴人に関する個人情報を,「個人を特定して」被控訴人AKS及び被控訴人キングレコードが,事業者として共有していたことを旨の主張が為されている。
2 控訴の理由第3について
(3)(控訴人略)
控訴人の主張が何を意図したものかまったく理解不能であるが,原判決は,控訴人が岩田に出していたファンレターの内容のみを取り上げたのではなく,それ以外にも控訴人が岩田に対して行っていた数々の言動(それらについては控訴人自身も認めているものである。)を「社会通念」に照らして判断し,被控訴人キングレコードらが握手を拒否する正当な理由があったと判示しているのである。
16. そもそも控訴人は,被控訴人AKSに対して,岩田華怜に対するファンレターの内容について特段の問題がないことを,平成25年11月23日よりも前に何度も確認した事実があるのである。当然のように,岩田華怜に対するファンレターの内容以外の控訴人の行動・言動に関しても,被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードが控訴人に対して問題であると判断していれば主張する機会を,控訴人はわざわざ設けたのである。(なおこれは,控訴人は自身の行動・言動を問題と認識したからではなく,甲第2号証に示すような判断を被控訴人AKSがしている可能性があったために為したものである)
17. その上で被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードが,控訴人に関する個人情報を収集していたとすれば,それが仮に「社会通念上」ふさわしくない内容であろうとも,個人情報保護法第16条において規定していない利用目的での内容であり,収集した行為自体が違法である。
18. またそもそも,控訴人が平成25年11月23日よりも前に被控訴人AKSに対して何度も,控訴人のファンレターの内容が問題でないことを確認した事実があることから,最後に問題でないことを確認した時点以前に関して,民事刑事を問わず訴訟において一般的とされる不利益不遡及の原則(最高裁第3小法廷平成8年3月26日判決(朝日火災海上保険(高田)事件),東京高裁平成18年4月19日判決(高宮学園(東朋学園)事件)など)が該当し,被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコード,さらに裁判所は,控訴人のファンレターの内容について遡及して判断を加えてはならない。
19. この主張については,被控訴人キングレコード準備書面(1) 第2 控訴理由に対する反論1 控訴の理由第2について(1) にて,”原判決においてそれぞれの不法行為を時系列に添って記載しなかったことが請求原因事実の存否とどのように関係するかについて,控訴人はその法的根拠を何ら主張しておらず,失当である。”として記載してきたことから,因果関係が判例としてどのように解釈されてきたかの法的根拠の説明が不足していたと考えるに至り,今回解釈の補助となるべき司法解釈の原則ならびに判例を追加するものである。
20. 東京高裁平成18年4月19日判決(高宮学園(東朋学園)事件)判決文中における“このような規定のなかったときに勤務時間短縮措置を受けた従業員にまで遡って不利益を及ぼすことは、信義誠実の原則に反して許容することができないものというべきである。”という文面に照らしても,被控訴人AKSの行為は“控訴人にファンレターなどに関する問題について通知していない時点に遡及して不利益を課すことは,信義則に反し許容できない”ことは自明である。
21. 違法収集証拠に関しては,たとえば東京地方裁判所平成18年6月30日判決(違約金等請求事件)において,違法収集証拠の証拠能力に関しての判断根拠として
その証拠が,著しく反社会的な手段を用い,人の精神的,肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって収集されたものであるなど,それ自体違法の評価を受ける場合は,その証拠能力も否定される
と判示されたことが引用できる。
22. 個人情報保護法第16条等の運用に則っていない,控訴人の出したファンレターに関する個人情報収集は,上記判示における“それ自体違法の評価を受ける場合”に明確に合致するために,当然のようにその証拠能力も否定される。
23. これらの法的根拠から,裁判所は「社会通念」に優先して,①個人情報保護法の運用に基づかない違法収集証拠に関して,違法収集証拠であるかどうかの検討をした上で,②控訴人に対して不利益な判断を為した上で遡及適用しているかどうかについて検討する必要がある。
24. 裁判所がそれでも,控訴人が「社会通念上」問題であるファンレターを出し続けたことを問題視する可能性もあるため,控訴人は再度不利益不遡及の原則を引用して具体的に主張する。
25. 被控訴人AKS郡司は平成25年11月23日,控訴人に対して第1準備書面(被告AKS)頁7項(32)において,控訴人のファンレターを岩田華怜に対して渡していると明言し,特に控訴人に問題点が存在する旨を指摘しなかった。
26. 控訴人のファンレターに関しては,仮に「社会通念上」ふさわしくない内容であろうとも,個人情報取扱事業者である被控訴人AKSは,そう認識して個人情報を収集しようとするときも,事前の本人の同意の必要性を示した個人情報保護法第16条,ならびに取得した個人情報の利用目的の通知の必要性を規定した第18条に対応して運用せねばならないのである。
