【AWS発表】16TB、20K IOPSのAmazon Elastic Block Store(EBS)ボリューム
昨年、さらに大容量で高速なElastic Block Store(EBS)のお知らせをした際に、利用できるようになる時期については続報をお待ちくださいとお願いいたしました。大変おまたせいたしましたが、今日から従来よりも大容量で高速なProvisioned IOPS(SSD)ボリュームと、General Purpose(SSD)ボリュームをご利用頂けるようになりました!
今回のアップデートにより、Provisioned IOPS(SSD)については最大容量が16TBに、IOPSが20,000IOPSまで指定可能に、ボリュームあたりのスループットが320MB/sになりました。また、General Purpose(SSD)については最大容量が16TBに、IOPSの上限値が10,000IOPSに、ボリュームあたりのスループットが160MB/sになりました。
さらに大容量で高速なEBSを利用するには、AWS Management ConsoleやAWS Command Line Interface(CLI)、AWS Tools for Windows PowerShell、EC2 APIを利用して、ご希望の容量やIOPSの値を設定するだけでオーケイです。(SDKやツールのアップデートは必要ありません)
SSDベースのボリュームタイプについておさらいしてみましょう。
- Provisioned IOPS(SSD)ボリュームは2012年にリリースされました。リレーショナルデータベースやNoSQLデータベースをはじめとする、高いI/Oパフォーマンスを要求するワークロード向けにデザインされています。このボリュームタイプは必要なI/O性能を指定することが可能で、指定したI/O性能に応じた料金が発生します。
- General Purpose(SSD)ボリュームは昨年の6月にリリースされ、3種類のEBSボリュームタイプなかでデフォルトとして位置づけられています。バースト性のある幅広いワークロード、例えば中小規模のRDBやNoSQLといったデータベースや開発検証環境、システムの起動ボリュームなどに適しています。
いずれのSSDベースのボリュームタイプも、1桁ミリ秒のレイテンシでアクセスが可能で、可用性がファイブナイン(99.999%)となるようにデザインされています。
我々はお客様に対して、インフラのメンテナンスではなくコアビジネスに注力できるようにするお手伝いすることをお約束しております。今回のアップデートはその一環です。これにより、大規模なデータベースやビッグデータ分析、ログ分析システムといったアプリケーションを動作させるために、小さいサイズのボリュームを複数ストライピングする必要が無くなります。また、今回のアップデートにより複数のボリュームのスナップショットを管理する手間を省き、バックアップの運用をシンプルにすることが可能になります。
下のイラストは、今回のアップデートで可能になったシンプル化の例です。(Before)のように16個のEBSボリュームをRAID構成で利用するかわりに、(After)のように大容量のボリュームをひとつだけ利用することが可能になりました。このボリュームはProvisioned IOPS(SSD)を利用すれば最大16TBかつ20,000IOPSのパフォーマンスを発揮できるので、常に1桁ミリ秒のレイテンシでのアクセスを要求するI/Oインテンシブなデータベースを動作させることもできます。
より大容量で高速なボリューム
2014年の6月にGeneral Purpose(SSD)ボリュームを新たな標準のボリュームタイプとしてリリースいたしました。この時点では、3,000IOPSを最大とし1GBあたり3IOPSのパフォーマンスを提供していました。2014年の8月にSSDベースのボリュームタイプについて、ボリュームあたりのスループットを128MB/sに拡張いたしました。また、General Purpose(SSD)はAWS史上、最も速くお客様に受け入れられたサービスであることをご報告いたしました。
今回のアップデートにより、General Purpose(SSD)ボリュームは10,000IOPSを最大とし1GBあたり3IOPSのパフォーマンスを提供するようになります。ボリュームあたりのスループットは160MB/sに拡張されています。General Purpose(SSD)のパフォーマンスに関する考え方をまとめると下記となります。
- 1TBよりも小さいボリュームについては3,000IOPSまでのバーストを利用できます。例えば、100GBのボリュームのベースラインパフォーマンスは300IOPSですが、3,000IOPSまでバーストする事が可能です。
- 1,000GBよりも大きいボリュームについては、最大10,000IOPSまでのベースラインパフォーマンスを発揮することになります。例えば2,000GBのボリュームであれば6,000IOPSとなり、3,334GBから16TBまでのサイズについては10,000IOPSとなります。
私の同僚のDave VeithがGeneral Purpose(SSD)のボリュームサイズとパフォーマンスの関係をグラフにしてくれました。
IOPSのバーストはお客様にとって極めて有益であることが証明されています。というのは、統計データから大多数のお客様はI/Oクレジットを使い切ることなく、常時3,000IOPSのパフォーマンスを活用していらっしゃるからです!
Provisioned IOPS(SSD)について、Daveが別のグラフを用意してくれているのでこちらを確認してみましょう。容量とIOPSの間には1:30の関係がありますので、容量が667GB以上であれば20,000IOPSを指定することが可能です。
上記のスループットはEBS最適化オプションを有効にしたEC2インスタンスで発揮されることに注意してください。また、実際のスループットはインスタンスタイプや、ファイルシステムの種類、アプリケーションのアクセスパターンによって大きく変わります。詳細な情報についてはドキュメントを参照してください。Linuxインスタンスの場合はこちらで、Windowsインスタンスの場合はこちらです。
過去に学びつつ、前に進み続ける
過去9ヶ月を振り返ってみると、私たちは複数のサービスや機能拡張を行ってきました。2014年の6月にはGeneral Purpose(SSD)をリリースし、その3ヶ月後にはProvisioned IOPSボリュームのスループットを64MB/sから128MB/sに拡張しました。これらの拡張に加えて、EBSやsnapshotのデータ暗号化や、暗号化キーの管理機能もリリースしています。今日、SSDベースのボリュームについて最大サイズとパフォーマンスの拡張を発表いたしました。これからもサービスの改善に努めて参りますので、ぜひともご期待ください!
今すぐご利用いただけます
今までよりも大容量で高速になったEBSボリュームは全てのAWSリージョンでご利用いただけます。詳細な情報については、技術資料をご参照ください。
--Jeff,(日本語版は小林が担当しました)
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