Updated: Tokyo  2015/03/20 01:16  |  New York  2015/03/19 12:16  |  London  2015/03/19 16:16
 

ゆうちょ銀の限度額引き上げ、上場に間に合うよう努力-自民

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  (ブルームバーグ):自民党の郵政事業に関する特命委員会で幹事長を務める森山裕衆院議員はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、ゆうちょ銀行 の預金限度額の引き上げについて、今年計画している上場までに実現させたい考えを明らかにした。民営化で「民間銀行とはイコールフッティング(対等な条件)にある」と主張した。

自民党は昨年12月の衆院選で政権公約に「ゆうちょ銀の限度額の見直し検討」を盛り込み、これを受け特命委は3月から検討を開始した。ゆうちょ銀の預金については法律上、限度が設けられているが、政令でも上限額を変更することはできる。森氏は党内での議論を取りまとめた後、限度額引き上げを政府に働きかけていく方針だ。

森山氏は「ゆうちょ銀は株式会社で税金も払っている。預金保険機構にも入っている。なのになぜ普通の銀行と差があるのか。1000万円で止められているのか」と語った。その上で、「国が株を持っているから何かあったときに特別なことがあるかというとそれはない」とし、仮に上限を引き上げても「民業圧迫にはあたらない」と指摘した。

日本郵政は今秋にもゆうちょ銀、かんぽ生命保険の3社同時上場を計画しており、政府は株式売却により民営化を進める方針だ。ゆうちょ銀の預金残高は約179兆円と国内最大手の三菱UFJフィナンシャル・グループの約149兆円を上回る。民間銀行は規模の大きなゆうちょ銀に政府の関与が残るうちは民業圧迫にあたるとして反発を強めている。

森山氏は、ゆうちょ銀の預金限度額引き上げの実施時期について、「株価の価値を毀損(きそん)させないよう上場に間に合わせるよう努力しなければならない」と述べた。ただ、引き上げについては「慎重に議論する」方針で、金融庁や銀行界などからも意見を聞いて「お互いが理解して決着するのが大事」としている。

全国銀行協会の平野信行会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は19日の会見で「民間と公正な競争条件が確保されるまで限度額引き上げや新規業務は認められるべきではない」と反発。地方ではゆうちょの預金シェアが2割を占め、「政府関与が残る状態では資金シフトが起こり、地方創生の取り組みの中で資金供給に悪影響が起きかねない」と述べた。

自民の森山氏は「日本郵政が民間金融機関とタイアップしていかなければならない時代になる」とし、引き上げの過程などで「感情的な対立があってはならない」と語った。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 河元伸吾 skawamoto2@bloomberg.net;東京 油井望奈美 myui1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Marcus Wright mwright115@bloomberg.net 平野和, 持田譲二

更新日時: 2015/03/19 17:46 JST

 
 
 
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