27. そして,控訴人は被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードらから,なんらの注意も受けなかったのであるから,控訴人は甲第9号証ならびに個人情報保護法各項を信用し,控訴人にとりたてて問題はない,問題があれば何らかの通知を受けるはず,と考えていたのである。
28. 仮に控訴人が平成25年11月23日以前より,控訴人のファンレターの内容や行為が問題であると被控訴人AKSらから指摘されれば,具体的にどこが問題なのかを被控訴人AKSらと確認した上で,控訴人は改善する努力をしたはずであり,被控訴人AKSにおいて個人情報保護法第16条及び第18条が遵守されていれば,問題とされている内容を控訴人が書くことはなかったのである。
29. ところが実際には, 被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードは,控訴人に関して収集したファンレターなどやそこから抱いた感情について,事業者として連絡を取り合う前に,①控訴人に対してファンレターの内容などを個人情報として収集したこと,さらには②控訴人の書くファンレターの内容などが問題であることを控訴人に対して主張すべきであったにも関わらず主張しなかった。
30. そして被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードは,第1準備書面(被告AKS)頁15中段ないし頁18,並びに被告キングレコード準備書面(1)頁11ないし頁12に記載する内容などを,訴訟においてはじめて,問題であるとして主張してきた。
31. このことは,東京地方裁判所平成18年6月30日判決(違約金等請求事件)に照らしても,控訴人の為した行為やファンレターに関しては,それを「社会通念上」問題と裁判所が判断する以前に,証拠能力を否定されるべき違法収集証拠に該当する。また,控訴人に対してファンレターについて問題でないと被控訴人AKSは主張し続けたことが虚偽であることからも,信義則違反ならびに不利益不遡及の原則が当てはまり,無効である。
32. ここで,不要とも思われるが,被控訴人キングレコードならびに原判決があまりに恣意的な法律解釈をしてきていることから,念のために“信義則違反”に関しても法的解釈を示す。
33. そもそも被控訴人AKSらが,個人情報保護法各項に違法する行為をした上で,控訴人に関して「社会通念上」問題であることを主張することは,民法第1条第2項に規定する信義誠実の原則のうち,“自ら法を尊重し、義務を履行する者だけが、他人に対しても、法を尊重することと義務を履行することを要求ができる”とする ②クリーンハンドの原則に反する。
34. また,被控訴人AKSが,控訴人に対して岩田華怜に対するファンレターなどの個人情報に関して問題がないと言いつつ収集し続けたことは,“自分の言動に矛盾した態度をしてはならない” とする ①禁反言(エストッペル)の原則に明確に反する。
35. なお,被控訴人AKSは,控訴人は被控訴人AKSがファンレターの内容を閲覧することを許諾していた旨を主張しているが,それはあくまで個人情報保護法ならびに甲第9号証に示す内容に則り,個人を特定することなくファンレターの文面のみを機械的に検閲し,問題があれば返却(ないし,甲第9号証に記載はないが,業界内における一般的慣習として改変)することについては認めていただけである。
36. 甲第9号証に示す内容をどのように読んでも,問題人物として個人を特定して,被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードの間にて個人情報を収集することまでもが,個人情報保護法第15条に規定する利用目的に従って記載されているとは到底言えず,利用目的として,“被控訴人AKS並びに被控訴人キングレコードの間にて,「社会通念上」問題であると判断した個人に関する個人情報を収集する”ことを一般人が認知するに十分な記載であるとは到底認められない。
控訴人はそのような個人情報の利用について認めた事実もない。
37. 控訴人は以上のとおり,①違法収集証拠排除則 ②不利益不遡及の原則 について主張したが,これは訴訟において当然の前提となる考え方を記したものであり,主張を新たに付け加えたものではない。原判決ならびに被控訴人キングレコード準備書面(1)を読み,訴訟において当然の前提として考慮されるべき法律や判例について考慮されない可能性を認識したために,念のために記載したものである。
その2 その1各項により,同様に被控訴人キングレコード準備書面(1)準備書面に記載されている以下の各項が否定される。
1. 1 控訴理由書第2において
(1)控訴人は,控訴理由書第2において,原判決が時系列の因果関係を恣意的に誤ったなどと主張する(控訴理由書3頁)。
2. 2 控訴理由書第3において
(1)控訴人は,控訴理由書第3において,「争いがない事実のみを判断材料としており,争いがある事実に関して因果関係を基に法的関係を検討したとは到底いえない」などと主張する(控訴理由書7頁以下)。
3. 2 控訴理由書第3において (2)(控訴人により途中より抜粋)
同(3)(19頁以下)において被控訴人AKSのなした行為が不法行為にあたるか否かについて具体的に認定及び判示しているのであり,事実及び理由についての検討が不十分であるなどということはまったくない。
4. 被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが,個人情報保護法第16条などに違反した不法行為により収集したと控訴人が主張するファンレターについて,不法行為の事実認定を行うことに優先して,「社会通念」を当てはめて,裁判所が控訴人に不利な判決を下すことは,東京地方裁判所平成18年6月30日判決(違約金等請求事件)における判例をはじめとする違法収集証拠排除則,ならびに東京高裁平成18年4月19日判決(高宮学園(東朋学園)事件)における判例をはじめとする不利益不遡及の原則に全く則っておらず不当である。
5. これらのなお不法行為の事実認定に関しては,控訴人,被控訴人双方に争いがある。それを認定するためにはいつ誰が控訴人に対して,ファンレターの記載内容に関して問題であると主張したかに関して,時系列に沿って事実関係を明らかにせねば判明しないことであり,裁判所が原判決においてこれらの不法行為の事実認定をすることなく違法収集証拠を違法とさえ認めることなく,個別に盲目的に採用したのは,極めて恣意的であり認められない。
その3 1 控訴理由書第2(2)に関する反論
1. また,控訴人は,控訴理由書第2において,原審における被控訴人AKSの準備書面における記載が控訴人に対する名誉毀損であるなどと主張する(控訴理由書5頁以下)。
2. しかしながら,原審の口頭弁論期日において裁判所が指摘していたように,準備書面における記述が名誉毀損にあたるか否かは本訴訟における控訴人の請求とは何らの関係もないものであり,請求の追加もなされていないのであるから,これについて原判決が判断を加えないのは当然である。
3. 本件は,民法による損害賠償を規定した条文がないための主張であると思われるが,控訴人は控訴理由書にも記載したとおり,平成26年2月24日付 補正命令に対する補正資料 頁7項26において,被控訴人AKS,キングレコード,グーグル日本法人からそれぞれ名誉毀損を受けた旨を記載し,その上で民法第709条における損害賠償請求を為しているのである。
4. その上で,平成26年6月13日付 原告 準備書面 その4 頁3項2において,被控訴人AKS及びキングレコードが提出してきた準備書面に関して,“名誉毀損と断定して新たに主張するものである。”と記載し,訴えの追加的変更を主張している。
5. この書面を受け,たとえば被控訴人キングレコードは,平成26年7月10日付 被告キングレコード準備書面 (2) 第1 訴えの追加的変更において において否定した。(なお,被控訴人グーグルも同様に否定した。また被控訴人AKSは陳述しなかった。)
6. そして,平成26年7月16日に行われた原審第3回口頭弁論において,舘内比佐志裁判長は,原告の訴えの追加的変更を認める旨の発言をしたのである。
7. 以上から,被控訴人キングレコードの本項における主張は事実と異なる。仮に裁判所の記録が,被控訴人キングレコードの本項における主張の通りであるならば,何らかの理由により裁判所の記録自体が誤っていることとなる。
その4 1 控訴理由書第2(4)に関する反論
1. 控訴人は,原判決が,被控訴人キングレコードらがAKB48のメンバーに対して性的な表現を含む歌を歌わせることについて判断していないことを論難している(控訴理由書14頁)。
2. しかし,かかる主張は,そもそも,控訴人自身が求める請求の内容とは何らの関連性も有しないものである。
3. 裁判所は控訴人のファンレターにおける記載のみを取り上げて,「社会通念」を当てはめて控訴人に問題があったと判示しているが,同様に,被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードに「社会通念上」問題のある行動がなかったかをチェックする必要があるのは当然である。
4. というのも,被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが,所属するメンバーに対して歌唱させているのと同等程度の内容であれば,一般人はファンレターに記載してもかまわないと考えるのが,それこそ「社会通念上」通常だからである。
5. にもかかわらず,被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが,所属するメンバーに対して歌唱させているのと同等程度の内容を控訴人がファンレターに書いているからとして,控訴人に対してことさら問題視するのであれば,その判断は極めて恣意的である。
6. また国体を代表する裁判所としては,控訴人と被控訴人を,憲法第14条に規定する平等則に従って判断し判決せねばならず,被控訴人が公に対して為しているのと同等の行為について,控訴人のみに対して問題視することは,相応の理由を示さない限り許されないはずである。
7. このため,“被控訴人キングレコードらがAKB48のメンバーに対して性的な表現を含む歌を歌わせることについて判断”することは,控訴人のファンレターや行為を「社会通念上」問題であると判断しようとする場合に,判断することを避けることはできないと控訴人は主張するものである。
その5 1 控訴理由書第2(5)に関する反論
1. 控訴人は,原判決が,書証を1通も提出していない被控訴人AKSの主張を採用していることが恣意的であると主張するが(控訴理由書15頁),民事訴訟の基本原則をまったく理解していないものであり,そもそも失当である。
2. 控訴人は,民事訴訟において控訴人(原告)が,被控訴人(被告)の不法行為の存在を証明した場合,証明責任が被控訴人(被告)側に転換されることを主張しているだけである。
3. 控訴人は被控訴人AKSによる個人情報保護法第16条などの違法行為に関して,裁判官が事実の存否について確信を抱くに足る証明を為したのであるから,被控訴人AKSは個人情報保護法第16条などに違反した理由について証明する責任を持つと主張する。
4. さらに今回その1でも主張しているが,被控訴人AKSが控訴人のファンレター等を援用することはそれ自体が違法収集証拠排除則ならびに不利益不遡及の原則の適用を免れないことからも,被控訴人AKSによる数多の不法行為は準備書面上のみにおいて立証できるものではないと主張するものである。
その6 1 控訴理由書第2(7)に関する反論
1. 平成26年10月13日の握手会において控訴人が岩田と握手した事実が仮にあったとしても,当該事実は本訴訟における請求を基礎づける事実とは何らの関係もないものであるから,控訴人の上記主張は本件控訴理由としてはそもそも失当である。
2. 原判決文において,被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが岩田華怜に関して控訴人と会わせないことが,遵守すべき”義務”として認定されていることが,原審の判断の核心に当たるのである。
3. このため,認定された当該義務を判決日以前に被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードが既に遵守していない事実は,訴訟物が異なる場合においても判決文の前提とする条件が覆るに十分であり,極めて重要であるとして主張したものである。
4. そもそも,その1において控訴人が記載した通り,原判決文において認定された義務自体が違法収集証拠を前提としたものであるために,そのような義務は存在しない。このことを,別の事実をもって述べているものである。
その7 1 控訴理由書第2(8)に関する反論
1. かかる主張は,請求1が給付請求であるのに対し,請求2が確認請求であることについての理解をまったく欠いたものであり,そもそも失当である。
2. 控訴人の主張が給付請求であろうが確認請求であろうが,裁判所が一つの事件の判決において前提とする基礎に変わりはなく,同一の判決文において使われる用語及びその解釈は統一されねばならない。
3. これは,民事訴訟法第312条2項六に規定する上告理由に関して,“判決理由に食違いがあること”と明記されていることからも明らかである。
その8 1 控訴理由書第2(9)に関する反論
1. 原判決は,被控訴人キングレコードの上記行為が独占禁止法第19条に該当しないとの法律上の判断を明確に示しているのであるから,控訴人の主張は失当である。
2. 原判決においては,控訴人は被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコード担当者より,控訴人に対してCDを買えなくすると言われたことを提示し,さらに控訴人が具体的にCDが買えなくなった証拠を,甲第128号証に示す各資料にて提示している。
3. その上控訴人は,その1に記載するとおり,被控訴人AKSならびに被控訴人キングレコードらの不法行為が明らかであることも提示している。
4. このため裁判所は,これらの前提を検討し,理由を示した上において法律上の判断を為すべきところ,前提を欠いた上での司法判断は,民事訴訟法第312条2項六に規定する上告理由に関して,“判決に理由を付せず”と明記されていることから,明確な理由の記載を要求するものである。
第3.結論
以上のとおり,原判決は,①個人情報保護法の運用に基づかない違法収集証拠に関して,違法収集証拠であるかどうかの検討も為さぬままに②控訴人に対して不利益な判断を為した上で遡及適用し採用していることが明らかであり,事実関係に関する検討が十分でないことが明白であるため,破棄差戻されるべきである。
― 以上 ―
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本日作成した資料 (ネ)6480準備書面2_3
https://drive.google.com/file/d/0B1zRzD_3tvlRQ1lTOWhGaXhDVHc/view?usp=sharing
控訴審の資料一式 平成26年(ネ)6480号_AKSほか債務不履行控訴
https://drive.google.com/folderview?id=0B1zRzD_3tvlRS2dCdGhDT3hJNkk&usp=sharing
1審の資料一式 平成26年(ワ)1282号_AKSほか債務不履行訴訟資料
https://drive.google.com/folderview?id=0B1zRzD_3tvlRN2Mxc0ZJZ0luX1E&usp=sharing
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